「学び」の成立条件

社会全体で高学歴化が進んだために、教師をバカにする保護者が増えているようだ。しかし教師への敬意が失われると学びが成立しなくなり、ひいては我が子の学びのチャンスを奪うことに注意が必要。
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shinshinohara @ShinShinohara

昔の話を聞くと小学校の先生と言うのはかなり尊敬を集めていたらしい。しかし今の日本では、小学校の先生をバカにする父兄が少なくないようだ。その原因の一つには、大卒の人が非常に増えて、学校の先生よりも自分の方が学歴が上だと考える人が多くなってしまったためかもしれない。

2015-11-30 18:09:27
shinshinohara @ShinShinohara

その他、私と同世代だと管理教育への恨みを持っている人も多い。私の学年は非常に荒れた時代。内申書に書くぞと脅されるのではないかとビクビクしたりなど、先生に対しよい思い出を持っていない人も結構いたりする。自分の子供時代を思い出して、先生をバカにする向きもあるようだ。

2015-11-30 18:11:40
shinshinohara @ShinShinohara

親が先生を小ばかにするようだと、子供も自分の担任を軽んずるようになる。ここ20年近く、学級崩壊が全国的に吹き荒れたのは、教員の指導力不足もあるかもしれないが、親が学校教師をバカにする気分が子供に伝染した可能性が結構あるように思う。そんな調査がないか、どなたか教えてほしい。

2015-11-30 18:13:59
shinshinohara @ShinShinohara

ゆとり教育になって塾通いが増えたのも、学校不信の表れの一つ。本当なら学習内容が減ったなら、家で復習する量も減らすこともできるし、塾通いの必要性も減るはず。しかし実際にはゆとり教育が始まってから塾通いが激増した。教師不信が勢い余って塾への依存を強めた形。

2015-11-30 18:17:39
shinshinohara @ShinShinohara

学校教師を学歴面でバカにする保護者が増えたことを受けてか、教員になるためには大学院を卒業することを義務化してはどうか、と中教審が答申を出した。大学院の学歴をもてば、保護者からバカにされずに済むだろう、ということなのだろうか。しかし院卒も吐いて捨てるほどいる時代。意味あるだろうか?

2015-11-30 18:21:20
shinshinohara @ShinShinohara

教師をバカにするのは、学ぶ側にとって非常に損になる。学びが成立しないのだ。たとえ教師が重要なことを口にしたとしても「偉そうなこと言って、実際にはこの程度の人間なんだよ」と小ばかにする材料探しばかりするようになる。人をバカにすると学びが成立しない、という深刻な事態となる。

2015-11-30 18:23:56
shinshinohara @ShinShinohara

では、教える側がとびきり優秀な人であるべきだ、と考える向きが多いようだが、それもどうだろう?たとえば第一線で活躍する人を教師に抜擢したとしたら、その分野の人は有能な人を失って困らないか?しかも、専門では活躍しても教師としての能力は低いかもしれない。

2015-11-30 18:25:59
shinshinohara @ShinShinohara

もし「教える側は生徒よりも常に優れた能力がなければならない」とするなら、世代を替えるたびに知能が低下することになる。現代人より原始人の方が高い文明を誇っていた、ということになる。(そういう面もあるとは思うが)そうでもない現実をみると、教師は必ずしも優秀でなくてもよいらしい。

2015-11-30 18:30:16
shinshinohara @ShinShinohara

プロ野球でも、名選手名監督ならず、ともいう。伊藤みどり、浅田真央を育てた山田コーチは、自分以上の能力を発揮する選手を育てている。海外では、サッカー経験のない人がサッカーチームの監督をしている事例もあるという。専門的能力がなくても、優れた指導力を発揮する事例がたくさんある。

2015-11-30 18:28:05
shinshinohara @ShinShinohara

「出藍の誉れ」という言葉がある。青と言う色は藍から生まれるのだが、藍よりも青い。このことから、師匠よりも優れた弟子を育てることができた、ということを指す言葉になっている。教育と言うのは、指導者よりも優れた人間を生むためのシステムだと考えると、話は単純ではない。

2015-11-30 18:31:58
shinshinohara @ShinShinohara

もし教師が常に生徒よりも優れた学識を持つ必要があるとするなら、名馬を育てることで有名な伯楽は、誰よりも早く走れる馬なのだろうか。しかし伯楽は人間。馬になったことがないのに、よい馬を育てるすべを知っている。自分自身の能力を高めることと、子供の能力を高めることは同一視すべきでない。

2015-11-30 18:34:30
shinshinohara @ShinShinohara

自身は高い学歴がなくても、幅広い学識がなくても、実に上手に子育てをする親御さんや教師がいる。指導者自身の能力は優れていなくても、指導能力さえ優れていれば子供の能力が伸びるのだ。指導者に学歴や学識を問うのは、おそらく見当違いの要求なのだろう。

2015-11-30 18:42:21
shinshinohara @ShinShinohara

では、子供の能力が伸びる「学び」が成立するには、どんな条件が必要なのだろう?一つ言えることは、教師への敬意は必要最低条件。すでに述べたように、教師をバカにするようでは学びは成立しない。教師への敬意が成立してこそ、学びはスタートする。

2015-11-30 18:49:20
shinshinohara @ShinShinohara

子どもが教師に敬意を抱くには、親御さん自身が教師をバカにすることをやめなければならない。やめるだけでなく、教師に敬意を抱く必要がある。「自分よりも学歴や学識が劣る人間なんて、敬意を抱けるものか」と考えるならば、子供の学びのチャンスを大幅に奪うことになるのに注意が必要。

2015-11-30 18:50:40
shinshinohara @ShinShinohara

「そうはいっても自分より学歴や能力の低い教師に敬意を抱くのは無理だよ」という方がいるかもしれない。そんな方には「こんにゃく問答」という落語をお勧めする。まじめな修行僧が、ニセ坊主から学びを得るという非常に面白い話だ。「こんにゃく問答」togetter.com/li/279436

2015-11-30 18:53:02
shinshinohara @ShinShinohara

つまり、教師の質を問うより何より先に、教えを乞う側が謙虚であり、供試に対し敬意を抱き、学ばせていただこう、という姿勢が必要。教師がいかに非常に優れていようと、バカにする生徒はその教師から何も学べない。教育が成立するには、教師への敬意が必要最低条件。

2015-11-30 18:55:07
shinshinohara @ShinShinohara

その上で、教師の側に求められる条件とは何だろうか。子どもの能力を伸ばす能力を備えることだ。たとえるなら、花の水やりのようなものだ。花が欲しいと思ったときに水を与え、水が要らない時には水を与えない。適切に水やりをすれば、花は育つ。

2015-11-30 18:57:34
shinshinohara @ShinShinohara

さらに肥料のやり方もわきまえていれば最高だ。養分の中でも窒素が欲しいのか、カリが欲しいのか。花の様子を見極めて、適切なタイミングに適切な量施す。すると、花は見事な大輪の花を咲かせる。

2015-11-30 18:58:42
shinshinohara @ShinShinohara

花の名人は、自分が花になったことがなくても花を育てることができる。花が何を求め、何をどのくらい与えるべきなのか、あるいは与えるべきではないのかを知る人は、大輪の花を咲かせることができる。それと同様、教師は極論すれば、学歴や学識がなくても構わない。必要なのは育てる能力だ。

2015-11-30 19:00:46
shinshinohara @ShinShinohara

従って、私は教員の高学歴化はほとんど意味がないと考えている。保護者が自分よりも高学歴な教師を求めるのは、なんとも見当はずれな要求だ。学歴学識に惑わされず、育てる能力の高い教師であるなら、保護者は一定の敬意を表すべきだろう。すると学びの場は成立する。

2015-11-30 19:06:08
shinshinohara @ShinShinohara

「敬意」が難しいというのなら、「同志」でも構わない。子どもたちの能力をいかに高めるか、と言うことを保護者とともに考える同志。子どもに良かれと思い、誠実に、そして謙虚に指導能力を高めようという教師なら、同志としての基本条件を備えているといえるだろう。

2015-11-30 19:07:59
shinshinohara @ShinShinohara

もちろん、性格的、能力的に甚だ教師に不適格な人物はいる(生徒をバカにする、えこひいきがひどいなど)。そういう人物は教師を辞めていただくべき。しかし、学歴学識をむやみに教師に求めるのは、ナンセンスだと言えるだろう。

2015-11-30 19:09:05
shinshinohara @ShinShinohara

まとめると ①保護者、子供の側に教師への敬意、あるいは同志としての共感が必要。 ②教師に求めるべきは学識学歴ではなく、「育てる能力」。

2015-11-30 19:11:51
shinshinohara @ShinShinohara

「育てる能力」とは何か、というのは、機会を改めて考えてみたい。一応、これまでの論考はtogetter.com/li/797369 togetter.com/li/797391 togetter.com/li/798092 togetter.com/li/808184

2015-11-30 19:14:57