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井上武史 Takeshi INOUE @inotake77
①オランド大統領が演説で、緊急事態条項の創設は「テロ戦争に対して、公権力が法治国家原則に従って行動できるように、憲法を進展させるためである」と述べたことを受けて、フランス憲法学では、非常事態と法治国家原則(日本でいう立憲主義)の関係について、異なる応答が見られます。
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②まず、オリヴィエ・ボー(パリ第2大学教授・憲法)は、法治国家の観点から、緊急事態条項のための憲法改正には反対で、今後も法律で対処すべきとの考え方のようです。「憲法典の中にそこからの逸脱を認めるような諸規定を書き込むことは、何ら法治国家の発展ではない」。
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77
③ボー教授によると、緊急事態中の行政の権限乱用と、緊急事態の再度の延長という2つの危険に注意すればよく、必ずしも憲法に手を付ける必要はないとの考えを示しています(事実、後者については、ヴァルス首相が3か月を超える再度の延長を示唆しています)。
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④他方、公平に紹介すると、ドミニク・ルソー(パリ第1大学教授・憲法)は、同じく法治国家の視点から、緊急事態条項には賛成のようです。「非常事態権力は、法治国家の範囲内にとどまっていなければならない。それゆえその権力は、憲法で規定されている必要がある」。
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77
⑤ルソー教授によると、非常事態での権力が専制的にならないために、むしろ憲法で規定して、権力の行使を枠づけることが重要だという考え方です。また、政府の非常措置権に憲法上の根拠を与える、という意味もあるようです。
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77
⑥フランス憲法学の重鎮らの間でも法治国家の理解が異なっており、大変興味深いです。注意すべきは、両者とも、法治国家(立憲主義)に適合する憲法とはどのようなものか、いう「憲法のあり方」を問うていること。立憲主義論も本来このレベルの議論であったはずです。
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77
⑦なお、フランス政府は、緊急事態法が現行憲法においてすでに6回の適用実績がある、憲法院で違憲と判断されなかった、2007年のバラデュール委員会報告書でも緊急事態条項の創設が提案されているなどの事情から、緊急事態を憲法事項に格上げすることに障害はないと考えているようです。
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「緊急事態を憲法に書き込む必要はない」(オリヴィエ・ボー パリ第2大学教授)/Olivier Beaud : « Il ne faut pas constitutionnaliser l’état d’urgence » lemonde.fr/idees/article/…
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「憲法に少し手を入れるのがよい」(ドミニク・ルソー パリ第1大学教授)/Attentats de Paris : "Il est utile de toiletter la Constitution" webcache.googleusercontent.com/search?q=cache…

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