Medical Tribuneまとめ(2015年10-12月)

個人用。
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左馬(ひだりうま) @lefthorse

Medical Tribuneの誌面抜粋を、てきとーに行っていきます。略称はMTで。

2015-12-05 19:35:39
左馬(ひだりうま) @lefthorse

中高年者のCa多量摂取に骨折予防効果なし(MT1022・29):欧米では高齢女性の30-50%がCaサプリを使用。1992年のRCTではCa・ビタミンDサプリにより大腿骨近位部骨折リスクが43%低下と報告し、注目された。(続く)

2015-12-05 19:38:34
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)しかし2013年米国予防医療サービス対策委員会(USPSTF)は骨折予防目的にCa1000mg/日以上摂取の推奨にはエビデンス不十分と発表。NZのBolland氏らが2014年9月までの文献をメタ解析した結果、食事からのCa摂取は骨折リスクに関連しなかった。(続く)

2015-12-05 19:41:14
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)Caサプリの有用性については26件のRCTを解析し、大腿骨近位部骨折・前腕骨折では有意なリスク低下を認めなかった。バイアスリスクが低い4件のRCTでは、いずれの部位でもCaサプリによる有意な骨折リスク低下は示されなかった。(続く)

2015-12-05 19:43:07
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)一方、Ca摂取により、食事からだと0.6-1.0%、サプリからでは0.7-1.8%の骨密度改善が示された。しかしこの程度の骨密度増加では骨折予防には不十分とのこと。付随論評では、英国・北欧諸国GL推奨のCa700-800mg/日が適切ではないかとの見解あり。(了)

2015-12-05 19:46:58
左馬(ひだりうま) @lefthorse

10/20は「世界骨粗鬆症デー」。日本では2000年以降人口あたり大腿骨近位部骨折率は上昇し、骨粗鬆症と診断された有病者は女性だけでも1000万人程度と推計。治療は有病女性の17~34%、男性は4~8%程度に過ぎない。低い検診受診率がネックになっていると指摘されている。(続く)

2015-12-05 19:49:57
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)1度骨折するとその後の骨折リスクは最大7倍に上昇する。しかし国内調査では大腿骨近位部骨折約2300例の骨粗鬆症治療率は19%。近畿大学公衆衛生学教室の伊木雅之教授は、現在の骨粗鬆症治療は「糖尿病の網膜症だけ治療し糖尿病を治療しない」のに等しいと医療者の認識向上を訴えた。

2015-12-05 19:53:29
左馬(ひだりうま) @lefthorse

老齢期発症の糖尿病は認知症の危険因子(MT1022・29):カナダのグループが、オンタリオ州のコホート研究で、1995~2007年に新たに糖尿病と診断された高齢者約22万人、糖尿病を保たない高齢者約66万人を2012年まで追跡調査し、認知症の新規発症を比較した。(続く)

2015-12-05 19:58:25
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)各危険因子を補正した解析結果で、糖尿病群は非糖尿病群と比べて認知症リスクが1.16倍高かった。男女別では男性でややハイリスク。糖尿病患者の認知症リスクは、脳血管疾患で2.03倍、末梢血管疾患で1.47倍、慢性腎不全で1.44倍、1回以上の低血糖で1.73倍であった。(了)

2015-12-05 20:02:12
左馬(ひだりうま) @lefthorse

1時間の座位による血管障害は10分の散歩で解消(MT1022・29):米ミズーリのJaume Padilla氏らは、PC前に長時間座った後で、下肢血流や血管拡張機能が悪化。しかし10分(1000歩)好みの速度で歩行後、各種指標が正常化することが確認された。(続く)

2015-12-05 20:05:45
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)「健康日本21」では、疫学研究の結果から<1日1万歩>が理想と説明されている。しかし現状の平均歩数は、男性8202歩、女性7282歩、1万歩以上歩いている人の割合は各々29.2%、21.8%。歩く時間を1時間強ほど捻出するのが日本では最大のハードルかもしれないと。(了)

2015-12-05 20:08:13
左馬(ひだりうま) @lefthorse

妊娠中のがん治療による胎児への悪影響認められず(MT1022):ベルギー・オランダ・イタリア・チェコの多施設共同・症例対照研究で、妊娠時にがん診断された母親から出生した小児129例、同数の対照群を対象に、生後18ヶ月・36ヶ月の認知発達、36ヶ月の心機能評価を行った。(続く)

2015-12-05 20:16:11
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)胎児期がん曝露群の母親年齢中央値33歳、妊娠週数中央値17.7週。妊娠中に74.4%が化学療法、8.5%が放射線治療を受け、手術のみは10.1%。早産(37週以前出生)割合は61.2%(一般では6.8~8.0%)と高かった。平均出生体重は2705gであった。(続く)

2015-12-05 20:19:55
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)医学的問題や手術、薬物療法が必要となる頻度は、胎児期がん曝露群と対照群で同等。認知発達のBayleyスコアでも有意差を認めず。早産は認知アウトカムと関連していたが、がん治療とは独立していた。36ヶ月時心エコー検査でも異常発生率が増加するとの結果は得られなかった。(続く)

2015-12-05 20:23:26
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)妊娠中にがんと診断され化学療法や放射線治療を受けても、胎児の出生後発達に悪影響を及ぼさないことが示唆された。対象者のうち化学療法群は、第1トリメスター後の施行であり、第2トリメスター以降の介入であれば先天異常の増加をもたらさないと報告されている、と説明された。(続く)

2015-12-05 20:27:59
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)がんと診断された妊婦では、化学療法を回避するよりも早産の回避が重要との考えが示唆された。一方、新薬である分子標的薬でのがん治療には今回の結果はあてはめられず、心毒性・認知神経学的な検討には追跡期間が短すぎる、ということが今回の研究の限界として挙げられている。(了)

2015-12-05 20:30:19
左馬(ひだりうま) @lefthorse

ワクチン未接種でインフルエンザ関連肺炎の入院が多かった(MT1022):米国の季節性インフルエンザの入院は年間約22万件、死者数は3千~4万9千人。肺炎は合併症として一般的で重症化する場合も多いが、ワクチン接種により市中肺炎による入院リスクが減少するか否かは不明であった。(続く)

2015-12-05 20:40:06
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)2010年1月~12年6月米国の4地域8施設で市中肺炎入院を追跡した観察研究EPICの一環として、インフルエンザ陽性/陰性の肺炎患者での、各因子調整後のインフルエンザワクチン接種率を比較。2767例が対象となり、インフルエンザ陽性162例、陰性2605例であった。(続く)

2015-12-05 20:43:39
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)インフルエンザ予防接種を受けていたのは対照群で29%、症例群では17%であった。背景因子調整後のインフルエンザ接種率のオッズ比は0.43、ワクチンの推定有効性は56.7%。インフルエンザ関連肺炎患者のワクチン接種率は、非関連肺炎患者の接種率と比較して低かった、と。(了)

2015-12-05 20:47:27
左馬(ひだりうま) @lefthorse

日本の蘇生ガイドライン2015がオンラインで先行公表(MT1105):今回の改訂では、市民救助者に対し胸骨圧迫からの心肺蘇生開始を推奨。胸骨下半分を成人の場合深さ5cm沈むよう圧迫、ただし6cmは超えない。小児では胸の厚さの約3分の1。100~120回/分のテンポで。(続く)

2015-12-05 20:54:29
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)人工呼吸の訓練を受けていれば、胸骨圧迫と人工呼吸を30:2の比で行うことも示された。(了)

2015-12-05 20:56:25
左馬(ひだりうま) @lefthorse

高齢者高血圧患者の降圧薬中止に認知機能改善効果見られず(MT1105):観察研究で高齢者の低血圧は認知機能低下リスクを高めることが示されている。高齢者では脳の自己調節機能が低下するため、血圧低下は脳の血流量維持と認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。(続く)

2015-12-05 21:02:07
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)オランダのグループは、軽度認知機能低下(MMSE21~27)、降圧薬服用中の75歳以上高血圧患者385例を中止と継続にランダム割り付けし、16週後の血圧・認知機能を比較。収縮期血圧は中止群で7.36mmHg上昇したが、認知機能複合スコア変化には有意差を認めなかった。(了)

2015-12-05 21:04:57
左馬(ひだりうま) @lefthorse

男性の思春期心拍数の低さと成人後の暴力犯罪の間に関連(MT1105):スウェーデンのグループは、1958~91年生まれのスウェーデン人男性71万例を対象に最長35.7年間追跡。徴兵検査時の安静時心拍数と、成人後の暴力・非暴力犯罪と攻撃による自身の傷害との関連を検討した。(続く)

2015-12-05 21:09:07
左馬(ひだりうま) @lefthorse

(続き)身体、精神、社会的因子など補正後、安静時心拍数の最高五分位群(83拍/分以上)に比べ、最低五分位群(70拍/分以下)では暴力犯罪、非暴力犯罪により有罪判決を受ける割合がそれぞれ39%、25%高かった。攻撃によって自身が傷害を負う割合も39%高かった。(続く)

2015-12-05 21:12:04