2015年12月14日

黄昏町(九板)三十八日目

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@hiiragi_r_t_d

【三十八日目】 【魂9/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) #hollytk

2015-12-14 17:25:06
@hiiragi_r_t_d

「こーんにーちわっ!」 「こんにちは」 角から飛び出してきた少年に、わたしは驚かずに挨拶を返した。 「あれー、びっくりしないんだね?額の眼のせいかな?」 「よく分かってますね」 「異形には詳しいんだよ、僕は!」 白衣の少年は胸を張って答えた。 01 #hollytk

2015-12-14 17:26:53
@hiiragi_r_t_d

「へえ、でもあなた自身には異形がないようですね」 「あー、それはどうでもいいじゃん?それより、こっちこっち」 少年は無造作にわたしの左手、血に汚れた白い鱗に覆われた手を取る。 「……」 わたしは仕方なく、手を引かれるままについて行った。 02 #hollytk

2015-12-14 17:28:13
@hiiragi_r_t_d

少年がわたしを連れてきたのは、ぽっかりと開いた空き地。 「さあ、実験を始めよう!」 「はい?」 何を言っているのか分からずぽかんとした顔を晒すわたしに構わず、少年はわたしの周りに枯木を積み始めた。 「えーと、何をしているんですか?」 「何って、実験だよー」 03 #hollytk

2015-12-14 17:30:20
@hiiragi_r_t_d

「燃え死ぬと火に強い異形になるんだって」 「はあ……」 ふむ、とわたしは考え込む。心当たりが無いわけでもない。左腕の鱗は、溺れ死んだ時に得たものだ。 「なるほど。そうかもしれませんね」 「でしょ?君ならそう言ってくれると思っていたよ!さあ、今すぐ検証を」 04 #hollytk

2015-12-14 17:32:15
@hiiragi_r_t_d

何やら並べ立てる少年の腹に、白い鱗に包まれたわたしの拳が突き刺さる。 「ぐっ、うぅ……何を」 「騙されませんよ。わたしを殺しに来たのでしょう?」 異形を持たない人間は敵。忘れるところだった。うっかり流されて殺されるところだった。いや、流石にないか。 05 #hollytk

2015-12-14 17:34:28
@hiiragi_r_t_d

わたしの見下ろす先、ぐったりと横たわった少年はぼそぼそと呟く。 「ハ、ハハッ……何、言ってるのか、分かんないなぁ……僕はただ、知りたいだけなんだ」 06 #hollytk

2015-12-14 17:37:09
@hiiragi_r_t_d

「この町がこうなってから、死んだ人間はどこに消えたのか。食べたものが次の日には元通りになっているのはなぜなのか。バケモノが食べたものはなぜ元通りにならないのか。バケモノはどこから現れたのか。消えたバケモノはどこに行くのか。君たちの力はどこから生まれたのか。 07 #hollytk

2015-12-14 17:39:40
@hiiragi_r_t_d

「僕は知りたい。だから調べた。調査して実験して解剖して検分して検証した。そしていくつかの知見を得た。バケモノに関わる破壊は修復されない。バケモノは死ぬと蘇るが一定の条件下においてその力は無効化され、ヒトの形を失う。すべての生物には魂がある。 08 #hollytk

2015-12-14 17:41:09
@hiiragi_r_t_d

「魂は死によって変質し、異形を生じる。変質による歪みが蓄積すると、精神にも影響する。歪みが異形として現れるのは、同時に五つまで。ヒトの形を失う事で、全ての歪みを異形に現す事が、出来、る……そし、て…」 そこまで話して、少年は気を失った。 09 #hollytk

2015-12-14 17:43:08
@hiiragi_r_t_d

「……なるほど、恨みがあって来たわけではないようですね」 わたしは肩を竦めてから気を失った少年を抱え上げ、積み上げられた枯木の上に放り投げた。 「生憎、わたしにあなたの実験に付き合う義理はありません」 少年の白衣のポケットを探り、マッチを取り出す。 10 #hollytk

2015-12-14 17:46:16
@hiiragi_r_t_d

マッチを取り出し、擦る。小気味良い音と共に、小さな炎が燃え上がる。 「さようなら。また会ったら、今度はゆっくりお話を聞かせてください」 わたしは、マッチを放り投げた。乾ききってスカスカになった枯木が勢いよく燃え上がり、少年の白衣に燃え移る。 11 #hollytk

2015-12-14 17:48:42
@hiiragi_r_t_d

「自分の体で実験、頑張って下さいね」 そのまましばらく燃え盛る炎を眺め、少年がしっかり焼け死んだ事を確認したわたしはその場を後にしようとして……不意に足を止めた。 「あ、そうだ」 わたしは尾を振るい、少年の腕を切り落とす。 「んふふ、美味しいです」 12 #hollytk

2015-12-14 17:50:10
@hiiragi_r_t_d

噛むと熱い脂と肉汁が弾け、生の肉より数段旨味が強く感じられる。 程よい焼け具合の肉を頬張りながら、わたしはその場を後にした。 13 #hollytk

2015-12-14 17:52:16
@hiiragi_r_t_d

──────── 【三十八日目】 【生存】 【魂+1】 【魂10/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) 14 #hollytk

2015-12-14 17:52:31
@hiiragi_r_t_d

[町]君の周りに枯木を置きながら、白衣の少年は得意げだ。「燃え死ぬと火に強い異形になるんだって」《少年を止めないなら焼死【魂-1/『火玉(火耐性、探索+1)』入手】力1以上で少年を戮せる【魂+1】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #hollytk

2015-12-14 17:53:08

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