現代日本でヘイトはなぜ育ち拡散するのか?同志社大学大学院教授・浜矩子氏が語る「ヘイトスピーチ化する日本」の前半をYoshitakaさんがまとめてくれました

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Yoshitaka @poppokun

浜 矩子の指摘:「アベノミクスがアホノミクスたるゆえん」 同志社大学浜 矩子は,『さらばアホノミクス-危機の真相-』(毎日新聞出版,2015年11月)にも関連するつぎのような講演を,11月18日におこなっていた。この講演が大学問題にも通じる重要な示唆を与えている点である。

2015-12-14 18:20:28
Yoshitaka @poppokun

a)「アホノミクスがヘイトスピーチを誘引」 経済活動は本来「人間を幸せにする」ものである。だが,最近の日本経済は全然そのようには機能していない。この背景には「日本の政治状況」が大きな要因になって効いている。端的にいえば,安倍政権が展開してきた経済政策に非常に大きな問題がある。

2015-12-14 18:21:26
Yoshitaka @poppokun

安倍政権の経済政策「アベノミクス」に対して私は,別の名前を発明し,「アホノミクス」と名づけた。実をいえば,このアホノミクスがヘイトスピーチを日本国内で広める大きな要因になっている。

2015-12-14 18:21:47
Yoshitaka @poppokun

日本のヘイトスピーチ社会化をもたらした背景が,アホノミクスという現政権の政策展開だといえる。私が示したい論点は,大別して2点ある。その1は「日本社会にヘイトスピーチ化をもたらしているもの」であり,その2は「日本社会においてヘイトスピーチ化をせき止めてくれるもの」である。

2015-12-14 18:22:31
Yoshitaka @poppokun

その1「日本社会にヘイトスピーチ化をもたらしているもの」。--つぎの〈3つの対立〉が日本のヘイトスピーチ化を促している。  イ) 融合と分断の対立である。  ロ) 自助対公助である。  ハ) 教育対訓練である。

2015-12-14 18:22:49
Yoshitaka @poppokun

イ) 融合と分断の対立  雇用の形態・働き方の多様化とか,教育の多様化の後押しとかいった施策はあたかも多様性を容認し,多様なる者たちが融合する社会を作りたいといったかのような印象を与えている。  しかしよく考えてみるにそうはなっていない。「多様化」のもとに「分断化」が進んでいる。

2015-12-14 18:23:26
Yoshitaka @poppokun

結局,人びと々が自分と違うタイプの人間たちに思いを馳(は)せられなくなって,自分と違う人びとにおける思考や行動が理解できなくなっている。おたがいが相手を理解できない関係のなかでの感情は,相手のことを疑う感情につながる。この疑いは恐怖を生む。この恐怖がヘイトスピーチの背後にある。

2015-12-14 18:24:04
Yoshitaka @poppokun

ロ) 自助対公助  安倍政権は,自助能力がある者を助けるのが公助の役割であると規定する。しかし,それは完全に誤まった「公助という言葉」に関する理解である。公助とは,自助能力がないか,あるいはそういう能力を発揮する場面に恵まれない人びとを助けるためのもである。

2015-12-14 18:24:22
Yoshitaka @poppokun

つまり,公助に課せられた最大の役割は弱者救済である。ところが,安倍晋三政権の考えでは,自助能力がある者,これを自己展開できる人にのみ機会を与えている。それでは,自助能力がないと見下された者に対しては,社会全体が「差別的な意識」を芽生えさせている。

2015-12-14 18:24:38
Yoshitaka @poppokun

ところが,自助能力がないようにみえる人びとであっても,本当はけっして自助能力がないわけではない。ただ,自分がもつ自助能力を発揮する場面が奪われているに過ぎない。この種の「弱者に対する見方」を植えつけている政策環境が,まさにヘイトスピーチを惹起する潜在要因を提供しつづけている。

2015-12-14 18:24:58
Yoshitaka @poppokun

そうした社会的な関係においての「自助対公助の対立」は,人びとの心理のなかに非常な欲求不満を生み出す。さらには,その怒りのはけ口をどこかに求めさせる心理をかき立てる。結局,ヘイトスピーチ的な行動につながっていったのである。

2015-12-14 18:25:14
Yoshitaka @poppokun

要するに,自助対公助の対立をもたらす政策は人びとから寛容さを奪いとり,寛容さとはほど遠いヘイトスピーチの心理を昂進させる。その2つの要素は,東が西と隔たっているほどに遠い。

2015-12-14 18:25:28
Yoshitaka @poppokun

ハ)  教育対訓練  安倍政権下,教育という分野でも大きな問題が生じている。安倍政権が政策として出てきたのが,大学におけるリベラル・アーツを排除する方向性である。安倍政権なりの立場には,リベラル・アーツ式の思考に時間を費やす部門は無駄であるという考え方が控えている。

2015-12-14 18:25:49
Yoshitaka @poppokun

そのように思考したりする暇があれば,腕に技術を付けてスキルを磨くほうが,はるかに生産的な社会の一員になれる。安倍政権はそう思いこんでいる。スキルは非常に高水準で身に付いているけれでも,考える能力がない人間しかいないとしたら,この世の中,いったいどういうことになるか?

2015-12-14 18:26:08
Yoshitaka @poppokun

b)「想像力とは無縁であるアホノミクス」  スキルはあるけど頭の中身は空っぽという人は,イマジネーション(想像力)を働かせうる精神的な余裕をもたない。このイマジネーションの欠落がなにを意味するかといえば,自分と違う人びとの考え方が理解できないし,

2015-12-14 18:26:41
Yoshitaka @poppokun

自分と違う感性をもつ人の思いに同情(共感)する能力もない。  したがって,スキルはあるが頭の中身が空っぽ状態,しかもその当然の結果として,想像力を欠く人に生じるほかない《最大の悲劇》がなにかといえば,自分以外の人の痛みが分からないのである。

2015-12-14 18:27:09
Yoshitaka @poppokun

そしてさらに,人の痛みが分からないことこそが,まさしくヘイトスピーチの温床になっている。  註記)christiantoday.co.jp/articles/17988… 2015年12月6日19時05分

2015-12-14 18:27:23
Yoshitaka @poppokun

安倍晋三政権がいま,文教政策=予算措置を小道具(刃物:凶器)に用いながら,日本の大学の根本性格を強制的に変質させようとしている。その当面する目標は,浜 矩子が以上のように批判した「人間類型:《考える能力がない人間》」を,大量生産させるための育成機関に転換させることである。

2015-12-14 18:27:33