意欲を奪う「叱る」、意欲を培う「楽しむ」
- ShinShinohara
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「叱る」というペナルティ方式は、「する」ことを「しない」に変えるのには有効でも、「しない」こと「する」に変えるのにはほとんど無効。本人が意識して実行していることを阻止することはできても、無意識に「起きてしまう」ことを叱って阻止することはほとんどできない。
2015-12-15 00:18:36おねしょとか、忘れ物とか、こうした「無意識のうちに起きること」は叱ってもほぼ無効。無意識に起きることは、子供もどうしてよいのか分からない。「きちんとしろ」と言われてもどうしてよいのか分からない。分からないことへの悲しさに叱られたことが追撃になって、気持ちがへこむだけ。
2015-12-15 00:20:32「忘れ物をしちゃだめよ」と言っても、どうやったら忘れ物をせずに済むのか子供は分からない。忘れるという「現象」は、忘れたくて忘れているわけではない。意識的な行動ではなく無意識的な「現象」だから、子供本人も、叱られてもどうしようもない。叱られれば意欲が失われるだけ。
2015-12-15 00:22:47「忘れ物をする」には「する」という言葉が入っているけれど、意識的な「行動」ではない。忘れ物やおねしょは、子供にとっては無意識的のうちに起きてしまう「現象」。どうすれば阻止できるのか、「忘れ物をしない」は何を「する」ことで阻止できるのか、子供には分からない。
2015-12-15 00:52:24「しない」を「する」に変えるには、叱るというネガティブ指導より、楽しくゲーム感覚に変えてしまうポジティブ指導の方が有効。「忘れ物がないか、チェックするゲーム!パンパンパン!」忘れ物チェックシートを作り、子供にも渡しておいて、決まった時間に一緒にチェックをするゲームに変える。
2015-12-15 00:26:43「さあ、忘れ物はないかなあ?これは?これは?」「ある!」「これも入れた!」チェックをどんどんしていく。うっかり忘れたものがあったら「ああおしい!残念!今日は全問正解なりませんでした!」「今日は全問正解!」と楽しくチェック。こうして楽しく進めると、忘れ物チェックが楽しくなってくる。
2015-12-15 00:29:22楽しいと意欲が生まれる。意欲があるから行動を引き出せる。それまで忘れ物がないかチェックをする行動を「しない」のであったなら、楽しさで「する」に変えるとよい。楽しいから進んでチェックするようになる。
2015-12-15 00:30:31叱るというネガティブ指導だと、これがなかなかうまくいかない。忘れ物チェックをすることが楽しくないから、渋々やることになる。意欲がわかないからついついいい加減になる。せっかくチェックリストがあってもおざなりになり、結局忘れ物をすることになる。
2015-12-15 00:31:42叱るというネガティブ指導は、意欲を奪う手法。だから危険なことに手を出そうとしたりするのを止めるには、危険なことへの興味、意欲を奪うことができるので、それなりに有効なこともある。しかし意欲がそもそも湧かない対象には、叱るという指導法はあまり役に立たない。
2015-12-15 00:33:18トム・ソーヤが伯母からペンキ塗りを命じられて一計を案じ、楽し気にペンキを塗っていると、友人たちがリンゴやおもちゃをプレゼントしてでもペンキを塗らせてくれと頼むようになった話がある。意欲を引き出すには、「しない」を「する」に変えるには、「楽しい」が有効だ。
2015-12-15 00:35:00忘れ物がないかチェックするという、そのままだと別段楽しくないことを、一緒にゲームにしてしまう。すると楽しんでチェックできる。「次こそは忘れ物せずにすませよう」と意欲を持つようになる。
2015-12-15 00:36:11意欲を奪いたいなら叱る。意欲を生みたいなら楽しむ。子どもにどう行動してほしいのか(あるいは行動してほしくないのか)、それを区別しないと指導はうまくいかない。
2015-12-15 00:38:08