百年前新聞による実況「三毛別ヒグマ事件」

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速報◆太田家から逃げてきた通夜の参列者たちが、明景（みょうけ）家に到着する。ヤヨ(34)と子どもたち、長松要吉(59)を保護する。 ＝百年前新聞社 (1915/12/10)

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速報◆真っ暗闇の中から、肉を食べる音と、骨を噛み砕く音だけが聞こえてくる。 ＝百年前新聞社 (1915/12/10)

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速報◆男たちが明景（みょうけ）家を取り囲み、銃を構える。そこにヒグマが現れ、撃とうとするが、不発。慌てているうちにヒグマが姿を消す。 ＝百年前新聞社 (1915/12/10)

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【社主のニュース解説】《社会》 悲しい知らせです。昨日、北海道の三毛別（さんけべつ）をヒグマが襲った事件で、先ほど午後8時から9時ごろ、再度ヒグマが村を襲いました。これにより昨日から計7名が死亡、3名が重傷という大惨事となりました。もはや村民だけの手に負えない事態と言えそうです。

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【社主のニュース解説】《社会》 専門家のコメント「三毛別を襲ったヒグマは、非常に巨大で、冬眠のための適当な穴が見つからず、食料を求めて人里を襲っているようだ。昨日の襲撃で人間の肉の味を覚え、再度、同じ家を襲った可能性がある。雪の中に遺体を隠したのは、冬の保存食にするためだろう」

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速報◆11日、9日に発生した三毛別ヒグマ事件で、役場と警察に連絡に行った斉藤石五郎(42)が、村に帰る。そこで、妻タケ(34)と子ども二人と胎児が、全員ヒグマに殺されたことを聞き、泣く。 ＝百年前新聞社 (1915/12/11)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 連絡を受けた北海道庁で、ヒグマ討伐隊が組織される。青年団、消防団、アイヌなど構成メンバーはさまざま。手にする武器も、通常の刃物のほか、村田銃や日本刀なども。 ＝百年前新聞社 (1915/12/12)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 ヒグマが襲撃した三毛別で、討伐隊が森に入るが、ヒグマを見つけることはできず。隊員が焦り始める。 ＝百年前新聞社 (1915/12/12)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 北海道の三毛別に夕暮れが近づく。焦りを感じたヒグマ討伐隊が作戦を練る。結果、「獲物を取り戻そうとするヒグマの習性を利用する」という結論に至る。 ＝百年前新聞社 (1915/12/12)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 ヒグマ討伐隊隊長が、「獲物でヒグマをおびき寄せる」という非情な案を、三毛別の村民に説明する。遺族を含め誰も反論せず、ただ静かに受け入れる。これにより、遺体を並べて、腐臭でヒグマをおびき寄せることになる。 ＝百年前新聞社 (1915/12/12)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 日没。死体の腐臭につられ、ヒグマが姿を現す。が、警戒したためか、森に引き返す。討伐隊はそのまま待ち伏せを続ける。 ＝百年前新聞社 (1915/12/12)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 ヒグマ討伐隊が、昨日の日没ごろから本日朝まで待ち伏せをしたが、ヒグマは現れず。 ＝百年前新聞社 (1915/12/13)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 ヒグマ討伐のため、陸軍第7師団歩兵第28連隊より30名が投入される。 ＝百年前新聞社 (1915/12/13)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 村の下流にある橋で警備していたヒグマ討伐隊が、暗闇の中、ヒグマを発見する。発砲するも仕留められず。ヒグマはまた森のなかに消える。 ＝百年前新聞社 (1915/12/13)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 朝になり、討伐隊が、ヒグマがいたであろう場所を捜索する。ヒグマの足跡を発見する。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 ヒグマ討伐隊が、森の中の捜査を開始する。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 マタギの山本兵吉(57)が、森に入る。ヒグマ討伐隊とは別行動。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 森に入ったマタギの山本兵吉(57)が、ついにヒグマを見つける。ヒグマは休んでいる様子。ヒグマはまだ兵吉に気づいていない。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 マタギの山本兵吉(57)が、息を殺してヒグマに近づく。その距離わずか20メートル。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 ヒグマは山のふもとの討伐隊に気をとられている。マタギの山本兵吉(57)は、木に身を隠す。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14)

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【三毛別ヒグマ事件速報】 マタギの山本兵吉(57)が、ヒグマを狙撃する。心臓に命中。即座に2発目を放ち、頭を撃ち抜く。ついにヒグマが倒れる。事件の終焉。 ＝百年前新聞社 (1915/12/14) ▼家を襲う巨大なヒグマの想像図。 pic.twitter.com/5EzYX8HteP

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