Kaz1379 さんによる翻訳Tweet:ケナンの封じ込め戦略をISに応用せよとする、米アトランティック誌の記事。

😷平井和也@ロバート・マクマン著『冷戦史』訳者 @kaz1379

【米誌アトランティック】ジョージ・ケナンの対ソ封じ込め戦略の教訓を生かした対IS封じ込め戦略とは？ theatln.tc/1HXPUJu 続1 pic.twitter.com/Alqnbtee8n

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欧米はISを現在の支配領域内で壊滅させることは可能だが、これには大規模な地上軍の投入が必要であり、そこから得られる戦果はせいぜい一時的なものでしかないだろう。続2

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米国とその同盟国はISを封じ込める必要があるという論陣をはる論者がいるが、その文脈の中でジョージ・ケナンが1946年に発表した対ソ封じ込め戦略の教訓が役に立つ。続3

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ケナンはマルクス主義の問題が露国内に拡大し、ソ連社会はやがて社会全体の潜在能力を弱体化させる弱さを抱えていると説いた。そのためケナンはソ連の「拡張主義的傾向」に対抗するためには、ソ連を崩壊させるよりも「長期的に粘り強く慎重な封じ込め」政策をとる必要性を訴えた。続4

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ケナンはマルクス主義理論について革命勢力の権力と復讐に対する「極めて都合の良い正当化」だとしたが、ISもイスラム教の教義を独自解釈して、子供に対する強姦や捕虜を生きたまま焼殺すること、蛮行を通してイデオロギーを広めていることを正当化している。続5

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ケナンは、ソ連は「冒険主義的」ではなく、「無用なリスクを冒す」こともないと考えていたが、ISは対照的な行動をとっている。しかし、当時のソ連に対する「巧妙・慎重な対抗力の適用」に関するケナンの処方箋はISにも応用できる。続6

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旧ソ連の封じ込めに希望戦略以上のものが必要だったように、IS封じ込めにも軍事的・外交的な手段を使った組織拡大の阻止が必要となる。旧ソ連崩壊の大きな要因は国内経済と国民に対する国家指導者のウソの公約に対する国民の覚醒だった。続7

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ISも空想的な公約を掲げており、医療などの基本的なニーズを満たすことができないためにいずれ崩壊するのは間違いない。その時に向けて、米国とその同盟国は強力な封じ込め戦略を継続して実施する必要がある。続8

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米国とその同盟国はアサド政権による空爆からシリア国民を守るためにシリア北部に飛行禁止空域を設けるべきだ。また、特殊作戦部隊の配備増強と同盟各国間の情報共有の強化も必要であり、スノーデン事件後の情報監視に反対する社会の雰囲気についても再考が必要だ。続9

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最近カーター米国防長官が発表した派遣軍によって情報能力が大幅に強化されるだろう。イラクの地上部隊を現在の3,500人規模から拡大せざるをえない理由はあるが、その部隊をスンニ派のアラブ人で構成する方が得策だ。続10

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ケナンはまた、「世界の共産主義は病んだ組織でしか増長できない悪性の寄生虫のようなものだ」と説いたが、ISも世界中の脆弱な国や強い国家の中の脆弱な地域の中にある「病んだ組織」に拡散している。続11

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IS封じ込めには二面性を認識する必要がある。つまり、ISは領土を支配し、国家体制が脆弱な地域にカリフ国を拡大させていこうとする全体主義的な原始国家であると同時に、欧米に反撃を仕掛けさせようとする地球規模のテロ組織でもあるということだ。続12

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シリアとイラクのISを壊滅させるためには10万人規模の軍の派遣が必要だが、権利を奪われたスンニ派イスラム教徒の根本的な問題への対応を誤ると、ISなどのテロ組織のさらなる台頭を引き起こす隙を残すことになる。続13

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ISという全く異なる相手に対抗するためのケナンの封じ込め理論の応用はIS台頭の時代の先見の明を持ったアプローチだ。特に「戦略の第一段階は対象となる動きの本質を理解・認識することだ」というケナンの警句は傾聴に値する。了14