黄昏町(九板)三十九日目

柊 @hiiragi_r_t_d

【三十九日目】 【魂10/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

「……臭いますね」 わたしは目を閉じ、鼻をひくつかせる。焼肉の臭いが服に染み付いた……のではない。木材の焼ける臭いだ。 「……行ってみましょうか」 人間が焼かれているのなら僥倖。もし同類のバケモノが焼かれそうになっているなら、助けるのもやぶさかではない。 01 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

風上に向かうにつれ、臭いは強くなる。 「嫌な臭いですねえ……」 残念ながら、人間の肉ではないらしい。据えた悪臭が鼻をつく。 「おつかれさま」「さっさと帰ろうぜ」 不意に前方から男達の話し声が聞こえ、わたしは咄嗟に路地の角に身を隠した。 02 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

向こうから走ってきたのは、数人の作業服を来た男達。ポリタンクやマッチを持ち、一仕事終えた充足感で顔を綻ばせている。 「今回も楽勝だったな」「寝てる間に運んどきゃ、なんにも怖くねえぜ」 どうやら、彼らの仕業のようだ。そして、手遅れだったようだ。 03 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

「……はぁー」 がっかりだ。わたしは暇潰しに、男達を殺す事にした。……一応、助けてやれなかったバケモノの墓前に男達の首を供えてやろうという考えもある。 「どうも、こんにちは。今日は夕焼けが綺麗ですね」 曲がり角から歩み出たわたしの姿を見て、男達が凍りつく。 04 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

「死ぬにはいい日だ。そうは思いませんか？」 先頭の一人、マッチ箱を握りしめた男の膝から下が切り離される。 「ぎっ、ぎゃあぁぁぁぁ！」 「逃げ」「逃げられる、と思いますか？」 逃げようとした男の手から、手首ごとポリタンクが落ちる。 05 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

「ひぃぃぃ、うで、うでが」 「殺しておいて、殺されたくないだなんて、まさか言いませんよねぇ？」 「殺しなんて俺はやってな」 見苦しい釈明が終わるより前に、尾が男の首をはねた。 「……食べるにも、値しない」 わたしは男の首を拾い上げ、残りの男達を睨みつけた。 06 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

──────── 07 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

「これで、全てです」 わたしは五つの生首を、焼け落ちた廃屋の瓦礫の中に置いた。真っ黒に焼け焦げまだ燻る焼け跡の中央には、判別のつかなくなった焼死体……太い腕と長い尾を持つ死体が転がっていた。 立ち上がったわたしは、死体に手を合わせ黙祷を捧げる。 08 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

09 #hollytk pic.twitter.com/xQX7dWSgZN

拡大

柊 @hiiragi_r_t_d

黙祷を終えたわたしは、死体の手の中に光るものを見つけた。 「あれ、なんでしょうか」 額の眼を凝らすと、僅かに魂の輝きを放っている。 わたしはそっと手を伸ばし、それを掴もうとして……そのあまりの熱さに、慌てて手を引っ込めた。 「あちちち……」 10 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

「気になりますけど、死体漁りも良くないですよね、うん」 わたしは火傷した人差し指を咥えながら、焼け跡を立ち去った。 11 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

──────── 【三十九日目】 【生存】 【魂±0】 【魂10/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) 12 #hollytk

柊 @hiiragi_r_t_d

[町]据えた臭いが立ち込める廃屋。怪物が燃やされた跡だ。その中に、君は光る何かを見つけた。《火耐性所持のとき【アイテム：不思議なビー玉(町診断時に魂+1回復/死亡時に消失)】を入手》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #hollytk