藤原肇というアイドル

初登場から[ロワイヤルスタイルNP]までの間に実は描かれていた、彼女の持つドラマ性について考察の形でまとめています。
11
ウルル @ururu0615

『藤原肇』というアイドルの成長についての考察を呟いていきます。 多少決めつけっぽく語っているところもありますので、参考程度に読んでいただけると幸いです。

2015-12-18 02:06:04
ウルル @ururu0615

肇は、初登場の時から変わらず「イメージ」という単語を頻繁に口にします。 彼女がずっと使い続けるこの言葉は、職人気質で芸術家肌な彼女らしさを象徴する、重要なキーワードです。

2015-12-18 02:06:11
ウルル @ururu0615

ところで…彼女を担当していないPにとっては意外かもしれませんが、実は肇はスカウト組ではありません。 幼い頃からの憧れを叶えるため自ら志望した、強い情熱を秘めたアイドルなのです。

2015-12-18 02:06:36
ウルル @ururu0615

そんな彼女の内には「理想のアイドル」についての確固たるイメージがあり、彼女の活動の方針は、その「理想のアイドル」へと進路を向けていくことになってゆきます。

2015-12-18 02:08:00
ウルル @ururu0615

今後しばらくこの方針が変わった様子がないことを見るに、それはどうやらPの首を縦に振らせる程には魅力的かつ具体的だったようです。

2015-12-18 02:08:29
ウルル @ururu0615

ちなみに、ここで言う「理想のアイドル」とは、肇の趣味嗜好に根差したものではなく、彼女がメディアなどで目にしたアイドルの姿をもとに彼女の創造性によって作り上げられた、文字通りの偶像です。

2015-12-18 02:09:22
ウルル @ururu0615

後になって考えてみれば、というところではありますが… Pには、彼女の抱くイメージが決して完璧ではないということを分かっていたのではないか、とも思える節があります。 (その上で、肇の頑固さに折れ了承したのでは…とも想像できます)

2015-12-18 02:10:13
ウルル @ururu0615

ともあれ、理想のアイドル像へと順調に近づいていく彼女に、ひとつの転機が訪れます。 [憧憬の絵姿]ではライブを成功させる彼女のステージ上の姿が描かれていますが、これはその冠が示唆するとおり「理想のアイドル」と「藤原肇」とが重なった姿でした。

2015-12-18 02:11:04
ウルル @ururu0615

肇はこの時点で、目標としていた「理想のアイドル」へと到達してしまいました。 つまり、彼女のイメージはここで、トップアイドルとは程遠い場所で、限界を迎えてしまったのです。

2015-12-18 02:12:24
ウルル @ururu0615

時は流れて。 [九天の玄女]では、とあるビルの上層を目指す場面が描かれています。 肇は、都会の街並みを見渡すこのエレベータの中で、あることに気が付きます。

2015-12-18 02:14:58
ウルル @ururu0615

現場に着き、ドレスを纏った肇は「流れで撮ってください」という言葉をPに投げかけますが、これこそが彼女の得た、次の段階へと進むための「気付き」でした。

2015-12-18 02:15:17
ウルル @ururu0615

この台詞は、イメージに基づく帰納法的な歩みを重ねてきた肇としては、極めて異質なものです。 今までの彼女なら、アイドルとしての自分の在りようや捉え方を他者に委ねてしまうことなど、絶対にありえないはずでした。

2015-12-18 02:15:57
ウルル @ururu0615

[九天の玄女]においては、ビルを昇る過程はアイドルとしての道程の、 エレベータ内の様子を切り取った絵は未だ道半ばであることの、 上階はトップアイドルとしての地位のメタファーとして扱われています。

2015-12-18 02:16:08
ウルル @ururu0615

「理想のアイドル」である自分を実現できたのに、未だトップアイドルには至らず… 自らのイメージが現実に届かなかったことは、彼女にとっての挫折に他なりませんでした。

2015-12-18 02:16:43
ウルル @ururu0615

挫折によりイメージから解放された肇は、ここでやっと自分の視野が狭くなっていた事に気付いたのです。 クリアな視点に立てたことで、周りに目を向けることができるようになったのです。

2015-12-18 02:17:01
ウルル @ururu0615

独りよがりに「理想のアイドル」であろうとしていただけの自分を応援してくれたファンがいたこと。 厳しく静かに、そして力強く故郷から見守ってくれる家族がいたこと。

2015-12-18 02:17:22
ウルル @ururu0615

そして、そんな自分を隣でずっと支え続けてくれた人がいたことを。 眼下に広がる景色が、空中を滑るエレベータが、ロマンに欠けた朴訥な男性が、彼女に教えてくれたのです。

2015-12-18 02:17:37
ウルル @ururu0615

テレビに映ったアイドルに憧れていた自分が作り出した「理想のアイドル」像が、それを目指し盲目的に邁進する自分自身が、知らず知らずのうちに周りの人を拒絶し遠ざけていたことに気付いた彼女は、アイドルとしての[新たな色]を求め、他人の言葉を受け入れることを意識しはじめます。

2015-12-18 02:19:11
ウルル @ururu0615

[新たな色]での「らしくない私も、いいかなって」「聞こえてきます、いろんな声」などの台詞からも、流れに任せて自らが変化していくその過程を、アイドルとして、一人の女の子として楽しんでいる様子が垣間見えます。

2015-12-18 02:19:43
ウルル @ururu0615

「思ったんです。藤原肇というアイドルは、Pさんが形作り、LIVEの情熱で焼かれた器なのかな、と。出来は、自信作です!」 [ロワイヤルスタイルNP]で再登場した彼女は、変わっていく事こそが「アイドル・藤原肇」の姿なのだと、その心の成長を語ってくれます。

2015-12-18 02:20:18
ウルル @ururu0615

今までの彼女は、自らのイメージしたアイドルの姿に導かれるように活動を続けてきました。 そうして成功を収めてきた彼女は、そのイメージを誇りこそすれ、自らを誇ることはなかったのです。

2015-12-18 02:20:32
ウルル @ururu0615

そんな彼女が「理想のアイドル」から解き放たれ、他の誰でもない「藤原肇」であることに強い自信を示してくれている。 担当Pとしては、感慨深く、目頭が熱くなる思いがします。

2015-12-18 02:20:55
ウルル @ururu0615

ドラマ性という観点で取り沙汰される機会はあまりない彼女ではありますが、憧れを超えた先の姿へと成長していく彼女の存在は、アイドル群雄割拠のアイマス世界において、静かではありますが、正道を往くアイドル像だと言えるでしょう。

2015-12-18 02:21:35
ウルル @ururu0615

頑固で一途な彼女が受け入れた変化は、非常に大きな、そして意味深い成長です。 今後も彼女の成長を見守ってあげたい… そう思わせるだけのドラマを持っているのが、藤原肇という16才のアイドルなのです。

2015-12-18 02:21:48
ウルル @ururu0615

彼女は、見た目や口調、趣味、経歴などといった部分に尖った特徴を持ったアイドルでは決してありません。 田舎で産まれ育った真面目な女の子が、テレビで見たアイドルに憧れを抱く…。 文字に起こしてしまえば、そんなどこにでもいる普通の女の子なんです。

2015-12-18 02:30:06