烏賀陽(うがや)弘道 @hirougaya 氏の「マスメディア分析論」

スターウォーズ公開へのインタビューから切れ込むマスメディア分析論。 新聞社によって決められる「論調」
30
烏賀陽 弘道 @hirougaya

たくさんインタビューして、番組や社の方針に合わないものは記者本人が自主ボツにしたり上がボツにしたりします。それを彼らは「論調」と呼びます。 @kaokou11

2015-12-18 15:37:59
烏賀陽 弘道 @hirougaya

共通一次試験なんぞで国立大学入ったボンクラが50代になって動かしてる国ですから劣化せん方がおかしい。ちなみに私もその一人(⌒▽⌒) @EYpyTbzZRvdx4t3

2015-12-18 18:17:35
烏賀陽 弘道 @hirougaya

先日銀座を歩いていたら、日本テレビのクルーが「スターウオーズ公開についてお話を」というので応じました。「高校時代から30年見てません」というと「新作は見ないのですか」というので「今度はハリソン・フォードのハン・ソロ出るから惹かれますね」と言った。@kaokou11

2015-12-18 18:31:20
烏賀陽 弘道 @hirougaya

おそらく彼らは私の話の前半をカットして後半のハンソロのところだけ使うでしょう。@kaokou11

2015-12-18 18:32:09
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「スターウォーズなんか全く興味ない」「絶対見ない」という人はそもそもオンエアに採用されないでしょう。「スターウォーズ公開で盛り上がる世間」という番組の「論調」を決めているのですから。

2015-12-18 18:36:23
烏賀陽 弘道 @hirougaya

で、私が本気でハン・ソロの 出ている新作スターウォーズの劇場公開を楽しみに盛り上がり、映画館に駆けつけるかというと、全然そんなつもりはありません。アップルテレビで見ればいい方でしょう。

2015-12-18 18:38:26
烏賀陽 弘道 @hirougaya

私がかねがね申しているとおり、新聞やテレビ、雑誌というマスメディアが運んでくる「事実」は「主観」によって「事実」を再構成した「テレビ的現実」「新聞的現実」でしかありません。もっとはっきりいえば、あれは「現実」ではなく「マスメディア・プロダクト」にすぎません。@kaokou11

2015-12-18 21:20:22
烏賀陽 弘道 @hirougaya

そうした「マスメディア・プロダクト」にすぎない「疑似現実」を見破るための心構えが「メディア・リテラシー」と呼ばれるものです。@kaokou11

2015-12-18 21:21:19
烏賀陽 弘道 @hirougaya

このマスメディア・プロダクトとしての「ニュース」が「現実からの逸脱がミニマムになるように」と心がける職業的倫理あるいは職業的熟練がかつては存在したのですが、今は少数の例外を除いてほぼ死滅しました。@kaokou11

2015-12-18 21:23:10
烏賀陽 弘道 @hirougaya

特に民放テレビ局や雑誌などは「年がら年中学園祭」みたいな軽躁状態にあります。何でも盛り上げれば社会にプラスになる、という幼稚な価値判断しかありません。これは簡単に商業や政治に利用されます。そして共犯になります。昨今の「日本すごいぞ」論調もその一環です。 @kaokou11

2015-12-18 21:25:00
烏賀陽 弘道 @hirougaya

高度経済成長時代やバブル経済時代などは、社会全体が軽躁状態にありましたので、こうした「何でも盛り上げる学園祭マインド」(お祭り屋よりまだ安っぽい)で社会の気分に合致できました。しかしもう「経済成長」という社会全体が共有していたファンタジーが終焉して25年近い。

2015-12-18 21:28:35
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「成長」という社会が軽躁状態に酔えたファンタジーはとっくに終わり、この25年間の「ジャパニーズ・ドリーム」が終焉した「苦い現実」しか知らない日本人が社会の主流になると、昔ながらの「盛り上げマインド」しかない民放テレビはまるで子供がはしゃいでいるような幼稚なテイストに見えます。

2015-12-18 21:30:26
烏賀陽 弘道 @hirougaya

民放テレビだけでなく、いつまでも経済成長時代の「過剰消費」が美徳であるという「論調」で作られているファッション雑誌などは、社会から見捨てられつつあり、見るも無惨な状態になっています。時代から乗り遅れたのでしょうがないのですが。

2015-12-18 21:31:57
烏賀陽 弘道 @hirougaya

では「主観」によって「事実」を再構成したマスメディア・プロダクト以外に、この社会に何か情報として信用に足るものがあるのかとえいえば、商業媒体にはもうほとんどありません。人間が介在すれば必ず「主観」が介在するからです。

2015-12-18 21:33:06
烏賀陽 弘道 @hirougaya

解決方法はありません。自分の目と耳で確かめるしかないのです。

2015-12-18 21:33:28
烏賀陽 弘道 @hirougaya

もし「マシな解決」があるとすれば、それは介在する主観の数を極限まで減らすことです。私が「投げ銭による読者・報告者直結の報道」を提唱するのは、そういう「現状よりはマシな解決」としてにすぎません。それでも読者・視聴者ではない「代理報告者」がいる限り、主観は介在します。

2015-12-18 21:35:04
烏賀陽 弘道 @hirougaya

銀座で私にスターウオーズがどうちゃらこうちゃらで街頭インタビューしたのはこの番組のクルーでした。ntv.co.jp/sukkiri/ まあ「ありゃ、こりゃマズいぞ。同業者じゃん」と私のインタビューはカットするかもね。苦笑

2015-12-18 21:39:09
烏賀陽 弘道 @hirougaya

現在のマスメディアの管理職はバブル時代に入社した50歳代が多いですから、ああいった「何でも盛り上げ」の軽躁状態しか知らないでしょうね。若い社員は気の毒なことです。 @SUNSON1

2015-12-18 21:40:47
烏賀陽 弘道 @hirougaya

経済成長というジャパニーズ・ドリームが終焉した1992年以後に大人になった世代は、こうしたいつまで経っても「何でも盛り上げ」「年中お祭り」みたいな軽躁の病理に染まった民放テレビやファッション雑誌などに何の共感もできないはずです。

2015-12-18 21:42:36
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「何でも盛り上げ」「年中お祭り」みたいな軽躁の病理に染まった民放テレビやファッション雑誌などから、92年以降世代が離れ、どうしていいのかわからないマスメディアはますます老人顧客に傾斜していきました。

2015-12-18 21:44:09
烏賀陽 弘道 @hirougaya

私、実は銀座が家からチャリで行ける距離なんで、よくウロウロしていますんで、よくテレビの街頭インタビューにつかまります。苦笑

2015-12-18 21:45:45
烏賀陽 弘道 @hirougaya

高度経済成長・バブル経済が終わった1992年に大学を出た人がもう45〜46歳、中学生や高校生の親ですから、いつまでもお祭り・盛り上げの軽躁論調のままの民放テレビや雑誌は、社会の大半から脱落しているのです。

2015-12-18 21:47:06
烏賀陽 弘道 @hirougaya

このへんの「新聞的現実」「テレビ的現実」についての分析は拙著「朝日ともあろうものが」(徳間書店、河出書房新社)「報道の脳死」(新潮新書)をご覧ください。

2015-12-18 21:48:09
烏賀陽 弘道 @hirougaya

はっきり言えば、いつまでも経済成長時代の「年がら年中学園祭」みたいな軽躁状態 を論調とするマスメディアは、もはや日本のマジョリティの気分を共有していません。あんなものに共感しているのは、高度経済成長時期をなつかしむ老人だけでしょう。実際、彼らの最大の顧客はいまや老人層です。

2015-12-18 21:50:26
烏賀陽 弘道 @hirougaya

いまファッションは、何が流行の先頭なのかわからない。消えたものが突然復活したり、流行ったものがすぐ消える。そして何の脈絡もなく突然流行る。私はこれをヘビがしっぽをかんだ「ウロボロス状態」と呼んでいます。

2015-12-18 21:54:12