色々(主にエンジンで)苦労した日本の魚雷開発四方山話
- fussoo_moe
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日本海軍が魚雷マニア化するのは1920年代後半て言うか30年ごろなわけで、それまでは実は魚雷の性能がかなりアレだったとかいうと起こるひとが多いので黙っていようなw
2015-12-20 23:22:36魚雷の性能は、射程、速度、炸薬量の3点が重要なわけだが、これらに共通するのはエンジンだ(結局そこに行き着く我が国の悲しさ
2015-12-20 23:23:41つまり魚雷は空気ボンベに詰めた空気を使ってエンジンを動かす。射程と速度は空気量が限られる以上相反する要素で、空気ボンベを大きくすると炸薬を入れる場所がなくなる。つまりエンジンの空気利用率(いうならば空気の燃費)が良くないと性能は稼げない
2015-12-20 23:25:07んで、日本は他国からの輸入品やそのコピー国産化をしてきたんだけど、53センチ魚雷は金剛ちゃんの搭載品として輸入したのが最初。それまでの45センチよりでかい分だけ全部強力なわけだが、こいつの国産化に散々苦労した。単にでかいだけじゃなくて色々進化してたからね
2015-12-20 23:26:36WW1前型の英53センチを国産模倣して、多少手直しした程度のスペックが、6年式魚雷で時期的にはまあ普通性能だけどWW2の53センチ魚雷として見ると寒い。でもこれをWW2でもたくさん使ってるとか言うと悲しくなるので忘れよう
2015-12-20 23:28:486年式魚雷のメカや技術をベースに「おっきくすればいいじゃない」で61センチ魚雷にしたのが8年式、射程も威力もあるけど、でかい割にはぱっとしない。理由はエンジンだ。何度も言うぞエンジンだ
2015-12-20 23:29:528年式魚雷とその眷属、更には同時期の各種試作品は多岐にわたるが、早い話エンジンをなんとかしたくて色々やって死屍累々だったわけで、結局また英国のをピーコすることになったのじゃ
2015-12-20 23:30:50魚雷のエンジンは細長い魚雷に入れるので色々と面倒くさいデザインなんである(一種の蒸気機関で蒸気レシプロである)この細長い魚雷の中に星形にシリンダを配置するのが20年台までには一般的だった。零戦とかの星形エンジンの戦闘機の逆だな(つまり震電だ
2015-12-20 23:32:46しかし直径の小さい魚雷に星形でレイアウトすると十分なストロークが稼げない。多列星形とかもやってみるけど、複雑な割にいまいちで、抜本的な性能向上をするにはレイアウトの飛躍が必要だった
2015-12-20 23:34:46そこで英国はこうした muzej-rijeka.hr/torpedo/slike/… 魚雷の前後方向に長くエンジンを寝かせて、ギアで向きを変えてスクリューを回すというやつ
2015-12-20 23:40:09この配置で色々と楽になったことで、魚雷のエンジンは効率も良くなり馬力も稼げるようになる。この機構の飛躍を遂げたのが61センチの90式魚雷だ(53だと89式)言い換えると、ここでやっと強い魚雷になるw
2015-12-20 23:43:02超絶高性能な93式酸素魚雷は、仕組み的には90式魚雷のハイパーなエンジンに酸素ボンベ繋げて長時間持たせるようにしただけなのじゃ
2015-12-20 23:44:12そして93式魚雷で空気量の制限を事実上無視できるようになると、もっと馬力あげたら高速出せるんじゃねと誰もが思うよな、それでやろうとして・・・失敗したw
2015-12-20 23:45:12馬力を上げても速度は頭打ちになってしまったのであるw つまりは魚雷の形状を改めないと速度は上がらないということに気がついて。そこで戦争で終了した。なお魚雷エンジンの出力向上で数年先行してた欧米ではとっくに気がついてたというのは悲しいので見てはいけない
2015-12-20 23:46:44なお魚雷のエンジンで変な構造のが色々と出てくるのは、この魚雷の中に上手く収めなくてはいけないって都合を理解するとわかりやすい i.imgur.com/jstAPmu.jpg
2015-12-20 23:49:27@sudo_simoigusa DUKE\(^o^)/ENGINE!! m.youtube.com/watch?v=c19kn3…
2015-12-20 23:51:43この妙なエンジンは戦後西側のベストセラーのmk46魚雷のだ。発生させた高圧ガスを斜盤に導き、それで推進軸を回転させるのだな。変換用のギアが要らないから場所も節約できるし、mk46は333mmと小さいから、こういう機構が向いてるということなんだろうね
2015-12-20 23:52:31