日本海軍の駆逐艦が夜戦に強かった理由の一つとしての高初速火砲
- fussoo_moe
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特型駆逐艦は50口径12.7センチ砲を装備した。これは同時期の駆逐艦主砲としては最強級の一つで、そこそこ重量の砲弾を凄い初速で発射する。これに近いスペックの火砲はというと米戦艦の副砲の51口径5インチ砲があるが、これは米軍が何度か駆逐艦搭載を試みて諦めてる
2015-12-15 16:56:41だいたい何処の国も海軍休日時代の駆逐艦は40~45口径の砲で、初速は700~800m/s級、日本の50口径900m/s超は破格である
2015-12-15 16:59:25さて日本駆逐艦のメインの砲弾は弾頭信管の通常弾、いわゆる榴弾である。つまり貫徹力なんか最初から期待してない。25mmぐらいの鉄板でだいたい止まる。貫徹力を期待しないのに高初速なのは何故かという
2015-12-15 17:01:59陸戦のカノン砲なら射程狙いで高初速だけど、駆逐艦だと長い射程なんか「使えない」のである。50口径12.7の射程は最大で18kmぐらいあるけど、そんな距離で敵艦を狙うことは無理なのは演習結果の講評でよく分かる。出来るだけの装備がないんだw
2015-12-15 17:04:46それまでの12センチ砲の演習に置ける命中判定が貰える範囲(有効帯)は8000mで、的手前5m~的の向こう40mだ。これが12.7だと10-60mだから、当たる範囲は45mと70mで相当な差があり、近距離4000m未満で15-120と30-200で135:230で2倍近い
2015-12-15 17:09:36まあ4000内のは恣意的な数値かというと、5000mで10-80と15-140でやっぱり2倍近いので、高初速の12.7は一桁キロなら距離判定が大体あってりゃ夾叉とか考えるまでもなく当たるのだ
2015-12-15 17:11:05ソロモンの夜戦でいきなり初弾からボコボコ当てる日本駆逐艦の射撃能力とは、夜戦で見える距離なら、だろかんで撃ったって当てられるという初速による弾道の伸びもあるんだね
2015-12-15 17:12:34対象にされてる12センチ砲は睦月型とかの45口径のだと思うけど、スペック的に海軍休日時代の普通の砲レベルだから、まあこいつらだと見えるかどうかの遠方だと測距して正確に狙わないと有効帯内に着弾しないわね
2015-12-15 17:14:55測距儀や電探、更には高機能な射撃装置といった狙うべき場所をかなり正確に割り出す装置がないと、有効な射撃戦が出来ないわけである
2015-12-15 17:15:55つまり乱戦になったとか咄嗟戦だとかで、彼我の運動を正確に把握できない状態で撃つ場合でも特型以降の日本駆逐艦は何とか当たらんこともないってことになる場合があるわけだ。恐ろしい
2015-12-15 17:17:30重巡とか軽巡が夜戦の射撃戦強いのは、射撃装置が良いのに加えて、口径分だけ弾道が有利なのよね、20センチは8000mで20-100だから、これは12センチの2倍だ。そりゃ見えてりゃ当ててくるよという
2015-12-15 17:19:51もちろんこれ4は演習の判定なんで実際通りじゃないし、そもそも夜戦の判定はまた別だったりするんだけど、意外なほど小口径砲はあたらないのじゃ
2015-12-15 17:20:46夜戦判定は2000とか3000mでやってるけど、20センチ~12.7が同じ判定であるあたりでお察し(12は違う)夜戦の近距離射撃戦なら、50口径12.7は重巡主砲と同レベルの判定で構わないぐらいに弾道が伸びるのだ。近距離射撃を当てるための高初速というスタンスなんだね
2015-12-15 17:23:14日本の駆逐艦は代を重ねるごとにシステムを進めてるけど、まともな高射装置級の高機能高性能射撃装置を積んだのは秋月だけ(そもそも睦月以前は方位盤すらない)野蛮極まりないダロ感射撃の駆逐艦で当てるには高初速が必要だったんだね
2015-12-15 17:25:28逆に言えば、仮に日本駆逐艦が40口径12.7センチ高角砲を積んだとしたら、それに見合った射撃装置や測距機能がないと一気に射撃能力が落ちるということになるのじゃ
2015-12-15 17:26:23松型駆逐艦なんか、あれで水上戦するのは結構大変て言うか、睦月型よりもやばいよねというのが、射撃指揮関連システムと砲の特性から想像できるわけで、ていうか、駆逐艦が50口径12.7だったのってそういう理由もあるよねという悲しい話、Mk37欲しいですw
2015-12-15 17:27:51