学習意欲のメカニズム再生・・・「小学校に入るまで」に立ち返る

人間は本来、学ぶのが大好き。小学校に入ってから学習メカニズムが壊れてしまう人が多い。就学前はどうだったかを思い出せば、主体的に課題に取り組む姿勢を取り戻すことができる。
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shinshinohara @ShinShinohara

指示されたことを実行しただけだと、自分の頭で考えてやったことではないから、達成感が薄い。しかし指示をほとんど受けずに自分で考えてうまくいったことは、達成感が強い。自分の能力を確認できたようでうれしい。うれしいから意欲が高まり、ますます自主的に動こうとする。

2015-12-24 19:31:03
shinshinohara @ShinShinohara

指示を与えるということは、相手から思考を奪うことにつながる。指示された側はロボットになった気分。自分の意思で動いていないから、自己評価も高まらない。指示通りに動いただけだから、自分でなくても構わない感が強い。いまいち面白みを感じられない。

2015-12-24 19:33:38
shinshinohara @ShinShinohara

人間は本来、試行錯誤を繰り返して自分で何かを発見することが大好きな生き物なのだろう。子どもは親に「ねえ、みてみて!」と声をかける。何ができるようになったか、親に確認してほしいのだ。何事かができるようになること、それを大好きな人に認めてもらうこと。子どもにとって学習の大きな動機だ。

2015-12-24 19:35:28
shinshinohara @ShinShinohara

それは大人になってもあまり変わりない。自分で試行錯誤を重ね、何事かができるようになり、それを周囲が「よくやったね」と認める。小さいころの喜びが復活し、自発的に動くエンジンがかかりだす。これはスタッフの意欲を引き出すのに、とても有効なように思う。

2015-12-24 19:37:00
shinshinohara @ShinShinohara

日本人はこの学習の好循環を小学校に入学した時以降、忘れてしまう。試行錯誤は許されなくなり、正解を暗記するというつまらない作業を強いられ、親からは「こんなこともまだできないのか」と言われるようになる。学習意欲をそぐ悪循環が始まる。

2015-12-24 19:39:52
shinshinohara @ShinShinohara

小学校就学前は、あれを学ばねば、これを学ばねば、というような義務はなかった。興味の赴くまま試行錯誤を重ね、発見をし、できるようになったことを親をはじめとする周囲が認めてくれる。学習意欲を損なうようなことはなく、子供は貪欲に学ぶ。

2015-12-24 19:41:30
shinshinohara @ShinShinohara

しかし小学校に入った途端、「この時期にはこのレベルに達しておくべき」と基準が設けられ、それに達しなかった場合、マイナス評価を受ける。減点式で評価されるようになる。百点なら褒められるが、できないことが少しでもあると「もっと頑張れ」と言われる形。面白くない、しんどい。

2015-12-24 19:42:43
shinshinohara @ShinShinohara

小学校に入るまでは加点式。「え、そんなこともできるようになったの?」「それもできるようになったか。昨日まではまだだったのに。すごいねえ」比較は昨日までの自分であり、今日の自分は確実に成長できる。加点式であり、褒め言葉が出やすい形。だから学習意欲がどんどん促される。

2015-12-24 19:44:05
shinshinohara @ShinShinohara

小学校に入るまでは加点式の評価で学習意欲がどんどん刺激され、小学校に入ってからは減点式の評価で学習意欲が失われるように失われるように指導される。大学に入学するまで高得点を取り続けるというまれなる幸運を獲得した子どもだけが、学習意欲を損なわずに大人になる。

2015-12-24 19:45:51
shinshinohara @ShinShinohara

しかし子供には好き嫌いがある。興味が持てないものもある。大人になって、理由が分かってから学ぶのが嫌ではなくなるという分野もあったりする。だからいつ学習し始めるかはこだわらなくてよいはずなのに、マス教育では一斉スタート。今は学びたくない単元も無理やり学習する羽目になる。

2015-12-24 19:47:05
shinshinohara @ShinShinohara

面白くないのにやらされる。興味がわかないから点数が低い。低いと評価が悪くなり、親も褒めてくれない。褒めてもらうことが減って子供は学習がますます嫌になる。小学校に入るまであんなに新しいことを学ぶ意欲の強かった子どもが、小学校に入ると学習が嫌いになる。

2015-12-24 19:48:16
shinshinohara @ShinShinohara

小学校に入学したての子どもがたいてい「勉強頑張る」と言うのは、偶然ではない。そのころまでは、勉強が苦だと思わないのだ。新しいことを学ぶのは楽しい。楽しいから学習意欲がどんどんわく。そうした好循環しか知らないから、勉強が嫌だとは思わない。

2015-12-24 19:49:35
shinshinohara @ShinShinohara

しかし小学校に入り、マス教育を受けるようになるとそうはいかなくなる。面白かろうが面白くなかろうが、容赦なく学習内容が進む。興味の持てない話にもテストがあり、点数の形で評価が下される。そして褒めてもらえない経験が増え、学習意欲が損なわれていく。

2015-12-24 19:50:50
shinshinohara @ShinShinohara

なぜ日本は指示待ち人間が多いのか。それは、自らの興味の赴くままに学習するという習慣を小学校で断ち切られてしまうことに大きな原因があるように思う。自分の頭で考え、自分で発見したものがあっても、テストはそれを評価してくれない。褒めてくれない。学びのメカニズムが壊れてしまうのだ。

2015-12-24 19:53:11
shinshinohara @ShinShinohara

しかし「こういうことができるかどうか、自分で工夫してやってみてください」と任せてみると、自分で試行錯誤し、どうにかできるようになったという経験ができ、上司もそれを認めてくれると、子供の頃の学習メカニズムが再び活性化する。学ぶことが楽しくなってくる。

2015-12-24 19:54:40
shinshinohara @ShinShinohara

人間は本来、学ぶのが大好き。新しいことを習得することが大好き。しかしそれには①試行錯誤を許容すること、②自分の力で新しい何かを発見すること、③その発見を周囲が評価すること、が揃う必要がある。これらが揃うと、学習意欲が自発的学習を促す好循環が生まれる。

2015-12-24 19:56:12
shinshinohara @ShinShinohara

いったんこのメカニズムが動き出すと、指示なんか待たなくなる。自主的に動くようになる。リーダーは「指示」ではなく「課題」を与えるだけでよくなる。「こんな問題があるんだけど、君、解けるかな?」難問を示されたクイズ好きのように、腕まくりして取り組むようになる。

2015-12-24 19:57:57
shinshinohara @ShinShinohara

部下が勝手なことをするようになるのでは、と心配する人がいるかもしれない。それは「指示」を与えることばかり考えて、「課題」を与えることを忘れているのではないか。指示を出さずとも課題を示せば、部下はやはり部下なのだから、課題解決のために動く。

2015-12-24 19:59:30
shinshinohara @ShinShinohara

「さあこの課題、君はどう解決する?」リーダーも一緒になって考えるようにする。しかしなるべく部下の意見を尊重する。部下の意見で不足する視点があれば、その視点を提供する。そして新たな視点に基づいた新たな意見を出すよう促す。部下自身の思考を刺激することに徹する。

2015-12-24 20:01:38
shinshinohara @ShinShinohara

大体の意見が出そろい、やってみれば何らかの結果が出そうだというところまで見え出したら、今度は部下がウズウズしだす。「自分で考えたこのアイディア、早く実行してうまくいくかどうか試したい。」鼻息荒くなった頃を見計らってゲートを開ければ、怒涛の如く走り出す。

2015-12-24 20:04:07
shinshinohara @ShinShinohara

人間は、自分で考えたアイディアは実行したくなる。試してみたくなる。その結果がどうなるのか見てみたくなる。リーダーは部下に課題を与え、それをどう解決するのかアイディアを出させ、足りない視点は提供しつつもアイディアはやはり部下に出させる。部下は自然と、自分で試したくなる。

2015-12-24 20:05:28
shinshinohara @ShinShinohara

もう一度まとめ直すとⒶ課題を与える。Ⓑ課題解決の方法について意見を促す。Ⓒ足りない視点は補い、新たな視点からの意見も促す。Ⓓおおよその道筋が見えるまで付き合う。Ⓔこれならいけそうだ、という道筋が見え、部下がウズウズし出したら、ゴーサインを出す。

2015-12-24 20:09:15
shinshinohara @ShinShinohara

リーダーが意識すべきは、部下のモチベーションはどうやって高まるのか、ということだ。モチベーションを上げる方法の一つが、人間本来がもつ学習意欲発生のメカニズムを利用することだ。小学校に入学するまでは誰もが持っていた、学習メカニズムを再生するとよい。

2015-12-24 20:11:33
shinshinohara @ShinShinohara

自分で考え試行錯誤し、自分で発見し、それを周囲が認める。そのスタイルが確立できれば、部下は主体的自主的に動くようになる。リーダーは課題設定に集中し、部下が取り組みやすそうな課題に多少料理し、それを渡せばよいだけになる。

2015-12-24 20:13:29
shinshinohara @ShinShinohara

小学校に入る前の学習メカニズムを、リーダーは思い出す必要がある。子どもの頃の学び方を思い出せば、部下は自ら学び、技術を高め、主体的に行動できるように変わる。人間は学習が大好き。単純極まりないそのことを思い出せれば、モチベーションの上げ方は比較的容易だということが分かるだろう。

2015-12-24 20:17:28