【忍殺二次創作】ザ・エクスプロージョン・オブ・トゥウェルヴ・ニンジャ・ヘッズ#2【本編のみ】

とんぼがえり @lilivid

【忍殺の二次創作に興味ない人向け】【注意事項】 これより本アカウントではニンジャスレイヤー二次創作小説の投稿を致します。TLに結構な数のツイートが流れるので、気になる方は #tmbnj のハッシュタグをミュートするようお願いします

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【蜻】【読む人向け注意事項】使用タグは、#tmbnj です。実況、感想を書くのにも使える便利なものです。今日の投稿は昨日の続きであり、昨日のはここから読めます。togetter.com/li/916171　 ただし、昨日のを読んでなくても実際問題ないです。【蛉】

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【ザ・エクスプロージョン・オフ・トゥエルヴ・ニンジャ・ヘッズ】 2:レイトカマー・ハヴ・ア・バッド・ラック　#tmbnj

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スターン！「グワーッ！」手入れの行き届いたフスマが勢い良く開かれ、顔に白いシートを貼り付けた男がまろびでる。そのまま前転、前転、側宙によってバランスを戻し、更に次のフスマを開く。スターン！「俺としたことが何たるウカツ！」男は叫びながら飛び込むようにリビングに到達。1 #tmbnj

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冷蔵庫を開け、瓶詰めのショーユを取り出し、冷蔵庫を閉める。「違う！」男は何を思ったか激高し、手に持つ瓶詰めショーユを流しへと叩き込む。パリン。再び冷蔵庫を開け、バリキドリンクを取り出し、冷蔵庫を閉める。「これだーッ！ははは！」笑いながらバリキドリンクを一気飲みだ。2 #tmbnj

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「んぐんぐ。はははーッ！良し！イヤーッ！」バリキを飲み干した男は景気付けとばかりにそれも流しへと叩きつける。ショーユと混ざり、うっとするような悪臭が台所に漂うが、男は気にも留めない。衣紋掛けのダッフルコートを着込み、神棚に置かれたスリケンを丁重に懐に入れる。3 #tmbnj

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スリケン？今、スリケンと？何故ニンジャの投擲武器たるスリケンが？読者諸氏には説明せねばなるまい。かつて古の日本をカラテによって支配した半身的存在、ニンジャ。彼らは歴史の闇に消えた存在……しかして今、時を越えネオサイタマの闇に邪悪なニンジャソウルが突如復活したのだ！4 #tmbnj

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男の名は、ミルクトースト。世界をシステムによって覆い尽くさんと画策する秘密結社アマクダリ・セクト、その衛星組織ニボシ・ホスピタルの恐るべきニンジャだ。そして彼は今、その卓越したニンジャ体内時計により、起床と同時に己が今日の宴会に遅刻したことに気付いたのだ！5 #tmbnj

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時刻は既に開始時刻を過ぎた。普段の彼からすれば有り得ぬ失態。「ウカツ！ウカツ！」ミルクトーストは歯を軋ませながら革靴を履きこみ、ダッフルコートのポケットに財布とフロシキの存在を確認すると、玄関から飛び出す。そして2歩進み、戻る。ドアを閉め、施錠。6 #tmbnj

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「イヤーッ！」カラテシャウトともにミルクトーストは色付きの風となり、あっという間に見えなくなる。そして2秒後、戻ってきた。カギを開け、玄関に入る。「これは！違う！バカ！」顔に貼られた保湿パックをベリベリと剥がし、床に叩きつける。黒鉄のメンポを取り、ポケットに。7 #tmbnj

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外に出て、勢い良くドアを閉める。バタン！勢い良くカギを掛ける。バキン。カギが折れた。「……ア？」たっぷり2秒。手の中のカギを見る。中程から、へし折れた。脳内で自宅セキュリティと更なる遅刻を天秤にかける。悟ったような表情。全てを諦め、男は駆けた。「イヤーッ！」8 #tmbnj

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空には分厚い雨雲。強さを徐々に増してきた重金属酸性雨が地面を叩き、路地裏に倒れる浮浪者の命を容赦なく奪う。ここはネオサイタマ、カモミ・ストリート。「いや、まだダイジョブダッテ……」ミルクトーストは焦りに奥歯を噛み締めながら足早にストリートを歩いて行く。10 #tmbnj

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ストリートを風めいて駆け抜ける事は最終手段だ。ここは彼の所属組織「ニボシ・ホスピタル」の領域外。同じアマクダリの衛星組織イモチ・ヤクザクランのシマだ。アマクダリのシステムは堅牢にして潔癖。事前連絡も無しに他組織の領域内を走り回ればあらぬ疑いを受けかねない。11 #tmbnj

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ミルクトーストは強大なニンジャであり、ヤクザクランなど恐れはしない。だが、アマクダリは恐ろしい。ニボシ・ホスピタルに火の粉を及ぼす訳にも行かぬ。「焦るな……！」コートに降り掛かる雨も意に介さず、敗残兵めいた様相で何事かを呟きながら駆け抜けようとし「イヤーッ！」12 #tmbnj

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ミルクトーストは曲がり角に差し掛かった瞬間、突如としてジャンプ！着地し、振り返る。するとそこには、口にトーストを咥える小柄な男が軒下に倒れているではないか。「グワーッ！私はぶつかって痛い！実際骨折の可能性！当たった人の懲役も長い！でも今なら治療費……アイエッ？」13 #tmbnj

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男は手慣れた様子で一連のシークエンスを終えかけた所で、ミルクトーストと衝突していない事に気付いた。バツの悪そうな表情をした小柄な男と、ニンジャの視線がかち合う。(((ブッダシット！こんな日にアタリヤだと！？)))ミルクトーストは男を見ながら、内心でそう叫んだ。14 #tmbnj

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アタリヤ。それは日本の伝統的なヤクザ・クエストを遂行する者の総称であり、概ねヤクザだ。彼らは口にトーストを咥えて走り回り、見通しの悪い交差点などで他人と衝突事故を起こした振りをする。そして、それによる重篤なダメージを受けたと主張し、金を得る事が生業だ。15 #tmbnj

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「えと、その……」熟練のアタックを回避されるとは思っておらず、アタリヤはしどろもどろに言い訳を探す。だが、金をせびろうとする姿勢に変わりはない。「あのさあ」ミルクトーストは近づき、こめかみを怒りにぴくつかせながら、努めて冷静に告げる。「見逃してやるから、消えろ」16 #tmbnj

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「……なっ！」アタリヤは一瞬理解が追いつかぬとばかりに目を見張ったものの、すぐにその目つきは鋭いものへ切り替わる。プランBへの移行を決断したのだ。「ソマシャッコラー！」ヤクザスラングを皮切りに路地の前方、そして後方の角からヤクザスーツ姿の男が二人ずつ。17 #tmbnj

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ミルクトーストはぞろぞろと現れたヤクザ達の顔を見て取る。一糸乱れぬ動き。彼らは背丈も振る舞いもまるで見分けがつかぬ。ヨロシサン製薬の冒涜的ヒット商品、クローンヤクザだ。(((やはり尾行ヤクザを伏せていたか。非ニンジャのクズヤクザめ)))ミルクトーストは毒づく。18 #tmbnj

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アタリヤは通常、事故の直後に巨額の賠償金を引き出す事はない。事故現場では因縁をつける事に終始する。彼らの請求が本格化するのは、別れた後だ。兵隊を使って尾行し、会社やハイスクールなど、対象の身元が割れた後で偶然を装って近づき、過去の事故に責任を取らせようとする。19 #tmbnj

とんぼがえり @lilivid

ミルクトーストは脳内シミュレーションを開始する。アタリヤとヤクザを撒くことは容易い。だが、一帯にヤクザ包囲網を敷かれると厄介だ。万に一つも、ニボシ・ホスピタルに辿り着かれてはならない。ポケットを探る。そこには黒鉄のメンポが有る。最速にして最短のルートを考える。20 #tmbnj

とんぼがえり @lilivid

「ヤクザなめんじゃねえぞ！こいつを事務所まで連れてけ！ジゴク見せてやる！」トーストを噛みちぎり、アタリヤは鬼めいた形相で指示を飛ばす。「ハイヨロコンデー」クローンヤクザ達は会釈し、標的を取り囲む。「よし、決めた」囲まれた男は独り、納得げに頷く。そして。21 #tmbnj

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「イヤーッ！」ミルクトーストは一瞬でメンポを装着し、身を翻すとチョップでクローンヤクザの首を折る！「アバーッ！」「イヤーッ！」背後に回ろうとするクローンヤクザをバックキックで内臓破裂殺！「アバーッ！」「イヤーッ！」チョップ突きで心臓刺殺！「アバーッ！」22 #tmbnj