お知らせ。まもなく発売される『現代思想』次号にて、「マンゴーと手榴弾──語りが生まれる瞬間の長さ」という短いエッセーを書きました。沖縄戦を体験された方から聞き取った語りを中心に、「語りが生まれる瞬間に何が起きているか」について考えました。(続く→)
2015-12-25 22:13:29語りを聞き取る前と後に、語り手とのあいだに具体的な「社会関係」が必然的に形成されます。私たちはその社会関係のなかに「巻き込まれて」いきます。こうした関係性のなかでは、テクストはテクストであり続けることはできません。(続く→)
2015-12-25 22:15:20もちろんこのことは、社会関係のなかで意見や態度や価値といったものが必ず一致するということを意味しているのではありません。ただ、語りを聞く、という作業は、共同で「鉤括弧を外す」行為なのではないか、と思います。(続く→)
2015-12-25 22:16:23語り手の語りを聞くとき、そこに不一致やトラブルさえも含みながらも、しかし語られたことは「だいたいにおいて真実である」、あるいは「実在する」という前提で、私たちは語りを聞きます。(続く→)
2015-12-25 22:18:48私たちは、語りを聞くとき、語りを「手渡される」──まるでマンゴーや手榴弾のように──のです。私たちは、語りを「語りとして」聞くことはできません。それは常に、必然的に、「何かについての」語りです。(続く→)
2015-12-25 22:20:01ところで、この聞き取りは、今年の9月におこなわれましたが、私にとって忘れられないものになりました。これまで、沖縄戦の語りを聞き取ることについて、ずっと躊躇していましたが、あるきっかけで、今回の語り手に出会いました。(続く→)
2015-12-25 22:22:31これから、個人的に、少しずつですが、沖縄の高齢者の方々の、沖縄戦の体験や、それだけでなく、戦後の復帰前の経験などを聞き取って、記録していきたいと思います。そういうわけで、自分にとってもひとつの転機となりました。書く機会を与えてくださった『現代思想』の方に感謝します。(続く→)
2015-12-25 22:23:47長くなってすみません(笑)もうすぐ発売の『現代思想』2016年1月号「ポスト現代思想特集」をよろしくおねがいします。機会があればぜひお読みください。seidosha.co.jp/index.php?9784…
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