バタフライ・エフェクト(草稿)

以前まとめた、「現代語訳『熱田の深秘』」の解説。 http://togetter.com/li/900336
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バタフライ・エフェクト

ほおづきン @kagachi_ecm

バタフライ効果(エフェクト)というのは、アゲハ蝶の羽からでる、わずかな風が、台風のような大きな現象の原因になっているのではないかという、いわゆるカオス理論でいわれる、たとえ話です。

2015-12-26 14:48:17
ほおづきン @kagachi_ecm

カオス理論というのは、その現象が簡単な数式であらわされるとしても、次の状態が予測できない−予測できないことから混沌(はっきりしない様)を意味するカオスというのです−ような状態を研究するためのくくりです。

2015-12-26 14:48:46
ほおづきン @kagachi_ecm

厳密にはカオス状態ではないのですが、かんたんな、たとえ話にすると、Bの廻りをまわるCをA地点から観測する時、Cは大きくなったり、小さくなったりしながら、左右を行き来しています。

2015-12-26 14:49:19
ほおづきン @kagachi_ecm

しかし、BがAの廻りをまわりだす(相対的には、AがBの廻りをまわっても同じことなのですが)と、Cの動きは複雑になります。

2015-12-26 14:49:47
ほおづきン @kagachi_ecm

BがAの廻りをまわっているので、CもAの廻りをまわって、大きくなったり小さくなったりするのは同じですが、Aの廻りをまわる速度は、速くなったり遅くなったりします。少しカオス(混沌)が、体感できるのではないでしょうか?

2015-12-26 14:50:23
ほおづきン @kagachi_ecm

夜の空の星座が、ボールを半分にわった半球を内側から見ているように、規則正しく動くのに、その中で、変わった軌跡をえがく星があります。まどわす(惑)星とかいて惑星(わくせい)とよびます。

2015-12-26 14:50:57
ほおづきン @kagachi_ecm

カオス理論やバタフライ効果も、おこる現象は、次の状態が予測できない複雑なことですが、実際は簡単な数式で表現できてしまったりするのです。

2015-12-26 14:51:32
ほおづきン @kagachi_ecm

日本の中世には、「日本紀に曰く」として、歴史書(『日本書紀』に代表される日本紀)に書かれいることとして、まさにカオスのようなさまざまな神話が語られます。そのように中世に書かれた歴史書に裏打ちされたとする神話を〈中世日本紀〉とよびます。

2015-12-26 14:52:26
ほおづきン @kagachi_ecm

『熱田の深秘』も代表的な〈中世日本紀〉と考えていいと思います。それは『熱田の深秘』が『平家物語』のネタ本として、引用されているという点1つとっても、『熱田の深秘』が、現代の感覚で、昔ばなしとしての神話の、おもしろい(特殊な)1類型というだけではなくて、

2015-12-26 14:53:00
ほおづきン @kagachi_ecm

中世の人にとっては、日本を揺り動かした源平の争乱の原因や結果としてのリアリティーのある解釈の1つと考えられていたのです。

2015-12-26 14:53:28
ほおづきン @kagachi_ecm

ちなみにカオスというのは、ギリシア神話に登場する、天地開闢(かいびゃく)の最初の神様の名前でもあります。『熱田の深秘』の解説を、カオスをみちびく、効果と名付けたのは、そういうことです。

2015-12-26 14:54:07

熱田神話研究所

ほおづきン @kagachi_ecm

平安時代に書かれた『古語拾遺(しゅうい)』の巻末に「遺(も)りたる」として、いくつかのことが書かれています。その第一は、このような内容です。

2015-12-27 15:48:48
ほおづきン @kagachi_ecm

「いはんやまた、草薙神剣は、本当に、これは天璽(あまつしるし)である。日本武尊が(東夷征伐を)終わらせて、お帰りになった年に、(草薙神剣は)留まって、尾張の熱田社にある」

2015-12-27 15:49:16
ほおづきン @kagachi_ecm

「外賊(ぬすびと)が、ぬすんで逃げたのだが、境を出ることができなかった。神物(かむだから)の霊験というのは、こういうこととして観るべきだ」

2015-12-27 15:49:43
ほおづきン @kagachi_ecm

「そうであるので、奉幣の日には、(宮中の内侍所の鏡と)同じように敬って、まつるべきだ。しかしながら、昔から(リストから)もらして、その祀(まつり)をおこなっていない。もれている第一です」『古語拾遺』岩波文庫46頁

2015-12-27 15:50:26
ほおづきン @kagachi_ecm

『熱田の深秘』でも、ヤマトタケ尊が、ムラクモ剣を尾張にもたらしたことは語られますし、外賊は道行法師だと、すぐに理解できます。このようなことが、はたして、尾張・熱田からの陳情なしに中央だけで発想できたのでしょうか?

2015-12-27 15:50:59
ほおづきン @kagachi_ecm

尾張に関する記述は『古語拾遺』だけにとどまりません。同じく現在では平安時代くらいに書かれたとされる『先代旧事本紀』では、

2015-12-27 15:51:22
ほおづきン @kagachi_ecm

「天孫本紀」の前半部分で、熱田神宮の神官をつとめる、尾張氏の系図を祖神とされる天火明命(あまのほあかりのみこと)から、天香語山命(あまのかごやまのみこと)を経由するカタチで語っています。

2015-12-27 15:51:51
ほおづきン @kagachi_ecm

平安時代になって、尾張氏や熱田神宮の力関係が変わって、そういう陳情がなされるようになったかというと、どうも、そうでなく、『古事記』の内容にも、倭建命(やまとたけのみこと)は登場します。

2015-12-27 15:52:23
ほおづきン @kagachi_ecm

それに『古事記』の選者とされる太安萬侶(おほのやすまろ)の、父とか伯父と目される、多品治(おほのほむじ)が、壬申の乱の時に美濃国にいたことは知られていることですし、愛知県・一宮市には於保という地名があり、

2015-12-27 15:52:58
ほおづきン @kagachi_ecm

ともすれば、上巻のアウトラインも、尾張に原型があったモノを安萬侶が援用したことも考えてもいいのかもしれません。

2015-12-27 15:53:25
ほおづきン @kagachi_ecm

そのことに関連するのか『上宮聖徳法王帝説(じょうぐうしょうとくほうおうていせつ)』のような、奈良県に古くから残っている文献には、『古事記』や『日本書紀』とは異なるというか、この2つの本を補助するような内容が書かれているといわれます。

2015-12-27 15:53:53
ほおづきン @kagachi_ecm

このことも、中央だけでなく、神話のセンター(中央)が、東国というか、熱田に存在していて、中央の豪族の神話とも、つりあうようにアウトラインを作りあげていたのではないでしょうか?

2015-12-27 15:54:56
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