判決三段論法
既に給付義務を負っている者の不履行であること」を理由として,債務者が「自己に帰責事由(過失)がないこと」を証明しなければならないが(判例 要件事実論によって修正された後の要件),これは,「要件事実論によって修正された後の要件」であるとともに,法律要件分類説の根本精神(立
2015-12-31 16:59:26責事由を明文で規定していないが,過失責任主義から債務不履行による損害賠償責任発生の要件として帰責事由(故意過失等)を必要とすると解釈しているが,ここまでは「実体法の解釈」であって「要件事実論」(立証責任の所在の問題)ではない),「
2015-12-31 16:59:12石田説が挙げていた「証拠との距離」「立証の難易」「事実の存否の蓋然性」を勘案して,修正する見解である。 Ⅷたとえば,損害賠償請求の実体法上の要件として,「過失」が必要となるところ(注:415条は,履行不能以外債務不履行は帰
2015-12-31 16:58:52法律要件分類説(通説)」と「利益衡量説(石田穣)」とが対立することになる。Ⅷ合格者の自説は,ⅰ法律要件分類説(通説)を基本的スタンスとした上で,ⅱ法律要件分類説の根本精神(立法者は,公平を考慮して,立法している)に立ち返り,公平を具体化したものとして,
2015-12-31 16:58:31Ⅵこのようにして,要件事実論(受け入れることに争いのない理論)は,民法裁判規範説及び法規不適用説を理論的前提とする。 Ⅶその上で,要件事実論における証明責任分配原則における立証責任(証明責任と同じ意味)の所在の判断枠組みとして,「
2015-12-31 16:58:11Ⅳつまり,民法裁判規範説からは,法規不適用説で差し支えないことになる。 Ⅴ加えて,民法裁判規範説からは,要件事実論(本来小前提である立証責任の問題(証明責任分配原則)を大前提に組み込む理論)が導かれる。
2015-12-31 16:57:39Ⅳ民法は,裁判規範なので,事実の存否につき真偽不明の場合,事実の存在を要件とする法律効果は発生しないから,証明責任規範を介することなく,裁判は可能である。
2015-12-31 16:57:17Ⅲしかし,事実の存否につき真偽不明の場合,証明責任規範を介することなく,単に,要件の充足がないので,当該法規が適用されないと説明することもできる(法規不適用説)。
2015-12-31 16:56:35裁判所は,裁判(規範に事実を当てはめて結論を導くこと)をしなければならない。 (民事訴訟の目的(必要性)⇒紛争解決)。 Ⅱこの場合,事実の存否を擬制する規範(証明責任規範)があれば,事実の存否を擬制できることになるので,裁判をすることが可能となる(証明責任規範説)。
2015-12-31 16:56:18【事実の存否につき真偽不明の場合の裁判所の対応】 Ⅰ裁判官は,神様ではないので,審議を尽くしても,事実の存否につき真偽不明の場合があるところ,この場合であっても,裁判拒否はできないので,
2015-12-31 16:56:00請求原因として,「加害者(債務者)に過失があること(規範的要件なので過失を基礎付ける具体的事実があること)」を主張立証することを要することになる。
2015-12-31 16:12:10有利な法律効果を主張する者に主張立証責任があるので,請求原因として,「債務者に過失があること(規範的要件なので過失を基礎付ける具体的事実があること)」を主張立証することを要することになる。
2015-12-31 16:11:36ⅴ逆に,不法行為における被害者が,債権者として,加害者である債務者に対して,不法行為に基づく損害賠償請求をする場合,「既に給付義務を負っている者の不履行であること」を理由とすることはできないので,原則とおり,
2015-12-31 16:11:23この結果,債権者は,債務不履行に基づく損害賠償請求の請求原因として,「債務者に過失があること(規範的要件なので過失を基礎付ける具体的事実があること)」を主張立証することを要しない。
2015-12-31 16:10:43),「既に給付義務を負っている者の不履行であること」を理由として,債務者が「自己に帰責事由(過失)がないこと」を証明しなければならず(判例 要件事実論によって修正された後の要件),
2015-12-31 16:10:09415条は,履行不能以外債務不履行は帰責事由を明文で規定していないが,過失責任主義から債務不履行による損害賠償責任発生の要件として帰責事由(故意過失等)を必要とすると解釈しているが,ここまでは「実体法の解釈」であって「要件事実論」(立証責任の所在の問題)ではない
2015-12-31 16:09:14ⅱ言い換えれば,民法上の要件(実体上の要件)と,訴訟における要件(要件事実)とは,食い違うことになる。 ⅲたとえば,民法学者の教科書には,「実体法上の要件は,~である」と記されているが,これは,「要件事実論によって修正される前の要件」を意味する。
2015-12-31 16:08:22Ⅱつまり,要件事実論を採用すると,ⅰ「大前提(規範)」が,「実体法の法律要件そのもの」ではなく,「要件事実(実体法の法律要件を,証明責任分配の原則(裁判の立証のルール)によって修正したもの)」となる。
2015-12-31 16:08:04ⅲ民法は,裁判をする際の立証のルールである裁判規範なので,主要事実の立証と結び付いた法律効果発生の法律要件として,要件事実を大前提(規範)に組み込むことが可能となる。
2015-12-31 16:07:34本来は小前提(当てはめ 事実認定をすることにより法律要件に当てはまるか否かを検討すること)の問題である立証責任が要件事実論として大前提(規範)に組み込まれる)。
2015-12-31 16:07:02【判決三段論法】 Ⅰ判決三段論法は,法的三段論法のことであるが,ⅰ要件事実論を採用すると,「大前提」である「法律要件」は「要件事実」にとって代わる(
2015-12-31 16:06:42