【ニンジャの二次創作】ダンス・イン・ザ・クレバス #1
- simanezumi88_n
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(おひさしぶりです。当アカウントはこれからニンジャの二次創作投下マシーンとなります。これはやさすい漬けのマグロが水槽の中で見た夢であり、本編・公式とは一切関係がございません)
2015-12-31 13:35:08(TLが私のツイートで埋まる可能性は実際高いです。煩わしく感じられたならリムーブ、ミュート等をお願いいたします)(専用の実況タグ #yasasui_nj が用意されております。生暖かい目で突っ込み感想何か実況用にどうぞお使い下さい)
2015-12-31 13:35:49(前回から日が空いてしまったため、加筆モードにてあらためて最初から流します。なお担当しゃは西へやさすいを取りに行かせました)
2015-12-31 13:37:31重金属酸性雨の降り注ぐ、およそ廃墟と変わらぬ外見の、手入れがなされぬ雑居ビルひしめくアシナガ・ストリート。『ジェントル・ウォーター』『とにかく強い』『前後左右』などの極彩色で彩られた猥雑なネオン看板がストリート上に乱立する。 1
2015-12-31 13:39:56とりわけ狭く汚く、吐瀉物が階段に撒かれたままの雑居ビルの地下。今にも通りへ崩れ落ちそうな退廃的ネオン看板が光る、クラブ『萬駄裸』は今宵もマケグミサラリマンからモヒカンヤクザまで雑多な人種で溢れかえっている。 2
2015-12-31 13:43:48閉塞感と焦燥感に煽られるかのように、ネオサイタマの方々ではこうした非合法カルチャーが盛り上がり、ZBRドリンクやアルコールの売上が急上昇している。何かから逃れるように。何かを求めるように。 3
2015-12-31 13:47:46ドンツクドンツクブブンブブーン。今宵の『萬駄裸』のメイン演目は、艶やかな衣装に身を包んだ女性ダンサーのショータイム。BGMにはBPM150近辺のサイバーなトランスミュージックが流れ、煌びやかなレーザーが忙しく走り回りクラブ中を幻想空間へ変貌させる。 4
2015-12-31 13:50:22メキシコ熱帯雨林のように息苦しく暑く揺れるメロディーに合わせ、見事なモクギョタップとモクギョスクラッチの奏でるリズムとサツバツに歪んだオコトベースが鳴り響く。集まったオーディエンスはただ本能に任せ、音に雰囲気に酔いしれる。 5
2015-12-31 13:53:40「アーッ…!アウーッ…!」雄叫びともなんとも言えぬ恍惚の声をあげながら演者が楽器を掻き鳴らし、BPMがどんどん上昇していく。とりわけキーボードへLAN直結したキーボーディストの恍惚は人一倍だ。更に音が熱を帯び、歪み、ステージの天井付近には演者の汗でうっすら雲が出ている。 6
2015-12-31 13:56:27演者だけではない。ステージを見守る観客もまた普段の鬱憤をここぞとばかりに発散するかのような狂熱を帯び、躍り狂い、失神失禁する者も出ている。最早クラブ内は、メキシコ熱帯雨林気候に包まれ、とどまることを知らぬ。 7
2015-12-31 13:59:47「「ワオオーッ!」」「アタシ、今体温何度あるのかなーッ?!」「アーッ!アーッ!」「ブッダ!カノン!ウオーッ!」「アーッ!」「「「アーッ!」」」「「「アーッ!」」」「「「アーッ!」」」「「「アーッ!」」」 「「「アーッ!」」」 「「「アーッ!」」」 「「「アーッ!」」」 8
2015-12-31 14:03:221つの獣の体内と成り果てた退廃クラブは絶頂の咆哮をあげる。最早止められる者は誰もおらず。絶叫と狂騒は朝まで続いた。「…アーイイ…」パンクスやサイバーゴス達が地下より吐き出されてくる。足取りは覚束ず、その場で倒れる者多数。 9
2015-12-31 14:05:27そのまま路上で寝る者やふらふらと出勤するサラリマンへ殴りかかりマッポに叩かれる者もいる。病院へ送り込まれる者も多数。騒ぎに怒った付近住民から植木鉢を頭へ落とされた者もいる。 10
2015-12-31 14:09:32この様子を忌々しげに、24時間365日間ひっそりと営業している向かいの居酒屋『シグレ』で見守っている男がいた。居酒屋の引き戸からタタミ四枚分の狭い内部には現在主人とこの男しかいない。「何が女性ダンサーだ…」そのスキンヘッド黒人男は次々とビールをあおる。 11
2015-12-31 14:13:06その筋肉質の両腕には、厳めしい極太ミンチョ体で「ヒビキ」「ビート」と彫られている。男の名前はウィル。職業は元ヤクザ、そしてとあるバンドのドラマー…だった。そのバンド『ヒビキ』は音楽性の違いから解散した。 12
2015-12-31 14:16:12クラブ『萬駄裸』における常連出演バンドであった『ヒビキ』は、突然現れた女性ダンサーにあっという間に出番と人気と収入を取られ、生活苦へ陥った。メンバー間で幾度となく打開策を考えようとするが、最終的にはいつも殴り合いとなり、結論は先送りへ。 13
2015-12-31 14:19:19そうこうしている内にバンドの対外調整役でもあったキーボーディスト・ラブジョニーが女性ダンサーへ熱を上げ、バンドから脱退。昨夜もだらしない顔をして演奏を行っている。 14
2015-12-31 14:22:43「…クソッタレめ…」ウィルはカウンターに突っ伏し、寝息を立て始める。『シグレ』の主人は肩をすくめながら彼を眺め、眉をしかめながら向かいのクラブの入り口を見やる。ガラガラピシャン!引き戸が乱暴に開け閉めされ、新手の客がエントリーしてきた。「なにシケてやがんだよ!」 15
2015-12-31 14:26:19戸口から姿を見せたのは皮のジャケットにジーパンを穿いた女性の姿。茨のタトゥーの眉と燃えるような赤い髪が印象的だ。「あンた、ウィル=サンだろ!こんな所で寝てて良いのかよ!…テキーラくれ!」 16
2015-12-31 14:29:59「エート、つまり、ブレイズ=サンがさ、そのバンドのファンでさ」蕀眉に黒髪の女性が複雑な表情を浮かべながらトレンチコートの男とコーカソイド美女に事の顛末を話し出す。美女の胸は豊満であった。 18
2015-12-31 14:34:20「それで、その女性ダンサーをどうにかしろ、と?」トレンチコートの男、フジキドが訝しげに眉をひそめる。「ワカってる!けど、その女性ダンサー、普通じゃないんだ。ニューロンを通してちらりと感じたンだけど、あれは多分ニンジャだ」 19
2015-12-31 14:38:18「そのビルには警備会社も入っているわね。…でも、毎晩の騒ぎには関与なし。そして」コーカソイド美女、ナンシーはマティーニを優雅に飲み干すと傍らの端末機を起動させる。 20
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