正月ログ

刀剣>本丸正月まとめ
1
晴間 @haluma_toolv

正月ですよ>「あー着付け終わんないんだけど!」清光が五虎退の袴を調整してやりながら、次は誰!?と声を荒くすると、秋田を着付けてやっていた安定が正月からやめなよと眉根を寄せた。まぁまぁと宥める堀川は、書き初めの準備のため先程から廊下を行ったり来たり。兼定は歌仙に捕まっているらしい。

2016-01-01 01:09:00
晴間 @haluma_toolv

厨房に向かう途中の廊下には、酒樽を担いだ次郎がいた。樽。樽とは。正真正銘の御神酒だよと満面の笑み。太郎太刀は、年の始めからと頭を抱えていた。対照的な兄弟刀である。日本号がいいつまみ、見つけておいたぜと部屋からひょっこり顔を出すと「動くな!」と長谷部が怒鳴った。博多の諭す声がする。

2016-01-01 01:14:48
晴間 @haluma_toolv

「……そこまでしなくてもいいのに」「小夜にできることは何でもしますよ」左文字は兄弟で着付けをしたらしい。今は江雪が宗三の髪を整えてやり、宗三は小夜の髪を整えてやっている。仲良きことは美しきかな。少し照れ臭そうな小夜に宗三は満足し、満足そうな宗三に江雪が微笑む。完全なる和睦である。

2016-01-01 01:23:43
晴間 @haluma_toolv

厨房は静かだった。「青江くん、味付けはこれでいいかな」「うん、これだよこれ」「僕には理解できないね」「恨みっこなしの主が選ぶアミダじゃないか。諦めなよ、歌仙」「毎年のことながら雑煮は揉めるね」燭台切は味見の小皿を青江に渡し、青江の隣で歌仙が文句をぽろり。今年は讃岐の雑煮らしい。

2016-01-01 01:29:59
晴間 @haluma_toolv

「和泉守兼定は歌仙に捕まっていると聞いたんだが」長曽祢が厨房を覗いても姿はない。「兼定くんなら大倶利伽羅と広間で準備をしてくれているよ。連れていっても大丈夫だから」燭台切の一言に助かると長曽祢は厨房を出た。「青江!長曽祢兄ちゃん来てない!?」次に厨房に飛び込んできたのは浦島。

2016-01-01 08:12:38
晴間 @haluma_toolv

浦島に先程の旨を燭台切が説明するとありがとうと飛び出していった。ここまで来ると次もお約束である。「浦島ここに来てないかな?」蜂須賀は櫛を片手に厨房にやってきた。どうやら髪を整えてやっている最中に姿を消したらしい。青江は笑いながら、浦島なら長曽祢のところだよと意地悪な言い方をした。

2016-01-01 08:13:26
晴間 @haluma_toolv

馬小屋には鯰尾と骨喰の姿がある。餌をやるついでに折角だからひとっ走り!と鯰尾は本丸内で馬を走らせていた。骨喰はというと、そんな兄弟を眺めながら、袴を乱せば長兄が怒るのだろうなとぼんやり思っていた。数分後にそれは起こるのだが、今はまだ平和なものである。

2016-01-01 12:57:18
晴間 @haluma_toolv

「鯰尾!お前は正月の手伝いもせずに…」案の定馬小屋から戻らないふたりを呼びに来た一期一振は馬に乗った鯰尾を見るなり叱ったのだが、鯰尾はごめんなさいと笑うばかりで反省の色は見えない。鳴狐が「お年玉なし?」と呟くと慌てて馬を降りて、鳴狐たちの所へと駆けてきた。文字通りゲンキンである。

2016-01-01 13:17:59
晴間 @haluma_toolv

そこへやって来たのは小狐丸と岩融、今剣である。「うまをかしてください」今剣は小狐丸とにらみ合い、背には矢筒を背負っていた。岩融は的のようなものを持っている。「今剣と小狐丸で流鏑馬勝負だそうだ。望月を貸してくれるか!」きょとんとした粟田口の面々は何事かと思いつつおずおずと頷いた。

2016-01-01 13:19:51
晴間 @haluma_toolv

着付けの終わったものから、鶴丸に呼び出され特性みくじを引かされる。「わ!?」と声を上げたのは平野で、みくじの内容は背後注意。ばあ!と後藤の背中を押したのは三日月だ。顔ひきつらせている平野に三日月はいやあすまんすまんとポチ袋を差し出した。「爺からの贈り物だ。今年もよろしく頼む」

2016-01-01 16:54:47
晴間 @haluma_toolv

「ソイヤッ」「サァ!」庭でうるさく餅つきをしているのは蜻蛉切と山伏である。年末にちゃんと餅はついたし鏡餅含め準備はしてある。充分に餅はあるのでは?餅を回す係を命じられた前田は思うのだが、山伏曰く「末についただけでは雑煮だけで終わろう。あべかわなるものを兄弟や皆と食したいのである」

2016-01-01 22:55:05
晴間 @haluma_toolv

同田貫と御手杵は慣れぬ袴に動きにくいと辟易していた。だが、今年は三が日中に道場で闘技大会や色々したいと審神者がぼやいていたと通りすがりの獅子王に聞くなり「今日は飲むか」と一転しどこか楽しげである。「闘技大会優勝候補で賭けをするなら賭け金は自己責任。給金の前倒しはなしだとよ」

2016-01-01 23:03:19
晴間 @haluma_toolv

「あかんて。自分まだ寝てたいんや…蛍丸と愛染で、正月、してきぃ」布団から出たがらない明石の枕元で蛍丸はにこりと笑った。「国行。俺さ、国行と国俊と一緒に過ごすお正月が一番のお年玉なんだよね」「(おいおいおい蛍)」「(国俊は黙ってて)」「…起きる。お年玉は用意したさかい受け取ってや」

2016-01-01 23:07:57
晴間 @haluma_toolv

「何で白なんだ?」厚の隣を歩いていた物吉は真っ白な羽織を纏っている。「鶴丸さんとお揃いなんです」「?」「皆さん兄弟で揃いの袴でしょう?袴をあつらえてない兄弟なしは僕だけなので気を回してくださったみたいで」「…書き初めの時声掛けてくれよ」「?」「汚したくないだろ」物吉は笑顔で頷く。

2016-01-01 23:28:06
晴間 @haluma_toolv

「乱」「あ、石切丸さん」祈祷場の壁にもたれ掛かって待っていた乱に、終わったよと石切丸が声を掛ける。「もうお着替えさせて大丈夫?」「構わない。…けど、その前に火鉢にあてた方が主のためかな」「火鉢に…えっ、もしかしめ主御祓で滝入ったの!?」苦笑して頷いた石切丸に乱は憤慨する。

2016-01-01 23:35:34
晴間 @haluma_toolv

「は、火鉢?」鶴丸みくじを引いた後、乱に急に呼び止められ、後藤は困惑する。「後藤とりあえず山姥切から布!あ、違う、バスタオルだ。タオル貰ってきて!」どうやら、通常形式だけでいいはずの御祓を主は通例通りやったらしい。曰く、「神様にご挨拶するんだからそのくらいはね」らしい。すると、

2016-01-01 23:43:56
晴間 @haluma_toolv

「そんなこったろうと思った」とタオルが乱のもとへと飛んで来る。投げたのは、薬研だった。「あれ。薬研準備の指揮は?山姥切とふたりでやってたよね?」「山姥切が残りは自分と各現場の監督で大丈夫だと」「俺呼ばれ損じゃん」「仕事はあるぜ。俺っちは清光呼んでくるんで、後藤は次郎を頼む」

2016-01-01 23:49:23
晴間 @haluma_toolv

「乱」「はいはい。可愛くしてそちらにお返ししまーす」「話が早くて助かる」祈祷場の開帳できないからさっさと行って!と兄弟を追い払い、乱は石切丸に一礼。「主をお預かりします」「元旦の近侍お疲れ様。朝から駆け回って疲れているだろう?」「…ボク、主の見えないナイトでいたいんだよね」

2016-01-01 23:57:03
晴間 @haluma_toolv

「だからね、よゆーだよ」そうと乱の頭を撫でて石切丸は母屋に戻っているよと手を振った。「…よし」手にはタオルとその他各種。祈祷場の扉を開けると、乱は羽織を靡かせ主に笑いかけた。「あーるじ!迎えに来たよ!」例年は振り袖だが、今年だけは特別。元旦の近侍だからと袴にした。「覚悟してよね」

2016-01-02 00:02:57
晴間 @haluma_toolv

広間には皆が整列して座し、最後に主が部屋に入ると姿勢を正した。「明けましておめでとうございます。…今日は飲めや歌えやお好きにどーぞ!」おいおいとつっこむ獅子王に主は堅苦しいの苦手なんだよねと笑ってとりあえず、と言葉と咳払い「今年もどうぞよろしくお願いします」深く、深く礼をした。完

2016-01-02 00:06:55
晴間 @haluma_toolv

(番外)「しかしのぉ鶯丸は何でこがいに酒を飲んどるがじゃ?」「陸奥ちょ、ばっ」「…陸奥守と主は大包平に会ったことがあるか?」「…ないけんど」「はいはいはいはい鶯丸の相手は僕がするから!陸奥守くんのこと、主お願い」「光忠の尊い犠牲の上に成り立つ正月まじ毎年ごめん」泣き上戸入りまーす

2016-01-02 00:56:20