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2016年1月5日

牧眞司の文学あれこれ その9(2016年)

牧眞司の文学あれこれ その8(2015年)の続きです。
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牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはグレッグ・イーガン『クロックワーク・ロケット』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-01-05 12:10:12
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

書評のさわり―― 「それほどハードな設定じゃ、自分にはとてもムリだ」と腰が引ける読者があるといけないので、ここに断言しておこう。「オレもわからないから心配するな!」 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-01-05 12:10:36
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

難解な箇所は「ここから難解だよ」とわかるようになっている――作中人物がやおら説明しはじめるのが合図――なので、そこだけナナメ読みすれば大丈夫です。 twitter.com/saakissp/statu…

2016-01-05 12:38:23
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

まさかと思うけど、〈ウィザード・ナイト〉の謎めいた物語って、『鏡の国のアリス』方式であっさり“解け”たりして。 「エイブル・オブ・ザ・ハイ・ハート」の High Heartって「ハートの高い札」なんじゃないかとちょっと思った。

2016-01-06 11:44:59
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ボフミル・フラバル『時の止まった小さな町』(松籟社)読了。ぼくの大好きな『剃髪式』の後日談! 前作ではバイタリティたっぷりの若い奥さんマリシュカが跳ねまわったが、本作は彼女の息子の視点で語られ、おもにその父(マリシュカの旦那さん)と伯父(父の兄)のおかしな言動が活写される。

2016-01-06 16:21:23
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

「時が止まった」というタイトルが示すように「いつもながらの日常」が生き生きと描かれているが、時代の流れはナチスが台頭して経済・産業・生活に大きな影響があった時期をまたいでいる。そのなかでも、この町のひとびとは逞しく、ときどきは他人に迷惑をかけたりかけられたりで生きている。

2016-01-06 16:21:39
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

大らかなユーモアと、日常のなかで起こるファンタスティックなできごとが、楽しいたのしい。そして、ちょっと哀しい。

2016-01-06 16:22:09
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ロード・ダンセイニ『ウィスキー&ジョーキンズ』(国書刊行会)読了。ロンドンの裏通りのクラブハウスで、ちょっと胡乱な中年紳士ジョーキンズが披露する不思議なエピソードの数々。彼はひとの会話の流れを巧みに(少々強引だが不自然ではないタイミングで)引きつけ、自分のネタを繰りだす。

2016-01-07 11:25:55
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ぼくは〈ウィザード・ナイト〉を根をつめて踏破するあいまの気分転換で、ジョーキンズの法螺話を一篇ずつ読んだ。奇想短篇のなかにはそのシリーズなり同じ作家の作品をまとめて読みたいものもあるが、こういうふうにポツポツ読むほうが面白いものもある。

2016-01-07 11:26:27
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ほんとうは雑誌掲載でたまに読み、「いつかまとめてジョーキンズもの読みたいなあ」とぼんやり思っているときがいちばん幸せだったりする。

2016-01-07 11:27:43
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

高槻真樹『映画探偵』(河出書房新社)読了。「戦前日本映画に対する情熱」と「研究者の冷静さ」と「ジャーナリストの視野」がバランスよく結実した好著。いろいろな意味で昂奮させられる。ほとんど一気に読んでしまいました。

2016-01-08 10:02:41
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

戦前日本映画の大半が失われている実状とその理由、貴重なフィルムが発見された具体的な経緯、フィルムを発掘しようとするひとびとの努力、保存するためにおこなわれているさまざまな試み、そして発見されたフィルムを通じて垣間見える往時の事情……。

2016-01-08 10:03:08
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

古書収集や書誌研究にも通じるところがあるが、フィルムならではの特殊な事情もあり、いっそうスリリング。

2016-01-08 10:03:20
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ぼくがとりわけ興味深く読んだのは、フィルムのアーカイヴ活動をおこなっている個性的な地域公共機関を紹介した章だ。

2016-01-08 10:03:48
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

具体例としてアーカイヴのなかでもひときわ古い歴史と存在感のある京都文化博物館がとりあげられている。高槻さんは「映画は京都にとって地場産業であった」「映画も、芸術であると同時に娯楽を満たす、実用品であった」と指摘する。

2016-01-08 10:04:23
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

そういう背景があって、京都文化博物館は「京都の映画文化を保存継承する、過去と未来の双方に開かれた拠点」たろうと(紆余曲折を経ながら)活動をつづけている。なんと、テレビアニメ『たまこまーけっと』『響け! ユーフォニアム』への製作協力もその一環だというのだ!

2016-01-08 10:05:12
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

サリー・ガードナー作/デイヴィッド・ロバーツ絵『火打箱』(東京創元社)読了。アンデルセン童話を下敷きにした人狼テーマのダークファンタジイ。二段構え三段構えのロマンスと怪奇。モノクロに鮮やかな赤だけを配したイラストが印象的。森々と更ける冬の宵にふさわしい一冊。

2016-01-09 17:15:13
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ハル・クレメント『一千億の針』(創元推理文庫)、再読。もう内容をすっかり忘れていたのでほどんど初読のようなものです。前篇『20億の針』につづいてミステリの趣向で、異星人&地球人のバディもの。前篇では少年だったロバートが青年になっている。

2016-01-12 10:54:08
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

ぼくはわりとハル・クレメントが好きなのだけど、それはエンタメが狙いがちな「濃い主人公」とか「恋愛要素的なくすぐり」を一顧だにせず、たんたんとアイデアとストーリーを繰りだしていく手つきゆえかもしれない。

2016-01-12 10:54:31
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

この作品でも、主人公のロバートは(勤勉で善良でありながら)とびきり聡明でもなくマッチョでもない。協力者となる娘メイタから「あなたに、あとから、希望的観測は女の特性だなんて、見くびったような口をきかれたくない」と皮肉を言われたりする。

2016-01-12 10:55:08
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

並の作家ならば、この芯が強く賢いメイタとロバートのあいだに少しはロマンチックな関わりを持たせようとするところだが、クレメントの場合はまったくそういう展開はない。そこがかえって新鮮。

2016-01-12 10:55:52
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

また、クレメントはロバートの相棒である異星人(たんに“捕り手”とだけ呼ばれている)にこんなことを言わせている。〔生物学的にみても、人間のふたつの性の心理学上の相違に、文化的環境による習慣づけ以上のものがあるなどということは、到底ありそうに思えない〕。

2016-01-12 10:56:28
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはジーン・ウルフ『ナイト』『ウィザード』(国書刊行会)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-01-12 13:37:15
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

書評のさわり―― 面白いのは、「『ミスガルスル』と『エルフリース』の往還」の構図だけが単独であらわれるのではなく、そこに「『元の現実』と『ファンタジイ空間』の対照」の輪郭がうっすらと重なってくることだ。 webdoku.jp/newshz/maki/20…

2016-01-12 13:37:43
牧眞司(shinji maki) @ShindyMonkey

シャーリイ・ジャクスン『日時計』(文遊社)読了。これはビックリ! こんな小説がありうるものなのか。本当の意味での「終末」が描かれている。この作品に比べれば、おおよその破滅SFが描く終末などは、たかだかパニックやサバイバルにすぎない。

2016-01-16 20:15:11
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