ジャック・ヴァンス『天界の眼 切れ者キューゲルの冒険』(国書刊行会《ジャック・ヴァンス・トレジャリー》)読了。《終末期の地球》シリーズの長篇。地球がすっかり剣呑な場所になっていてうかうか旅もできないのだが、主人公キューゲルは抜き差しならぬ事情で「天界の眼」なる宝を探す役を担う。
2016-12-20 19:11:44「切れ者」という二つ名だが、けっこうマヌケなところもあって可笑しい。この主人公の小悪党な感じと、つぎつぎにあらわれる奇怪な習俗や生物が見もの。
2016-12-20 19:11:54シュヴァンクマイエル、ムロージェク、レム……クリスマスそのものに興味がないひとでも、このエッセイは見逃せませんね。面白い! twitter.com/ayanos_pl/stat…
2016-12-20 23:01:20[ポーランドはおいしい] 第6回 ポーランドのクリスマス|note ポーランドではクリスマス・イヴに鯉を食べるんですよ。有料設定にしていますが無料で全文読めます。読んで気に入ってくれた方は、投げ銭していただけるとありがたいです。 note.mu/ayanos_pl/n/n1…
2016-12-12 20:34:48星は凶相、地は絶倫、狂乱の大旅行 shimirubon.jp/reviews/1676765 #シミルボン
2016-12-21 12:37:37【書評】ダイ・シージエ『孔子の空中曲芸』(新島進・山本武男訳/早川書房) shimirubon.jp/reviews/1676765
2016-12-21 12:40:00吉田エン『世界の終わりの壁際で』(ハヤカワ文庫JA)読了。環境変動をこうむった未来の東京に壁が建造され、安寧の内側と荒廃の外側とが隔てられる。物語は、サイバーな意匠を盛りこみつつ、少年が少女を助けるために活躍するSAO的なテイスト。また、大状況として全地球的な破滅が予感される。
2016-12-21 23:16:57アイデア、ヴィジョン、プロットにとりたてて新鮮味はないが、ガジェットやキャラクターがくっきりしていて、ストーリーもよく動き、先へ先へと読ませる。物語の前半は壁の外側が舞台で内側のことは推測するしかなく、後半になって主人公が内側へ入りこみ新しい光景が開けていく。この構成が効果的。
2016-12-21 23:21:06ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作。審査員のひとり東浩紀さんは〈シティ〉や〈壁〉というネーミングに工夫がないとコメントなさっていたが、ぼくはこの直截さが設定とマッチしていると思う。語り手にとって〈シティ〉は唯一のシティだし、〈壁〉は厳然とそびえる壁なのだ。
2016-12-21 23:21:55【書評】バリー・ユアグロー『真夜中のギャングたち』(柴田元幸訳/ヴィレッジブックス) shimirubon.jp/reviews/1676820
2016-12-22 22:47:10「レーモン・クノー好き好き! 大好き!!」 shimirubon.jp/series/28 こちらは、これから順次、書評を追加していきます。
2016-12-23 23:42:07【書評】マーガレット・アトウッド『オリクスとクレイク』(畔柳和代訳/早川書房) shimirubon.jp/reviews/1676936
2016-12-26 15:02:26グレッグ・イーガンは短篇のほうがだんぜん好きなのです。 長篇をぼくの好きな順に選ぶなら―― (1)『白熱光』 (2)『ディアスポラ』 (3)『クロックワーク・ロケット』 もしかすると読みかえせば変わるかもしれないけれど、たぶん『白熱光』の1位は不動。あくまで偏愛による順番ですけど。
2017-12-22 22:55:10ひとは内面性(心)のある相手に恋をするのではなく、恋をした相手に内面性を見出すのだ。ぼくはそれをレム『ソラリス』で知ったが、さらにラディカルに描きだしたのが長谷敏司『BEATLESS』。
2017-12-22 23:13:07『BEATLESS』が凄いのは、ヒロイン自身が内面性を備えていないと明言し、それが露わになる局面もあるにもかかわらず、主人公はなお(それをじゅうぶん承知したうえで)ヒロインの心(それは人間関係における「機能」として)を信じるのだ。
2017-12-22 23:16:05ひるがえって考えてみれば、私たちは原理的に他人の内面性を確認できない。「あたかも内面性がある」と感じるのみなのだ。となれば、相手は人間だろうとなかろうと等価ではないか。
2017-12-22 23:18:43長谷さんは『BEATLE4SS』のなかで、人間の脳に「相手にあたかも内面性があると感じてしまう」セキュリティホールがあり、そこに侵入することを「アナログハック」と呼ぶ。 私たちがフィクションの登場人物をリアルに感じてしまうのは、このアナログハックだろう。
2017-12-22 23:24:34とはいえ、人間の感覚(識別能力)は敏感で、容易なことではアナログハックされない。「型で押したようなキャラクター」では内面性など感じようもない。この水準はひとによってかなりの差があるだろう。それは消費的にキャラクターを愛玩するのとは、まったく別なレベルの問題である。
2017-12-22 23:30:50つながりはあるかもですが、そういう「一方的に共感する」能力(?)と、会話能力のある相手(それが自動応答であるかどうかはこの際別にして)に「内面性を見出す」のは、とりあえず別のこととして、いまは考えています。 twitter.com/ysdkz/status/9…
2017-12-22 23:52:32猫 に話しかけたり、お地蔵さんに挨拶したりしますしね。 水に綺麗な言葉や汚い言葉をかけたりして対話できる 人もいるようですし。 twitter.com/ShindyMonkey/s…
2017-12-22 23:45:19あ、ただし、猫は発話しないけれど反応はしますので、「猫に内面性を見出す」のはアナログハックといってよいかもしれません。
2017-12-22 23:54:33小説では「人形との恋」は古くから描かれ、認知科学の思考実験では「哲学的ゾンビ」なんてものを考えるわけですが、ひとが生きていくうえで、あたりまえのように突き当たるもんだいですよね。ただ、根本的に考えていくと、主観-客観をいかに止揚していくかということになってムズカシイです。 twitter.com/LEFSHV/status/…
2017-12-23 06:23:19ジュリアン・バーンズは小憎らしいほど、文学読みの急所をこころえている作家。そう簡単には感心しないぞと身構えて読んでも、いつの間にかコロリとやられて、大喜びで、読みきってしまう。本人が平然としたふうなのが、悔しい。でも、また読んじゃいますね。 twitter.com/allreviewsjp/s…
2017-12-23 22:56:18「鸚鵡はフロベールの遺作を隠していたりはしなかったけれど、真相の裏にあるアイロニーは、まさしくフロベールのものだ。それは読んでのお楽しみ。」 『フロベールの鸚鵡』(白水社) - 著者:ジュリアン バーンズ - 牧眞司@shindymonkeyによる書評 ALL REVIEWS #書評 allreviews.jp/review/1855
2017-12-23 18:05:06『ブヴァールとペキュシェ』面白いです! 趣味人を気取りたいのに、何をやっても半可通の二人組のトホホで情けないさまを延々綴っていくんですが、その「何をやっても」の網羅が凄まじくて、よくこんな小説書いたなあと呆れてしまう。 twitter.com/_kashimashiger…
2017-12-24 10:48:20私の修士論文はフロベールの遺作「ブヴァールとペキュシェ」と初期作品の関係を論じたものでした。主査はまだ30代の蓮實重彦先生。「パイデイア」の「ヌヴェル・クリティックの暗流」の特集で注目を集めたばかりの新進気鋭。今となっては懐かしい思い出です。 twitter.com/ShindyMonkey/s…
2017-12-24 10:21:38NEWS本の雑誌「今週はこれを読め! SF編」更新されました。こんかいはマイクル・ビショップ『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?』(国書刊行会)を取りあげています。 webdoku.jp/newshz/maki/20…
2017-12-26 11:45:15書評のさわり―― タイプライターは物語じみた文章を綴るだけではなく、やがてスティーヴィをめぐる出来事がタイプライターによって予言(もしくは創作)されたものへにすり替わっていく。 webdoku.jp/newshz/maki/20…
2017-12-26 11:45:34