不知火に落ち度はない2016 お正月SP その2『提督は合体したい』
はじめに
※ この話は艦これ二次創作的な何かのネタ帳じみたものです。
独自設定がちらほら混じってるので、適当にご笑覧ください。
今回はお正月SPのifシナリオ回です。
感想はハッシュタグ #落ちぬい か コメントまでいただけますと喜びます。
では、さくっとSP第二話はじめるよー。 ひどい話なので、昨日とのギャップに要注意なのだ。 今回はIF話でご登場です。わっほっほい。 #落ちぬい
2016-01-09 09:33:21本編
朝ってのはすがすがしいもんだ。 特に起きたら飯の匂いが漂ってるなんて朝は最高で、一日がんばろうって気になれる。 たとえ昨日夜中まで書類仕事に押しつぶされていたとしても、そんだけで報われた気になるだろう。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 09:39:20そんなことはない? これでもそう言えるかい? 「朝ご飯……できましたよ、提督?」 「おう。今起きる」 俺は自室のドアからひょっこり顔を出す秘書艦──割烹着姿の神通に手を降り、布団から出る。 朝の幸せタイムはここから始まるわけだが。どうよ? #不知火に落ち度はない
2016-01-09 09:45:07「毎日悪いな神通」 「いいえ。好きでしていることですから」 俺はテーブルに着き、向かい側に座る神通と飯を食う。 ほかほかご飯に、あじの開きの焼いたの、そして根菜たっぷりの具だくさん味噌汁。 朝から和の醍醐味をいただきながらに、幸せをかみしめる。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 09:51:00自家製の漬け物も、また良い味を出してくれている。 つぼ漬けっていうの? 九州ならではの甘めの味付けが飯に合うんだこれが。 「……おいしいですか?」 「おう。最高。ご飯がススム君です」 ぽりぽり、ぽりぽり。 はー。朝から幸せであるわ。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 09:54:18「そいやこの味噌、麦味噌だったりする?」 「はい。大豆は──あまり手に入らないものですから」 「だよなー」 食糧事情ってのは複雑なもんですはい。 ここの地域で手に入るもんっつったら、基本カラフルなフルーツだもんでさ。 日本人にゃ朝フルーツはきつい。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 09:58:08ごらんよ。朝6時つーのに、日光さんさんで毎日7時までは夜にならないこの土地の太陽。 ここ、南方のトラック諸島じゃ赤道が近いからこの有様なんですわ。 あ、申し遅れましたが俺は兵頭一也。 国内事情の安定に伴い、海外派遣でトバされた提督ってやつです。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:04:45そしてお向かいが俺の秘書艦こと神通。 俺が日本からトバされる時に、大本営が付けてくれたありがたーい『艦娘』って存在である。 どうみても女子高生か女子大生くらいにしか見えないんだけどね。 これが実戦じゃ超強い、頼れる存在になるわけです、はい。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:11:00さて、俺がトバされた理由ですがきわめて簡単。 大本営様がおっしゃるには『もうおめえの戦う場所ねーから』というあれです。 武器の近代化に伴い、現状日本でも艦船の規模は縮小し、艦娘が台頭してきてるわけだしな。 船乗りの時代はもう、終わっちまったわけ。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:14:07まあ、人間の艦船相手じゃなく、深海棲艦っていう特殊な相手じゃしかたねえ。 俺の船乗り時代のスコアは勝ちと負けが半々ぐらい。 その勝ちは、艦娘と協力して戦ったときばっかっつーんじゃ、日本も俺をボイコットするわけです。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:15:55もちろん、許されるなら船に乗って連中仕留めたいけどね。 流れてきてからこっちは、結構腐ったもんですがあきらめもつきました。 俺の取り返したかった海域である、竹島、硫黄島周辺は俺がもたついてる間に、さっさと解放してくれましたからね。 覚えてろよギンブチ。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:18:45「それと提督……。昨晩夜中にメールが届いてました」 「ん? 誰から?」 「天龍さんです」 「お。元気だって?」 「近々こちらに配属になるそうです」 え、マジで。 あいつこっちくんの? 「胃痛くなりそう」 「嬉しいのでは?」 うん。ほんとはそう。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:27:04天龍つーのは、俺の知り合いの威勢の良い元気っこ。 近場のよしみで、深海棲艦とやり合う際に何度も臨時チームを組んだ。 兵頭のおっさんよばわりしやがるが、中々の強者である。 ただ、あいつを手放すとは思えないんだがな、あの提督は。 なんかやったな、あいつ。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:29:54「顔、緩んでますよ提督」 「そっか? ま、後で電話してみる」 「長電話は、だめですから、ね」 「わあってます」 神通は言葉を出すとき考えながら言うせいか、少し言葉をためる傾向がある。 配属当初はそれで苛々もあったが、今じゃ双方だいぶ解決されてる。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:34:41なんせ日本から飛ばされてずいぶん年月が経ったしな。 最初、かなり揉めたけど。 俺も戦いたくてクルーザーで出たときなんかすごかった。 帰ってきたらクルーザーのエンジンが見事に神通にブッ壊されてんの。 おかげで数ヶ月、買い物はドラム缶引っ張る神通頼り。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:40:26あれはおそらく上下関係を決める話だったのかもしれない。 あんまり無茶苦茶すると、お前の飯明日からねーからなと。 俺はその後無茶はなるべく避けることにした。 その辺わりと、フルスイングなんだ、この大人しいアジアンビューティーさま。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:42:23「……何か?」 やべ、横顔見てたのばれた。 「ほっぺにご飯粒」 「えっ」 お、慌てた。どこかと探してる。 ないんだけど、だましたと言うのも忍びない。 手元の米粒を一つキャッチ、そのままほっぺたに手を伸ばして、取ったふりなどいたします。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:49:45「ん、とれましたぜ神通親分」 「あ──どうも……」 そのままひょいぱく。 「え、あ、あ……今」 「え。あ──そうな」 やべ。 空気が今超甘いんですけど。 あーもう、何この顔真っ赤神通。 もじもじもぞもぞして、大変かわいい生き物です。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:52:05このように大変純情と申しますか。 男と女が二人っきりの空間だと、ふとした拍子にこうなりますよね、といいますか。 実質秘書艦の関係ってわりかし高確率でいたしますよね、といいますか。 つまりこれはチャンスなのではないでしょうかと。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:54:35「なあ、神通──」 「は、はい」 「今朝はちょっと、駆逐艦連中起こすの遅くしねえかな」 「え……」 戸惑う神通教官。 しかし、お分かりではないでしょうか。 お子様ではないのでお分かりではないでしょうか。 「最近休みもなかったわけだし今日は──」 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:56:38「Wasshoi!!!!」 邪悪な叫びと共に、ばがーんとドアが吹っ飛んだ。 誰かわかるか。わかんねえだろ。 #不知火に落ち度はない
2016-01-09 10:58:22