えびす三郎どののお話

鞍馬の毘沙門どのからは「西宮のさぶ」と呼ばれておりまする、ゑびす三郎どの。さてどんなお方でござりましょうや、神道たん@Shinto_tan にお話いただきました一席。
3
狂言たん @kyougen_tan

【十日夷】正月九日は、夷大神のお祭り「十日夷」の宵宮。翌日の本宮(本夷)、翌々日の残り福まで三が日の間、あなたこなたのえびす神社の賑いはもっての外でござる。総本社たる摂津西宮と申さば「えびすびしゃもん」のえびす三郎殿、豊作大漁大商いと、まことに福の神でござりまする。

2016-01-07 20:01:46
狂言たん @kyougen_tan

【「ゑびすびしゃもん」】は、鞍馬の毘沙門天と西宮の戎大神が宇徳人の一人娘を巡ってさや当てをなさいまするが、太郎冠者と主やら女房と亭主のような上下の別ではない二人の科白というものは、おそらくはこの話ができた当時の雰囲気そのままなのでありましょう。

2016-01-07 21:01:54
神道たん @Shinto_tan

こんばんは。 すっかりヘトヘトですがこれだけはお話ししようかと思いまして。

2016-01-10 23:07:07
神道たん @Shinto_tan

実は昨年狂言たんがに頼まれていた恵比寿さんの話です。丁度今日が十日恵比寿のお祭りの日ですので。 twitter.com/kyougen_tan/st…

2016-01-10 23:08:36
狂言たん @kyougen_tan

.@Shinto_tan 神道たん殿、こんにった十日夷の宵宮なれば、なぜにえびすの大神が「西宮のさぶ」、「えびす三郎殿」と呼ばれるものでありましょうか、ご講釈を承りたく存ずる。

2015-01-09 15:53:41
神道たん @Shinto_tan

といいましても、本当に情けないことながら恵比寿さんについて自信の持てる話が余りできませんで……かなり限られた知ってる範囲でお話させていただく点をご留意ください……

2016-01-10 23:10:42
神道たん @Shinto_tan

まず恵比寿さんですが、これはかなり有名化と思います。七福神の一柱の神様で、七福神は中国やインドの神様もいますが恵比寿さんは日本の神様が由来です。

2016-01-10 23:13:51
神道たん @Shinto_tan

ではどの神様が恵比寿さんかという事なのですが、大きく二派ありまして、狂言たんが言っていた西宮神社さんは恵比寿さんを蛭子神とする恵比寿神社の総本社になります。

2016-01-10 23:28:19
神道たん @Shinto_tan

蛭子(ヒルコ)さんは古事記の神話でかなり最初の方に登場する神様で、イザナギとイザナミの国生みのはじめに生まれて、しかし不完全であったため海に流されてしまったと言われています。西宮神社ではこの蛭子さん漁師の方に見つかって後にお祀りされるようになったそうです。

2016-01-10 23:33:32
神道たん @Shinto_tan

したがって、狂言たんの仰る「えびす三郎殿」というのは西宮神社の恵比寿さん、蛭子さんを指すのではないかと思います。

2016-01-10 23:37:47
神道たん @Shinto_tan

もう一方の派というのが今宮戎神社を総本社とする事代主さんを恵比寿さんとする恵比寿神社でして、実は私の住んでいる福岡にある恵比寿神社はこちらだったので狂言たんのご質問にお答えするのが遅れたというのもあります……

2016-01-10 23:42:55
神道たん @Shinto_tan

事代主さんは大国主さんの子の一人で、カケミカヅチの国譲りの際大国主は事代主に聞くよう伝え、その時美保崎で釣りをしていたところ尋ねられて国譲りを承知したという伝承が神話に伝えられています。

2016-01-10 23:47:55
神道たん @Shinto_tan

ちなみに事代主さんがいた美保崎には現在美保神社という神社があり、ここも恵比寿さんと言っています。美保神社は事代主さんをお祀りする総本社ですが、事代主さん祀る恵比寿神社としては今宮戎神社が総本社となります。

2016-01-10 23:51:10
神道たん @Shinto_tan

恵比寿さんがどのようにして現在の信仰になったかは分かりませんでした。それぞれの神様もいわゆる七福神の恵比寿さんとの接点(釣りをする等)から比定されたとも考えられますし、どちらが先かもやはり良く分かりませんでした。ただ、感覚としてはどちらにしても西日本に多い気がします。

2016-01-10 23:55:01
神道たん @Shinto_tan

また、どちらの恵比寿神社も主には商売繁盛の神様として知られていて、今日1月10日に十日恵比寿大祭をしていることが多いようですね。神社としても特に商人の多く住んでいた所に多かったのではないかなぁと思います。

2016-01-10 23:57:45
神道たん @Shinto_tan

ここからは蛇足になりますが、福岡にはそのまま「十日恵比寿神社」という神社さんがありまして、今年の大祭期間中にお参りさせていただきましたが大変な賑わいでした。 pic.twitter.com/ntD9fZt1ua

2016-01-11 00:03:04
拡大
神道たん @Shinto_tan

福岡の十日恵比寿神社さんは先程言った事代主さんを恵比寿様としてお祭りする神社さんで、元は戦国時代の博多商人神谷五右衛門という人が浜で恵比寿様の尊像を拾ったのが始まりとされてます。

2016-01-11 00:06:46
神道たん @Shinto_tan

現在も福岡のかなりの事業所さんはお参りされているようで、福岡のお正月のイベントの一つですね。 今日は以上で終わります……。

2016-01-11 00:12:59
ナムル @muchimu_namuru

@Shinto_tan とても興味深いツィートでした(*´ω`*) 僕からも情報プレゼントです そもそも『エビス』とは外から来て福をもたらす存在・神様を表す言葉だって説があります これは海の向こうから流れてくるモノで、貝殻や石、異国の木の実なんかかな?あるいは水死体なんかもそう

2016-01-11 00:10:12
ナムル @muchimu_namuru

@Shinto_tan これらのエビス信仰は漁師の間で広まったのでしょうね だから釣竿持って鯛を抱えてるのかも で、海から流れくるモノとして、蛭子(ヒルコ)もまたエビスとして、恵比寿さんに習合されたのでは?という説もあります

2016-01-11 00:13:05
ナムル @muchimu_namuru

@Shinto_tan 事代主が恵比寿さんと習合したのは、やはり国譲りの際に魚釣りしてたからでしょうね この事代主が、実は三郎なんです たぶんだけどw 大国主命の長男が御井神 次男が味耜高彦根 長女が下照姫 で、三男が事代主なんです 大国主命の三男坊だから三郎 これも説ですけどね

2016-01-11 00:15:42
神道たん @Shinto_tan

貴重な情報ありがとうございました。 私も調べながら恐らくは「恵比寿さん」というイメージがマレビトの発想のなかでかたまり、それに近い神様がそこここで充てられるようになったのかなぁと思いました。@muchimu_namuru

2016-01-11 00:18:04
神道たん @Shinto_tan

そうすると恵比寿さんは神仏習合ではなく、神「神」習合なのかもしれませんね。@muchimu_namuru

2016-01-11 00:19:23
神道たん @Shinto_tan

@Shinto_tan すみません、カケミカズチではなく正しくは「タケミカヅチ」さんです……誤字失礼しました。

2016-01-11 00:21:55
狂言たん @kyougen_tan

.@Shinto_tan これは詳しいご解説、ありがとうございました。今宮と西宮で、えべっさんが違うとは存じませんでした。美保神社が総本社を名乗っておられることも今回wikiで初めて見たところです。民衆の信心を何れかの系統に組み入れようとするとこの様な事もあるのでしょうか。

2016-01-11 07:54:11