通塾経験のある教師が「塾依存の授業」をしてしまう

現在46歳以上の学年は塾に行かなくても学校の授業だけで進学できた。しかしゆとり教育になって学習内容が大幅に減った現在、塾に行かないと授業にさえついていけない。この皮肉な状況の原因は、教師の通塾経験にあるのではないか。それを考察してみた。
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shinshinohara @ShinShinohara
今年46歳になる学年より上は、進学のために通塾するという傾向があまり強くなかった(大阪)世代。塾に通うのは、東大京大を目指す超進学塾か、授業についていけない部分をフォローするための塾か、両極端に分かれていた。ほどほどに勉強できる中間層は塾に行かなかった。
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しかし私が高校生になったころから、テレビや週刊誌が特集を組むようになった。「ベビーブームのピークが来たら、人数が多すぎて大学に入りたくても入れない」という報道がなされるようになったのだ。「狭き門」という話がさかんに言われるようになった。
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時はバブル時代。私の学年より上は「家計が苦しいから高校を卒業したらすぐ働く」という事例は珍しくなかったが、私の世代あたりを境界線として、「お金はどうとでもなるからできたら大学に進みなさい」と空気が変わった。
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私より3つ学年が下の弟の時代には、「大学を持っている中学・高校に進めば、エスカレーターで大学に行ける」ということで人気が出た。その中学・高校に入るために塾に通うことが流行り始めた。
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つまり、私の学年までは「東大京大に受かるための塾」と「勉強についていけない人のための塾」の両極端だったが、その下の学年からは「四年制大学に進学するための塾」という中間層の塾が増えた。これにより、多くの子どもが通塾経験者となった。
shinshinohara @ShinShinohara
今年44歳以下くらいの学年は、まさにベビーブームのピーク。この学年は、「中間層狙いの塾」が林立しており、通塾率がかなり上がってきた。この年齢以下の教師は、塾経験者がかなり多い。
shinshinohara @ShinShinohara
大阪だと「関関同立」「産近甲龍」という言葉も生まれ、四年制大学を目指すという塾が増えた。それまでは少なかった中間層狙いの塾が生まれると、通塾率も増え、この学年より若い教師は塾経験者が多い、ということになってきた。
shinshinohara @ShinShinohara
中間層狙いの塾の出現は、公立の中学教育に少なからぬ影響を与えた。「学習は塾で済ませる」生徒が出現したのだ。これは、東大を目指すような超進学塾か、授業についていけない子供相手の塾の両極端しかなかった時代とは、異質な状況を生んだ。
shinshinohara @ShinShinohara
超進学塾は、東大生を多数輩出する灘などの超難関校を目指しており、そうした中学・高校に入学してしまえば、その学校の授業についていくので精一杯になるので塾に行かなくなる。公立中学とは、どちらかというと埒外の生徒たちを相手にしていたと言ってよい。
shinshinohara @ShinShinohara
授業についていけない子供を相手にしていた塾の場合は、学校の授業を補完する役割であるため、むしろ学校の授業を必要とした。だから学校の授業に変化を迫ることはなかった。
shinshinohara @ShinShinohara
しかし中間層狙いの塾の場合は違った。灘のような超進学校に進む気はない。しかし大学受験の際には、関関同立や産近甲龍といった4年制大学にぜひ合格したい。とびぬけた成績ではないが、それなりの好成績を収める必要がある。こうした生徒の場合、塾と公立中学の授業との関係が微妙になった。
shinshinohara @ShinShinohara
中間層狙いの塾は、学校の授業よりも早めにその内容を教えてしまうことにより、定期テストでの成績を押し上げようとした。すると、「先生、それもう塾で習ったからいい」と言い出す子どもや親が現れだした。学習の中心が塾に移り、学校の授業は塾の内容を補完する内容でよい、という要求に変わった。
shinshinohara @ShinShinohara
塾で先に習って、学校の授業で内職をし、十分応用問題も繰り返してから定期テストに臨み、高得点を取る。そういう戦略の塾が増えた。こうなると、公立中学の主流を占める中間層が、「学校の授業は塾と比べて遅い、簡単すぎる」と不満を持つようになった。
shinshinohara @ShinShinohara
今、42歳以下の教師は、この時代の通塾経験をもつ人が多い。そうした教師だと、「通塾している子供に都合のよい授業」をつい念頭に置いてしまうとしても不思議ではない。しかしそうなってしまうと、塾に通っていない子供は授業で「これは塾で習っただろうが」で済まされるとチンプンカンプン。
shinshinohara @ShinShinohara
通塾経験のある教師が、塾の力に頼らずに学校の授業だけで自力学習に十分な内容を伝える、ということがイメージできるだろうか。意識して改良に次ぐ改良をしなければ、難しいだろう。しかし、塾に通わなくても学べる授業に戻さなければ、経済的に苦しくなっている日本、将来が厳しくなる。
shinshinohara @ShinShinohara
現役教師の皆さん、どうか、塾に通わなくても学習を全うできる授業とは何か、ということを考えていただきたい。そうでないと、意欲も能力も十分あるのに家計が厳しいために塾に行けない子供は、学力を養うきっかけさえ失ってしまうことになる。経済格差が教育格差になってしまう。
shinshinohara @ShinShinohara
塾関係者も少々考えていただきたい。塾で早めに習っていることを前提とした学校の授業になると、塾に行かない子供が犠牲になってしまう。そんなことにならない塾の教授スタイルということを、ぜひ工夫していただきたい。
shinshinohara @ShinShinohara
私の世代以上は塾に行かなくても学校の授業だけで十分学力をつけられた。ゆとり教育以後は学習内容が減っているのだから、本当は学校だけで十分なはずなのに、塾に行かないと授業についていけないという皮肉なことになっていることはすでに述べた。togetter.com/li/922345
shinshinohara @ShinShinohara
学校の授業だけで事足りる。そんな教育改革を、ぜひ目指して頂きたい。そのためには、通塾経験のある現役教師の皆さんも、自分の経験にとらわれすぎずに、塾に依存しない授業とは何か、ということを真剣に考え、工夫を重ねていただきたい。経済的に苦しくてもチャンスのある社会にしてほしい。

コメント

うえぽん @kaorurmpom 2016年1月12日
68歳になる父(区立中→都立高→都内私大)も同い年の母も(区立小→私立中)も普通に塾通いだったのだけどなあ。
ウミドリくん @umidori_kun 2016年1月13日
「学校とは学問の準備の場である前に集団生活の場、道徳教育の場」というドグマのせいで、塾が学校に馴染めない子供たちを救ってあげなくてはいけない状況なのよ。多様な環境の子供たちを一様に育てるのが真の学校の役割だというなら、子供が塾に通っているかどうかだけで格差が生じるとか言わんでくれ。
shinshinohara @ShinShinohara 2016年1月14日
kaorurmpom みなさんの反応を聞いていると、首都圏って独特みたいですね。進学校も塾も他地域と比べ物にならないほどあるせいでしょうか。最近はどうか知りませんが、数年前に東京に住む人たちの話を聞いていると、他の地域と比較にならないほど公立小中学校への不信感が強かったですし。東京はちょっと不思議。
shinshinohara @ShinShinohara 2016年1月14日
[c2412893] だいたいこんなもんです(笑)。このまとめでは、教師自身の通塾経験がかなり影響しているのでは、という点を強調したかっただけです。
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