#1日1松小話

140字でお話
2
篤葉 @atsuha_

シス天(一十四) #1日1松小話 「なんでぼく羽触っちゃいけないの?」そよそよと靡く白く大きな翼に手を伸ばす。もちろん、届かない。「ダメだよ、だって溶けちゃうから」眉を下げて笑う表情に伸ばす手が止まった。「…羽がなくなったら困るもんね」「違うよ」「え、」「手がね、溶けちゃうんだ」

2016-05-21 23:51:17
篤葉 @atsuha_

シス天(一十四) #1日1松小話 ねぇ天使様。なぁに一松?どうしてあなたはぼくには見えるの?みんなには見えてないでしょ?そーだねぇ。天使様はふむ、と考える素振りを見せたがすぐににへら、と笑ってわからないや、と告げた。でも知ってるよ。お前のその笑顔は嘘をついている時なことくらいね。

2016-05-20 22:23:50
篤葉 @atsuha_

シス天(一十四) #1日1松小話 無邪気に教会の庭ではしゃぐ天使を頬杖をつきながら眺める。軽やかに羽ばたく白い羽は光を受けてキラキラと輝いている。その柔らかい輝きは神の愛を一心に受けていることを証明しているかのようだった。あぁ、嫉妬しちゃうよ。いっそその羽をもぎ取ってしまおうか。

2016-05-20 00:46:42
篤葉 @atsuha_

保バス #1日1松小話 「あ~あ、まったく、酷い擦り傷こさえてきて…」「ふっ…これくらいなんとでもないさ、むしろ男の勲章じゃ、いだだだだだ?!?!」「はいはい、全く、無理しないの」そう言って絆創膏の上から先生はチュッとキスを、「っ?!」「ふひっ、早く治るおまじない、なんてね」

2016-05-19 06:40:59
篤葉 @atsuha_

キン執(おそチョロ) #1日1松小話 「このチョロ松、一生をかけて貴方様にお仕え致します」跪いて頭を垂れる。「…あぁ、よろしく頼む」あぁ、遂に。この瞬間、今から僕たちは兄弟ではない。お前は主。僕は執事。だから震える手に気づかないで下さい。貴方の震える声に気づかないふりをするから。

2016-05-16 14:39:32
篤葉 @atsuha_

マフィ班 #1日1松小話 「…邪魔なんで帰ってくれます?」「ツンな班長さんも可愛いな」にこにことこちらを見るこの工場の持ち主は今日も今日とて仕事場に俺に会いにやってくる。「今日も俺のために頑張ってくれ」…おでこにチュっと落とされた口付けに心臓が跳ねたのはきっと気のせいに違いない。

2016-05-16 14:25:30
篤葉 @atsuha_

ドンヒラ #1日1松小話 見慣れた赤い赤い薔薇の花束。むわっと気高い香りが鼻について思わず顔を逸らす。「今日の夜は空いてるか?」「空いてませんので家に来ないで下さい」ニヤリ、と妖艶に笑うマフィアのドンにため息をつく。その顔を見る度に結局は拒否しきれない自分がいることを知っていた。

2016-05-16 14:14:38
篤葉 @atsuha_

一十四 #1日1松小話 目の前に散らばる黒髪を梳く。指通りの良いその髪はドブ川や紫外線からのダメージを知らないように艶やかだ。んぅ、と寝ている十四松が声をあげる。少し動いて寝心地の良い場所に収まるように腕の中に入り込むこの愛しい弟は、自分が髪にすら劣情を抱くことを知らないだろう。

2016-05-15 19:59:26
篤葉 @atsuha_

一カラ #1日1松小話 背中が熱い。つぅ、と背骨を下から首まで舐め上げられると、どうしようもなくゾクゾクして我慢ならずあられもない声が出る。無意識に逃げようと左手が空を掴もうとしたがそれを咎めるかのように手首を捕まれてベッドに押し付けられ、「…逃げないで」その声に拘束されるのだ。

2016-05-15 01:37:59
篤葉 @atsuha_

ジェイ鑑 #1日1松小話 月を見上げるジェイソンさんの後ろに静かに立つ。満月の光を受けてマスクはキラキラと反射していて、とても綺麗で僕はほぅ、とため息をついた。気がついた彼がこちらを振り向く。そして首を傾げたからなんだか可笑しくて笑ってしまった。「良い月夜ですね、ジェイソンさん」

2016-05-13 21:56:24
篤葉 @atsuha_

十四カラ #1日1松小話 「香水をつけてみたんだ!」どうだ?と聞いてくるカラ松兄さんの匂いを嗅ぐ。確かに爽やかでカラ松兄さんにぴったり。でも、「ひゃっ!じゅ、十四松?!」ぺろっと舐めた首筋の味は兄さんの味より人工物の味がして眉を顰めた。「僕は兄さん本来の味がいいからやめてね?」

2016-05-05 00:22:34
篤葉 @atsuha_

十四一 #1日1松小話 「行こう兄さん!!」そう言って渋る一松兄さんを外へ連れ出すのは僕の役目。昔は逆だったのになぁ、と昔を思い出してふふっと笑ったら一松兄さんがきょとん、とした顔でこちらを見てきた。なんでもないよ!と笑ってその手を引く。さ、僕と一緒にどこまでも行こう、ね、一松!

2016-05-04 23:55:02
篤葉 @atsuha_

カラおそ #1日1松小話 「からまつぅ、金貸してよ~」「は!?やだ!!」「いいじゃんちょっとくらい、この前パチ勝ってただろ!」「ぐ、でも駄目だからな!」「しょーがないな、じゃあ今度たっくさんご奉仕してあげるから」「たくさん…?」「そ、たっくさん」「…今回だけだからな」(チョロい)

2016-05-04 23:42:07
篤葉 @atsuha_

カラ一 #1日1松小話 ため息をぐっと我慢して、こっち来い、と居間まで引っ張った。うつむいたままの一松はずぶ濡れだった。タオルを持ってきて頭を拭いてやる。「また猫を庇ったんだろ」そう言うとばっと顔を上げた一松の顔は濡れていた。雨か涙かわからない、がその表情はとても愛おしかった。

2016-05-04 23:32:23
篤葉 @atsuha_

おそトド #1日1松小話 まったく、世話の焼ける末っ子だな。そう言って僕を後ろから抱きしめるその優しい温かさにまた涙が出た。ヒステリックを僕が起こして偶にするこの家出はいつもおそ松兄さんに捕まっちゃうんだ。それが悔しくて、でも嬉しくて、こうやって愛を確かめてるから僕はもう末期だ。

2016-05-04 23:24:55
篤葉 @atsuha_

一カラ #1日1松小話 こっち向いてよ、と呟いた言葉はあいつに届く前に目の前で落ちる、はずだった。なのに、「なんだ?一松」と振り向くから。あぁ、これだからクソ松は。震える手を、戦慄く心をぐっと抑えてこいつの前に立って顔を見つめた。一度しか言わないからよく聞け。「好きだよ、カラ松」

2016-05-04 23:16:34
篤葉 @atsuha_

おそカラ #1日1松小話 はーっとため息をつくといつものようにカラ松は慌てて俺のあばら骨の心配をしてきた。もうなんなの、俺を殺したいの?そんな潤んだ目で見つめられても逆効果だからね、もっと俺死にそうになるから、だからもう、「おそ松、生きてるか…?」上目使いでこっち見ないでーー!!

2016-05-04 23:06:42
篤葉 @atsuha_

カラトド #1日1松小話 「ねぇ、どっちがいいかな?」くるっとこちらを振り向いて見せてくるのは二着のトップス。甘めなのと少しかっちりとしたのと、そのどちらも来たトド松を思い浮かべるが似合う他なかったので「どっちでもいいと思うぞ!」と答えたが「真剣に考えてよ!」と怒られた、なぜだ。

2016-05-04 22:58:21
篤葉 @atsuha_

おそチョロ #1日1松小話 「チョロちゃんってばー」「なんだようっさいな?!」「えへへ、構って?」「死ね」「えーそれはひどくね?愛する兄ちゃんだよねぇねぇ?」「……わかった構えばいいんだな」「おっ!」「耳かせや」「なになに?」「…(すうっ)っあほんだら!!!」「ぎゃあぁぁあ!!」

2016-05-04 22:50:23
篤葉 @atsuha_

一十四 #1日1松小話 ぼろぼろのソレをなぞる。十四松が小さい頃から大切に使っている野球のバッドは今やボロボロだけど、あいつはこれを買い替えようとはせず大切に使っている。それがとてもあいつの性格を表しているようで、ふと笑みがこぼれた。さ、そろそろ縛って朝練にお付き合いしますかね。

2016-05-04 22:42:33
篤葉 @atsuha_

一十四 #1日1松小話 「手、しっかり握っててね一松!」そう言ってお前は前を向いて走り出した。置いていかないで。そう呟いた僕に差し出された手。足がもつれそうになりながらその手に引かれて走り出す。その手は温かくて、僕には勿体ないくらいで。それでもお前を独占したい僕を笑わないでくれ。

2016-05-03 23:16:25
篤葉 @atsuha_

数字松 #1日1松小話 「じゃんけん、ぽい!」「…あっち向いて、ほい、はいアウト」「もういっかい!もういっかい!」「はいはい」「じゃんけん、ぽい!」「…あっち向いて、ほい」「あ」「はい、十四松の負け」「あはは!にーさん強いっすなぁ~!」「……(と言うよりもお前が弱すぎるんだよ)」

2016-04-29 23:17:54
篤葉 @atsuha_

一→←十四 #1日1松小話 「なんで!?一松っ…!!」今にも泣きだしそうな眼で腕にすがりつく弟から顔を背ける。ダメだよ、俺たちは兄弟で、男同士で、それにお前はちゃんと女の子のことを好きになれるんだ。兄として、お前の幸せを考えたい。だから濁流のように溢れ出すこの気持ちは、いらない。

2016-04-27 23:04:02
篤葉 @atsuha_

一十四 #1日1松小話 「ねぇ兄さん、」「なに」ぐにぐにと手のひらを弄る僕に十四松は少し困惑ぎみなようだ。「それ楽しい?」「うん、すっごい楽しい」素振りをしているから少し硬くなった皮膚。それがどうしようもなく愛しくて、「そっか、ならいいんだ!」そう言って笑うお前が好きなんだよ。

2016-04-26 23:21:09
篤葉 @atsuha_

おそトド #1日1松小話 「兄ちゃんが甘やかしてあげるから腕の中に入ってきて~」「はぁ?!そ、そんなこと言うって事はなにか疚しいことがあるんでしょ!」「恋人を甘やかしたい事が疚しいって言うの?」「べ、別にそういう訳じゃないけど…」「じゃあ、ほら」「…ふんっ(ぽすん)」「よしよし」

2016-04-25 22:16:14
1 ・・ 6 次へ