「左派はなぜケルンの集団性的暴行について語らないのか」という記事についてのコメント（セルフまとめ）（追加更新）

21世紀の道徳 @RiceDavit

左派はなぜケルンの集団性的暴行について語らないのか(ブレイディみかこ) - Y!ニュース bylines.news.yahoo.co.jp/bradymikako/20…　大筋で紹介されている事実はともかく、論旨にいくつか微妙なところがあると思う

21世紀の道徳 @RiceDavit

文中で書かれていることや紹介されているリンクを見ても、イギリスで移民による児童に対する犯罪が続いたことについての責任は、失態を犯した地方自治体や警察、事件を見て見ぬ振りしたムスリム・コミュニティにはあるだろうけど、左派になにか責任があるようには思えないのだが。

21世紀の道徳 @RiceDavit

『「レイシストだと言われるのを恐れていた」ために犯罪を半ば容認していた地方自治体の失態』や『「レイシズムが絡んだ複雑な問題だから」と福祉当局や警察当局が事件解決に弱腰だった』とは書かれてるが、それが左派のせい、ということだろうか。イギリスでは左派の抗議ってそんなに影響力があるの？

21世紀の道徳 @RiceDavit

読む限り左派に責任があるとは思えないので、『もしかしたら、「下着同然の格好をして昼間っからストリートにたむろしている下層ティーンたち」にも「非がある」と思っているんじゃないかと訝りたくなるほどだ。』という文章にも同意できない。

21世紀の道徳 @RiceDavit

『一方では「女性がどんな格好をしてストリートを歩こうが非はない」という女性の権利を信じているくせに、パキスタン系ギャングに狙われたティーンたちには「非がある」と思っているのだとしたら、これは左派のジレンマというより、単なるダブルスタンダードだ。』

21世紀の道徳 @RiceDavit

左派が少女に対するレイプやその他の犯罪について批判しなかったのは、単にその犯罪の存在が明るみにでるまで知らなかったから、ということではなかろうか。

21世紀の道徳 @RiceDavit

そもそもこの記事での「左派」という言葉の使われ方も大雑把だと思う。大体の左派は、移民や文化的マイノリティの権利も、女性や児童の権利も両方重視しているでしょ。どちらに関心を抱いたり重みを持たせるかは、人によって違うと思うが。

21世紀の道徳 @RiceDavit

関連記事を読んでも、左派が『パキスタン系ギャングに狙われたティーンたちには「非がある」と思っている』ということを示唆する情報を読み取れないのだが。著者が思い込みで一方的に左派を叩いているだけのように思える。

21世紀の道徳 @RiceDavit

記事の後半で福祉や人口問題や経済の話に飛躍している理由もよくわからないな。

21世紀の道徳 @RiceDavit

『英国の例を見るだけでも、ケルンでの事件は何ら新しいことではないし、すでに多くの移民を受け入れている欧州の国々では、「レイシストと思われるから」大っぴらには語られなかったが、裏ではいろいろ起きているからだ。』これもかなり危うい文章だと思う。

21世紀の道徳 @RiceDavit

欧州のそれぞれの国々で移民による犯罪がどれくらいの頻度で起きているか、移民以外による犯罪と比較してどれ程のものか、実際的な危険はどれくらいか、などを明確に示さずに「裏ではいろいろ起きている」とだけ書くのは駄目だろう。

21世紀の道徳 @RiceDavit

（一部の）移民が犯罪を起こしているという事実は無視されるべきではなく公的に取り上げられるべきだし、警察などがその犯罪を抑制できないなら改善策とか対応策とかは必要だと思うし、そのような議論や改善策を移民差別だとする批判は退けられるべきだろう。しかし、この記事は移民差別的であると思う

21世紀の道徳 @RiceDavit

（Yahooニュースのコメント欄にはコメントしたくないので）こういうことをはてなブックマークのコメントに書きたいのだが、１００字じゃ足りない。

21世紀の道徳 @RiceDavit

（関連する河村賢の Tweetの方が有益なので、まとめに追加します）

21世紀の道徳 @RiceDavit

@RiceDavit 河村賢　→　河村賢さん

Ken Kawamura @ken_kawamura

重要な意見かと＞RT。ちなみに元記事で引用されているデボラ・オーアの論説にはこういうことも書いてある。「ステレオタイプ的な右派は左派に対して[ケルンの事件の]災厄の全てを負わせようとしがちである。ステレオタイプ的な左派はこれに対して同じくらい馬鹿げた一般化で応酬する」。

Ken Kawamura @ken_kawamura

これの真ん中らへん以降ですね。 theguardian.com/commentisfree/…

Ken Kawamura @ken_kawamura

そうした泥沼を避けるために書かれたはずの論説が、なぜまさに災厄の全てを左派に負わせようとしかねないようにも読めてしまう記事の中に埋め込まれているのかという点については、やはりかなり首をかしげる。

Ken Kawamura @ken_kawamura

ついでにオーアがある種のミドルグラウンドとして挙げている論点も確認しておく。まずなぜケルン事件の初動が遅れたのかという点については、一方では西欧にも未だ根強く残る——つまり左派が戦ってきたところの——女性の性犯罪の軽視（告発の無効化・犠牲者非難）の帰結でもあると彼女は言っている。

Ken Kawamura @ken_kawamura

もちろんそれだけでなく、事実を明らかにすることが移民への差別激化につながることを恐れたことの結果でもあると述べている。しかしそれは良くない手であったとも。

Ken Kawamura @ken_kawamura

また、そもそもそのような犯罪者が移民の中に存在したことについては、世界に普遍的にあるショーヴィニズムの存在を指摘するとともに、特に女性を抑圧するような文化で育った影響があったことも否定できないとする。

Ken Kawamura @ken_kawamura

こうした構図の中で確かに左派の責任を問える余地はいくらかあるかもしれないが——また全てを右派の陰謀論に帰することの愚かしさは言うまでもないが——かといって全ての災厄を左派の責任に帰すればオーケーってものではないのである。

Ken Kawamura @ken_kawamura

ここで言う「左派の責任を問える余地」について補足。同じくガーディアン紙にゲイビー・ヒンスリフが書いた、もう少しリベラルの責任にも踏み込んだ論説のほうも読んだ。 theguardian.com/commentisfree/…

Ken Kawamura @ken_kawamura

ヒンスリフは、Yahoo!ニュースの記事にも登場するロザーハムの集団的性犯罪事件について、「警察の怠慢や腐敗が果たした役割を考えればポリティカルコレクトネスだけに全てを負わせるのは単純すぎる」と留保する。

Ken Kawamura @ken_kawamura

しかしその上で「（政治家とジャーナリストを含めた）皆が（移民の犯罪についての）難しい問いを10年前に問うていれば被害者は少なかったかもしれない」と書いている。そしてロザーハムを最初に問題化しえたのはむしろ右派のBNPだったことも認めているのである。