「パディントン」喋るくまのパディントンがロンドンにやって来る。文化が違う身寄りのないくまが騒動を巻き起こすホームコメディ。70点満点のほのぼの作品かと思いきや、どうしてどうしてよく出来た作品で予想を裏切られた。
2016-01-26 17:09:08「パディントン」のよかったところは4つぐらいあります。 ・これでもかという伏線回収 ・統制された画面 ・現代的な問題設定 ・ドSのニコール・キッドマン
2016-01-26 17:13:07「パディントン」は三幕構成になっています。 1.暖かい故郷からロンドンに来たパディントン 2.慣れない現代社会に振り回されるパディントン 3.新しい家族の絆と伏線で戦うパディントン
2016-01-26 17:16:21パディントンのすごいのは、この2幕目の何気ない家族の日常が、最後にパディントンと家族が立ち向かう危機と非常に密接に(ご都合主義的に)結び付いていて、くまのぬいぐるみサイズの大冒険の合間に「うわ、これも回収した。あれも回収した!」という驚きを得られるところです。
2016-01-26 17:18:53このホームコメディ+スパイ大作戦的なクライマックスがあることで、結構見ごたえがある作品になってると思いました。とはいえ活劇的な部分だけじゃなくて、ふとしたシーンにも色々工夫が凝らされてる。一番顕著だったのは背景に写り込む文字です。
2016-01-26 17:22:43パディントンが駅で誰にも相手にしてもらえずしょんぼりしてると、後ろの接触が悪い看板が"LOST"とチカチカ光っている。それが彼を迎え入れる家族と出会った瞬間"FOUND"の文字がパッと光る。lost & foundで忘れ物預かりのことですね。
2016-01-26 17:27:57そんなわけで背景を追うのにも夢中になってしまいました。しかしそんなお茶目な部分だけではなく、本作はリアルな部分も持ってます。皆さんは劇画オバQという作品をご存じでしょうか。かわいいだけが取り柄の無駄飯食いは迷惑だと看破しちゃった作品です。「パディントン」のスタート地点はそこです。
2016-01-26 17:33:22このくまのパディントン、かわいい見かけですが割りと洒落にならないレベルで迷惑で、二度ほど保険適用出来そうな災害を引き起こしてます。違う国から来た人を受け入れるのって本当に大変なんですね。
2016-01-26 17:35:26つまりこのくまは移民のメタファーです。近所の偏屈じいさんに嫌み言われたり、パディントンの迷惑さのデティールが結構つらい。 しかし劇中に出てくる骨董品店の店主の言葉が本作のメッセージだと思います。過去にも移民を受け入れてきた歴史があり、時間と共に家族を作ることも出来ると。
2016-01-26 17:39:29最後にドM向けの大切な情報として、ニコール・キッドマンがいいです。部下と普通に会話してたらビンタ。タクシー運転手を縛り上げて鼻毛を抜く。趣味は剥製造りで胸は豊満でした。
2016-01-26 17:42:46