悪堕ちにおける白色

悪堕ちといえば黒くなるというイメージがありますが、もちろん白くなるという悪堕ちも存在します。白色が持つ役割を考えつつ、悪堕ちして白くなるとはどういうことか、考察しました。
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悪堕研究機構 @utakuochi

白は、純粋さの象徴であります。現実の色は混ざり合うとどんどんと暗い色になり、最終的に黒色にたどり着いてしまいますから、純粋な白は如何に価値が高いものであるかが伺い知れます。逆に言えば、汚される前提があるからこそ、いつだって白色は輝いているのです。

2015-09-14 00:19:45
悪堕研究機構 @utakuochi

この世の全てが真っ白だったら、白色の価値はなくなってしまいます。全て正しい世界というのは、正しさで満たされている故に、安全であれど退屈な世界というわけです。故に、正義があるからこそ悪に価値を見出し、悪があるからこそ正義の価値を再認識するのです。

2015-09-14 00:38:11
悪堕研究機構 @utakuochi

悪堕ちは、堕ちるべき悪が存在し、そこに堕ちる前の聖なる対象者が存在する。その両面が予め存在するから、堕ち前の姿は輝きますし、堕ちた後の汚れた姿のギャップがより一層興奮をもたらすのです。

2015-09-14 00:55:22
悪堕研究機構 @utakuochi

閑話休題。白色とは汚れ堕ちる未来が見えるから、いっそう純粋さの象徴となる旨、以前申し上げましたが、悪堕ちにおける白色の役割を考えていきましょう。

2015-09-17 02:31:14
悪堕研究機構 @utakuochi

悪堕ちを代表する色は「黒」です。これは白色が純粋さ、神聖さの象徴である一方で、黒色は闇や汚れの象徴であり、白色と対をなす黒色が、悪の象徴であるからです。ですので、基本的に白から黒への変化を表現するのが悪堕ちではストレートな手法となります。

2015-09-17 02:38:36
悪堕研究機構 @utakuochi

白色の反対は黒色です。故に、堕ちる前が白色だったら、黒色にするのがギャップ的には効果が大きい。では逆、堕ちる前が黒色だったら、白色にした方が効果が大きいことになります。手っ取り早い例は髪の色ですね、悪堕ちして髪の毛が真っ白になる人がいるのは大半がこういう理由ではないでしょうか。

2015-09-19 23:53:00
悪堕研究機構 @utakuochi

一方で、過度なストレスが掛かると毛髪は白化するとされています。絕望のほか、復讐劇「白髪鬼」における白髪化の理由は恐怖であったことから、白髪はこういった感情の表現でもあるのでしょう。色素が抜けてしまう(アルビノ)ことが異常事態であることから、悪堕ちとも関連付けやすい表現となります。

2015-09-20 00:49:10
悪堕研究機構 @utakuochi

悪と結び付く色は黒ですので、白から悪を連想させることは難しいですが、例えば「白紙」という表現は「何も書かれていない紙」という物理的な現象を通り越して「本来あるべきモノがない状態」といった、ある種「恐怖」を連想させます。

2015-09-20 17:49:36
悪堕研究機構 @utakuochi

「白い原稿」とは締め切り間際なのに原稿を提出できない状態、「白紙に戻す」とはこれまで掛けた時間と労力がなかったことにされること、そして「真っ白な心」とは何者にも汚されていない純粋な状態であるが故に、どんな酷い事でもできてしまう精神状態を指します。

2015-09-20 17:52:02
悪堕研究機構 @utakuochi

最近だとBLEACHや艦これは「白くなる悪堕ち」だったりします。BLEACHは主人公側が死神:黒色ですから、これとの対比で敵側は白色(ホロウなど)にした方が分かりやすいですし、艦これの深海棲艦が白いのは、生気がないことと、艦が人間と違う異質な存在感を表現していると思います。

2015-09-20 21:40:49
悪堕研究機構 @utakuochi

日本人にとって白は、死装束の色、骸骨の色、死を連想させる色でもあるわけです。ですので、死神の敵はやっぱり白ですし、一度沈んだ(※非公式)艦娘が死を連想させる白色に染まるのは、ある程度日本の文化に根付くものなのではないかと考えております。

2015-09-20 21:50:44
悪堕研究機構 @utakuochi

日本人は黄色人種ですから、死んで血の気が引いたときに(青)白くなることが印象に残りやすいです。ですので、深海棲艦の白色とは、血が通っていない、死人であることも連想させます。一方で、体表に映える赤色は、赤錆であり、艦艇のオイルであり、返り血であり、怒りの象徴であるわけです。

2015-09-21 01:41:16
悪堕研究機構 @utakuochi

白色は、純真無垢さを表現する一方で「無」を表し、雪山や病室の様に恐怖を突き付ける色でもあります。また、文脈によっては白は異質さを表し、また骸骨の色、幽霊の色、死装束と日本の文化においては「死」を連想させる色でもあります。悪堕ちの白とは、黒との対比と、恐怖や異質さを感じさせます。

2015-09-22 17:32:02
悪堕研究機構 @utakuochi

これまでは「白とはなんぞや?」的視点で悪堕ちとの絡みを考えましたが、何が悪であるかは視点によって変わるものです。例えばダークヒーローのお話。敵は警察であったり、ときに神や天使であるかも知れません。彼らのイメージカラーは白、つまり彼らに与することは白へ堕ちることにほかなりません。

2015-09-24 21:57:40
悪堕研究機構 @utakuochi

正義と悪を自由に定義できる悪堕ちだからこそ、一般的に正しいと考えられている「白色の勢力」を「悪」と定め、その勢力に屈することを悪堕ちと呼ぶことができるわけです。基本的に彼らは支配層であるからして、謂わば「権力に屈する」「長いものに巻かれる」ことが悪堕ちとなってしまうでしょう。

2015-09-25 00:29:53