【不死身書房】カルーネアデス戦記~変幻郷へ行ってきました~
- car_ne_hato
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キャラクター紹介
カルーネアデス・ドグサール
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『アンデッド』の流儀を持つ、死なない邪紋使い。真っ二つにしても死なない。しかも一発ネタのために自分の頭を投げたりする。
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真っ二つにしたり等、色々な手段で増やされた複製体が居た。これらを取り込む事で、結果的に異常なまでの再生能力を得たが、人間的には枯れている。
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死者であるという事に美学を持っており、ある種無気力かつ生死観がズレている。
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戦時のゴタゴタで、主君と友人のメイジ他多数の知人を失っている。今の主君は別の所から派遣されてきた君主。
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寝相は悪い。一応夜は寝ているらしい。夢も一応見るらしい。
@GCtg_TL 「今の君は本当の君?」 カルーネアデス「…『偽の部品が混ざっているか否か』なら、これはわたし以外の何者でもないです。 ただ『全ての部品が揃っているか』と問われれば、こんなものはただの剥製ですと答えざるを得ません」 shindanmaker.com/541854
2015-07-21 00:30:27プロローグ
4月5日
@GCtg_TL 壁が揺れる、戸がきしむ、そんな物騒な音に釣られて目を開けました。 ここはわたしの部屋。何も無い部屋。 簡素な寝床と、壁にかけた2つのカレンダー以外は何も無い部屋。 もう何年も…何も変わらない部屋。
2016-01-25 03:26:56@GCtg_TL 壁の日めくりカレンダーが、逆さまに視界に入りました。 今日は4月5日ですね。この日付だけが、部屋の中で唯一変わるものです。 隣にもう一つのカレンダー。こっちは3月8日。これはもう何年も…この部屋の全てと一緒に、時間が止まっています。
2016-01-25 03:27:35@GCtg_TL その日はわたしにとって、少し特別な日です。 その日――3月8日は、わたしの命日なんです。 わたしはその日に死んで…混沌を取り込み、邪紋を得て「それ以上死ななくなった」と言うのが適切でしょうか。 …解り難いですか? こればかりは、そういうものと思って頂くしか。
2016-01-25 03:31:13@GCtg_TL ドアが勢いよく開いたかと思うと、懐かしい声が聴こえました。 声の主は少女でした。 「起きたか。まったくお前はよく寝るな。私を見習え」 彼女はそう言いながら、慣れた手つきでカレンダーを1枚めくりました。 でも今日は4月5日。 彼女の誕生日の、4月5日なんです。
2016-01-25 03:33:18@GCtg_TL 彼女はコーシェ。 この城に住んでいるメイジ…魔法を使い、君主を手助けする使命を持った、官僚のようなものです。 そして、わたしともっとも付き合いの長い友人でした。 それはもう、わたしが生きていた頃からの。
2016-01-25 03:35:04@GCtg_TL 「わ。レディーの部屋に入るならノックぐらいしてくれません?」 わたしはふくれっ面を作って応じます。 「私もレディーだから問題ない。っていうかノックしたー。起きなかったー。だから入ったー」 懐かしいやり取りです。 「むむむ…」 何も言い返せません。
2016-01-25 03:35:35@GCtg_TL 「ノックという条件を付けた、それが貴様の不覚よ」 彼女はすぐこういう言い方をします。なんだか得意げです。 きっと負けず嫌いなんですね。 彼女の肩の動きにつられて、栗色の髪がふわりと揺れています。 何度も見た光景の一つです。
2016-01-25 03:43:54@GCtg_TL わたしはよく同じ夢を見ます。 死者が夢を見るなんておかしいと、あなたは思うでしょうか? ただ夢と言っても過去の記憶の繰り返しであって、新しい出来事は起こらないのですけどね。 死者が未来を夢見ることは、ありませんから。
2016-01-25 03:44:28@GCtg_TL これは夢です。コーシェはもう、何年も前に死んだのですから。 ただわたしのように中途半端な存在にはならず、違う世界に行ってしまったのです。 懐かしい夢。 「で。今日は何の日か覚えてる?」 コーシェはめくったばかりのカレンダー…4月6日を指してそう言いました。
2016-01-25 03:47:23@GCtg_TL 「…誕生日でしたね!」 わたしはその時ちょっとだけ考えました。 この日は4月5日です。大陸暦2015年の4月5日。 生前の彼女とそっくり同じ会話をした、『大陸暦2008年の4月5日』ではありません。
2016-01-25 03:48:08@GCtg_TL ふたりとも、嘘をついていました。 それでもわたし達は、夢の中の4月5日をよく演じていたと思います。 まるでお互い、夢から醒めるのが怖いみたいに。 「…プレゼントがあるんです。先月のお返し」 わたしはベッドから降りると、彼女の顔を覗き見ます。
2016-01-25 03:48:32@GCtg_TL 「でかした!くれ」 記憶と違わぬ会話。 「お城に隠しました。探しに行きましょう」 彼女の袖を引き促します。 「ええー…何でそういう事するかなぁ…お前すぐ物なくすのに…」 彼女はため息をつきます。 ごめんなさい。今年は―2015年のプレゼントは、無いんです。
2016-01-25 03:54:21@GCtg_TL わたしが扉に手をかけた時、袖を伝って、記憶とは違う動きを感じとりました。 彼女の拳がわたしの後頭部を打ち抜くと同時に、わたしの裏拳もまた、彼女…コーシェに化けた刺客の顔面を、砕いていました。 わたしの眼球が1個飛んでいき、ドアの向こうに転がっていきます。
2016-01-25 03:57:31@GCtg_TL 残った眼で見ると、割れた面が緩やかに、わたしと同じ貌へ再生するのが見えました。 「あははは!あはははハハ!!」 もう一人のわたしは、実に上機嫌そうでした。面の穴から、笑い声が噴き出ていました。 わたしの死体から造られた、同じ記憶を持つ複製。その一人でした。
2016-01-25 04:02:29@GCtg_TL 「なァんでだろうねえええ、何でかなァア、あはは!!ははははハは ハはは!!」 もう一人のわたしは、法衣から全身の骨を突き出させて襲いかかってきました。 「なぜでしょうね」 なぜ。わたしと同じ記憶を持った刺客がなぜ。
2016-01-25 04:03:11@GCtg_TL 「カレンダーをめくったのは…何故なんです?」 「ははははは!あはははは!!」 答えは出ませんでした。でもたぶん…わたしも知っている事なんでしょう。 骨の刃で全身を貫かれながら、そう思いました。
2016-01-25 04:04:16@GCtg_TL 刃ごと抱き寄せて、そっと頭を触って言いました。 「コーシェにまた会えて、良かったです」 わたしは腕に力を込めて、その頭を砕きました。 もう一人のわたしは最期まで笑っていましたが、泣いていたようにも見えました。
2016-01-25 04:08:39オープニング
@GCtg_TL わたしはよく夢を見ます。 死者がこんな事を言ったらおかしいと思われるでしょうけど…夢を見るのは好きなんです。 今日はとても懐かしい夢。でも、ちょっと新しい夢でもありました。 twitter.com/car_ne_hato/st…
2016-01-25 04:19:37【戦闘/戦功9】なんということだ、カルーネアデス@条約はかつて親しかった相手と敵同士として遭遇! これも戦場の宿命と割り切って討つならHP-10、SP+13。本気で戦えず撤退するならHP+6。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #グランクレスト大戦 (誰だろう!戦う)
2015-04-05 00:12:58@GCtg_TL ドアが勢いよく開いたかと思うと、聴きなれた声が響きました。 「ご無事ですか先生!?って何で逆さまに寝てるんですかー!!」 青年騎士です。彼とは先の大戦からの付き合いです。 「レディーの部屋に入るならノックぐらいしてくれません?」 わたしはふくれっ面で応じます。
2016-01-25 04:30:32