古田武彦の訃報に思ったこと

昨年10月に亡くなった古代史家、古田武彦氏には、個人的に(プラス、マイナスの両面で)思い入れがあり、きちんとした文章をブログに書きたいと考えているのですが、果たせないままなので、とりあえず当時の呟きをまとめました。
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朝日新聞(asahi shimbun) @asahi

古代史研究家の古田武彦さん死去 「邪馬壹国」と主張 t.asahi.com/ij9v

2015-10-16 00:58:05
ウディすすむ @woody_susumu

古代史研究家の古田武彦が亡くなった。 この人の仕事は、興味以上の関心(プラスの意味もマイナスの意味も含めて)を持って見ていた時期があるので、様々な思いが錯綜し、一言では語れない。

2015-10-17 06:55:36
ウディすすむ @woody_susumu

古田武彦の訃報に反応したtweetを見ると、「東日流外三郡誌」騒動に関する話題が多い。まぁ、当然そうなるだろう。私は、あの騒動には最初からついていけなくて、複雑な心境で眺めていた。この人は、こんな形で自らの業績(私は、それなりにあったと思っている)にピリオドを打ってしまうのかと。

2015-10-17 09:01:39
ウディすすむ @woody_susumu

古田武彦は学会に相手にされなかったと言われるけれど「少しずつでも受け入れようか?というムードが出ていた矢先に、東日流外三郡誌の問題に飛び込み、自らぶち壊した」という印象が、外部から眺めていた者にはある。批判者は、それを彼の本質から来る必然だったと斬り捨てるけれど、私には判らない。

2015-10-17 09:20:13
ウディすすむ @woody_susumu

古田武彦の仕事は、「信者」とも「批判者」とも異なる立場で、総括される意味があると思うのだけれど、多分それは難しいだろう。

2015-10-17 09:21:31
ウディすすむ @woody_susumu

古田武彦の九州王朝論は、全体としては成立しなくても、部分的には興味深い論考がちりばめられていたと思うが、古田説は、全体から一部の論考を抜き出して、独立的に検証するのが難しい構造を持っていた。「信者」はそれを古田説の強みだと主張していたが、それこそが古田説の問題点であったと思う。

2015-10-17 09:45:11
ウディすすむ @woody_susumu

@woody_susumu だから、古田武彦の説に関しては「ここはイイが、あそこはダメ」という評価の仕方ができず、全てを受け入れる一部の「信者」と全てを否定する「批判者」に分かれてしまう。そして、東日流外三郡誌に手を出した為に、皮肉なことに、彼のキャリア全体がそうなってしまった。

2015-10-17 10:13:44
ウディすすむ @woody_susumu

古田武彦には理系の支持者が多かった。古田説は「AだからBである。BだからCである。CだからXである。よってXである」という論証が演繹的で「全てが繋がっている」のが納得しやすい、というのだ。これは構造としてはキレイだけれど、仮にAが否定されると、その後の全てが否定されることになる。

2015-10-17 11:41:59
ウディすすむ @woody_susumu

@woody_susumu 歴史学における論証は数学の証明とは違うので、もっと帰納的に行われる。「AはXを示している。BはXを示している。CはXを示している。従ってXだ」というように。これなら仮にAが否定されても、必ずしも全体は崩壊しないし、BやCを独立的に評価することも出来る。

2015-10-17 11:44:32
ウディすすむ @woody_susumu

@woody_susumu 古田武彦の説はその演繹的な構造によって、熱狂的な信者を生む一方で、学問的には評価されなかった。オール・オア・ナッシングでは、他の学者は議論の土俵に乗れない。しかも、各パーツには無理な論も多かった。結果的に、評価すべき論考も、顧みられなくなってしまった。

2015-10-17 12:00:45
ウディすすむ @woody_susumu

@woody_susumu 古田武彦は、演繹的構造こそが自説の価値だと思っていた感もある。ある学者が「古田さんの説は『邪馬壹国』というのが無理なので、それを棄てればすぐにでも学会に受け入れられますよ」と言っていたのだけれど、それこそ、古田武彦には受け入れられないものだっただろう。

2015-10-17 12:10:10
ウディすすむ @woody_susumu

@woody_susumu 当初は古田武彦の方法論に好意的だったが、後に最も苛烈な批判者となった安本美典は、一見、論理的な古田説は細部にごまかしがあり「理系的」なのは外見だけにすぎず、その本質は詭弁的なものだと主張していた。二人の論争は、日本古代史学の歴史に残る激しいものだった。

2015-10-17 13:48:18
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『「邪馬台国」徹底論争 邪馬壹国問題を起点として(全3巻)』古田武彦 編著 異端の古代史家・古田武彦が、古代史学会の学者を初め、各分野の論客を招聘して繰り広げたシンポジウムの記録集。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/IZuskVyxUE

2015-11-03 20:24:02
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

「古代は輝いていた (全3巻)」古田武彦 九州王朝を始めとした多元的古代国家論を唱え、日本古代史に新たな視点を提示した、戦闘的史家・古田武彦が、満を持して放つ古代通史。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/pdotNWfTIa

2015-11-03 20:26:08
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『「邪馬壹国」はなかった 古田武彦説の崩壊』安本美典 三国志の古写本に基づき「邪馬壹国」説を主張し一大旋風を巻き起こした古田武彦の説への徹底批判の書。古田・安本論争の出発点となった。 store.south-sign.com/products/detai… pic.twitter.com/W0dVxxnknr

2015-11-03 20:35:07
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