- ElementaryGard
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英語の最上級用法は中二で習う。ところが最上級の最重要の用法が触れられない。「バス停はどこ?」は "Where is the closest bus stop?" と言う。"Where is the bus stop?" だと異星人が「ばす停ナルモノハドコデアルカ」と聞いている風。
2016-02-06 09:41:57宇宙人を出したのはさすがに大げさかな。それでも「例のバス停はどこ?」ぐらいにはアサッテに響く。
なぜこんなにニュアンスが変わるのかというと、定冠詞 the の解釈がかわるから。Wikipédiaでlionを検索すれば実物の画像が載っているしbus stopなら実物の画像が(たぶん)ある。そういう説明画像が the で表現される、とイメージすれば使い分けがのみこめるはず。
2016-02-06 09:44:47そこで where is the closest bus stop?(closeは「近い」。その最上級がclosest)に変えると、今度の the はWikipédiaの画像イメージのことではなく最上級の the と解釈されるため、「バス停はどこ?」と理解してもらえる。
2016-02-06 09:50:11文法書を読むと、よく「人間の発明品に the をつけると『~というもの』の意味になる」と書かれていますが、あれはうそです。dog でも lion でも cat でも the をつければ「犬という動物」「ライオンという動物」「猫という動物」の意味になる。
2016-02-06 09:52:28ところが the をつけても「~というもの」ニュアンスが出せない場合もたくさんあります。たとえば environmental problem(環境問題)はウィキを検索しても一目で「ああこれが環境問題さんかあ」とわかる象徴的画像は見つからない。一枚絵で説明できるものではないから。
2016-02-06 09:56:25en.wikipedia.org/wiki/Environme… 河川の汚染写真が載っていますが、これは environmental problem そのものとはいえない。「酸性雨問題は違うのかよ」とつっこまれる。
2016-02-06 09:58:12もし the environmental problem だと、私のウィキ画像理論でいけばその一枚画像が載ってるページが存在するわけです。実際にウィキにあるかどうかではなく、あってもおかしくないよねの the environmental problem です。具体的事件のこと。
2016-02-06 10:01:15先日中国のどこそこで工場が爆発して近くの河川に大量のダイオキシンが流れ込んでいるとか、そういう具体的事例があって、それを論じている文脈で the environmental problem というと「あああの事件ね」とイメージが共有される。ウィキ的共有感。
2016-02-06 10:03:40それでは「環境問題というものは」と述べたいときはどうするか?Problem(問題)を複数形にする。ちなみに issue にして複数形にしてもいい。事実ウィキでは environmental issues と切り出されている。en.wikipedia.org/wiki/Environme…
2016-02-06 10:06:18バス停の話に戻します。"Where is a bus stop?" ではどうなの?と思った方もおられるでしょう。これだといけない。バスに乗りたいから「バス停はどこ?」と聞く。どのバス停でもいいのなら a でいいけれど10キロ先のバス停でもいいなんてひとはまずいないでしょう。
2016-02-06 10:09:05「一番近くのバス停」を望んでいるはずです。だからこそ a ではなく the が好ましいし、the closest bus stop でないといけない。the に潜むウィキペディア的説明画像イメージを消すためにも最上級の文脈に the を置き換える必要があるのです。
2016-02-06 10:12:12こういう細やかなニュアンスというか計算を、せっかく中二で最上級を教えるのなら the の用法とからませてていねいに教えておくべきなのですが、教科書はそういう作りになっていないのが悲しい。 pic.twitter.com/jOjW9WKqRX
2016-02-06 10:15:41ちなみに三省堂の New Crown です。私の暮らしている市の中学校はどこもこれを採用しています。
2016-02-06 10:16:42頼むから中一から the と a のニュアンスの違いを、具体的な事例をあげてしっかり教えてあげてください。今のカリキュラムですと後でツケがまわって首が回らなくなるから。
2016-02-06 10:18:22ここからバック・トゥ・ザ・フューチャーの話になる
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、1955年に来てしまった主人公マーティが、街のカフェに入る。頼みの綱であるブラウン博士の居場所を電話帳で調べたくて "Where is the phone?" と聞く。これは「電話トイウモノガアルソウダガドコニアル?」にはならない。
2016-02-06 12:28:44なぜかというと、バス停と違って屋内に置かれるからです。マーティはすでに店内にいます。そこで where is the phone? と店長に聞けば「(この店の)公衆電話はどこ?」の意だと誰でもわかる。事実店長は It's in the back.(奥だよ)と答える。
2016-02-06 12:31:03Where is the bas stop? は違う。お店に設置されるものではないから。道つまり屋外に置かれるのがバス停ですので、もしマーティがこのカフェでこう質問したら店長は "Somewhere on the street, kid."(道路のどこかだろ)と返したでしょう。
2016-02-06 12:34:48