- tasobussharima1
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ノイラは、暗い谷底で得度兵器……ガンジー達が行動不能に追い込んだタイプ・ミロクMk-Ⅱの残骸を漁る。 「これも三一聯合公司、純正部品か。勿体無い」 タイプ・ブッダ級(クラス)得度兵器の解体となれば、重機が必要なところだ。しかし彼女の強化された肉体は、たった一人でそれを可能とする。
2016-02-06 21:04:08だからこそ誰にも断りを入れずに解体を行えるし、誰かに文句を言わせる気もない。尤も、この残骸を有効活用できる者など、この街には彼女を置いては存在しないだろう。 「通信システムの一部が死んで、スタンドアロンになったのか。しかし中枢電脳は死んでいない。うーん、面白い壊れ方をしている」
2016-02-06 21:08:04元は殆ど無傷だった様子だが、誰かの素人解体で中枢部分以外は使い物にならない。彼女自身のパーツとして使える部分は大して無さそうだ。 だが、中枢……つまりはメインコンピュータと徳ジェネレータが生きている。この得度兵器は何かを演算し続けているし、徳ジェネレータは動力を供給し続けている。
2016-02-06 21:12:07「何を考えているのやら」 今すぐ叩き壊してしまうのは容易い。だが、得度兵器のボディと通信システムから切り離してさえしまえば、害は無いのも事実である。ノイラはちょっとした興味から、この電脳を放置することにした。それは、大罪人が蜘蛛を助けるのにも似た、さして理由もない行為であった。
2016-02-06 21:16:03……強いて言うなら。得度兵器の電脳から、徳ジェネレータの制御を司るモジュールを切り分けるのが面倒だったという理由も無いではないのだが。それは一先ず置くとしよう。 ほんの些細な気紛れによって、タイプ・ミロクの電脳は何時果てるとも知れない演算を続ける。解脱に代わる人類の救済を求めて。
2016-02-06 21:20:02局所解にたどり着いたジェネレータを機械に組み込んだら人類のために戦い始めたりしねえかなぁ…ミロちゃんって読んでね とか言い出して #徳パンク
2016-02-06 21:23:06------ 「やぁ今晩……お邪魔だったようだね」 ガンジーの膝で、静かに寝息を立てるガラシャを見たノイラの第一声がそれだった。 「……別に何も無ぇけどよ。何の用だ」 ガラシャはあのやり取りの後、こてんとその場で眠り込んでしまった。疲れが限界に達したのだろう、とガンジーは思った。
2016-02-06 21:24:03ガンジーは未だ、この得体の知れない女を警戒していた。人型の得度兵器かもしれない、とすら考えていた。 「冗談だよ。君達が壊した得度兵器から徳ジェネレータを取り出して、使えるようにする作業が終わったんでね。その報告と……後は、情報交換といったところかな」 「徳ジェネレータを……だと」
2016-02-06 21:28:01