- 3kingdoms4j
- 2267
- 10
- 0
- 0
すごい昔、中国では政治が腐敗し、カラーギャング(黄色)みたいなのが流行り、民草はすごい困った。縄とか編んで暮らしている、自分は実は高貴な生まれという設定でいる中二炸裂の劉備玄徳(リュウビゲントク)は、そんな世を何とかしようと立ち上がるのだった c1-1
2016-01-05 23:15:33ある日、劉備は縄とか竹で作った手芸品を売りに町へ出ると、ストリートの飲み屋から怒鳴り声が聞こえてきた。太った男が無銭飲食をして店長ともみ合っているのだ。太った男は「わからんわからん!」と怒鳴りながら店長をはり倒した。倒れた店長から鼻血がすごい出てた。劉備どん引きである c1-2
2016-01-05 23:24:27騒ぎを聞いた役人が10人ほどもやってきて太った男を取り囲んだ。太った男は「このオレさまが何をした!」と役人たちをにらみすえた。人だかりのなか「食い逃げだろ」と劉備はつぶやいたが思った以上におっきな声が出た。太った男にギロとにらまれた劉備はあっと口を押えるのだった c1-3
2016-01-05 23:30:28いよいよ役人たちが得物を手に手に輪を狭め始めたその時、見事な長い髭を持つ謎の男が騒ぎにとびこんできた。「えっ誰?なに?誰?」ときょろきょろする劉備であった c1-4
2016-01-05 23:35:48「またれよ、お役人たち!この者はある意味私の弟、張飛(チョウヒ)である!このたびの騒ぎ、ある意味兄でもあるこの関羽(カンウ)にまかせよ!まかせられよー!」どうどうたる謎の髭の男であった。関係のない劉備はこの騒動が楽しくてしょうがない。いい性格である c1-5
2016-01-05 23:43:14しからばと役人が張飛の悪行から関羽に謝罪、返済、贖罪をするよう求め、説明しだした。「数十軒に渡る飲み代のツケ、または無銭飲食。さらに暴行、強盗や強姦、殺人の疑いもあるぞ。まだあるぞ、、、」関羽は黙って聞いていた。劉備は「これ助かるの無理だろ」と思った c1-6
2016-01-05 23:50:06さあ弁償しろとせまる役人たちに関羽の青龍偃月刀がうなった!「えいや!この切れ味をみよや!」役人たちの首が飛んだ! c1-7
2016-01-05 23:57:53「さっすが兄キだ、そうこなくちゃいけねえ」と張飛は関羽に加勢した。にげまどう人たち。劉備も逃げたが途中「あいつをにがすな」という張飛の声が背中から聞こえた。ぞっとした劉備だったが、反面この混乱の中で捕まるかバカとも思っていた c1-8
2016-01-06 19:00:18数日後、劉備は体験をもとに無駄を省き誇張を交えエピソード話にして仲間に披露していた。「コッポォwww」「デュフフwww」「フォカヌポウwww」と仲間に大そうウケた。すると向こうの方から長い髭の男と太った男が歩いてきた。関羽と張飛である c1-9
2016-01-06 19:05:24一目でそうとわかった劉備はさっと手を額にあてサンバイザーみたいにしてうつむいた。劉備とっさの好判断である。「お前たち、こういう男を知らんか」関羽と張飛は人相書きを劉備とその仲間たちに見せた。恐ろしいガタイの二人に圧倒された仲間たちは恐怖を覚えた c1-10
2016-01-06 19:09:13人相書きには耳の大きい顔が描かれている。ああ、オレだこれと劉備は汗ばんだ。劉備は仲間に余計なこと言うなよと念を送っていた。さっきのエピソード話を聞いていればこの二人が誰か分かるはず。そしてその二人が明らかに自分を探していることも、何のために探してるかも予想はつくはずだ c1-11
2016-01-06 19:13:12言うなよ言うなよ!劉備の念に力がこもる。「あ、知ってます」あっさり仲間の一人が言った。危機感から異常な脳の回転を自覚した劉備はとっさに裏声で続けた「ア~~、ア~~、アイツネ~、アノ隣町ノネ~、隣町デネ~」劉備のとっさの好判断である c1-12
2016-01-06 19:17:40「いやいや、これ玄徳くんでしょ」普段の呼び方ではない。そんな仲間たちの軽薄な裏切りに無表情になった劉備。さっきまであんなに一緒になって爆笑してたのに、人のつながりとは一体なんだろうと思いをはせる劉備青年であった。そしてそれは現実逃避以外のなにものでもなかった c1-13
2016-01-06 19:22:11関羽と張飛は劉備の前でひざまずいた。「中山靖王のご落胤、劉備玄徳さまでございますね。わたくし関羽といい、こちらは義弟の張飛といいます。乱れた世を嘆き、憤りのため役人どもに追われる身ですが、志は今でも太陽に向いております。どうか我々をお導きください・・・」 c1-14
2016-01-07 21:01:07逆転ホームラン!劉備はこの瞬間から、少なくともこの場においては、ホラ吹き劉備ではなくなり、中山靖王の落胤であり正統な漢王朝の後継者となった。これはいける「さ、おもてを上げてください、関羽さん張飛さん」やさしく語りかける劉備のそれは、まさに高貴なるものであった c1-15
2016-01-07 21:04:31「ウソです、この男は村で有名なホラ吹きの」とさっきまでの仲間が真実をばらそうとした。劉備はその機の先を制し「ひかえよ!」と大声をあげた。はっと関羽、張飛が緊張した。「薄汚い犬ども、わたくしを貶めようという魂胆か!」劉備はそれだけ言えばよかった。あとは関羽と張飛が動いた c1-16
2016-01-07 21:09:35やられる前にやる、劉備とっさの好判断であった。しかし人を裏切るとはこんな簡単なのか、仲間だった肉塊を見ながら劉備はそんなことを考えた。関羽、張飛という力でねじ伏せた劉備には、先に裏切られたから裏切り返したまでという、心のバランスを図るための小賢しい言い訳はいらなかった c1-17
2016-01-07 21:15:24これは真理ではないが事実なんだと、大きな声と強い力をもつものが言えば嘘も嘘ではなくなるという、宇宙が生まれて以来の力こそパワーという事実にふれた劉備であった c1-18
2016-01-07 21:21:47劉備はこの殺人現場から去りたい。裏切られた気も晴れたし(※殺したので)、この二人もどっかいってほしい。また何かあったときに呼べばいいのだ。ただこの関係は誰にもばれないようにしなければならない C1-19
2016-01-08 20:08:50「さあさ、おもてを上げてください。確かにわたくしは中山靖王の流れをくむもの。志こそ同じですが、今はただの百姓にすぎません。あなた方のあるじになるなどもってのほかです」劉備は圧倒的な微苦笑をたゆたらせ、そう二人をさとした c1-20
2016-01-08 20:12:47関羽「なるほど、さもありなん。しかし我らとてむざむざ引きさがれぬ。我らの主君はむりなら、兄になってくだされ。劉備さまが長兄、わたくしが次兄、この張飛が末弟でどうです。そして迷惑がかかるといけませんからこの話は秘密にしましょう」 劉備「計画通り」 c1-21
2016-01-08 20:16:52「あっはは、どうにも困ったお人たちだ。その目は本気ですね。ではそうしましょう。時節をまちましょう。その時がくるまで我らのことは秘密ですよ。ではいまからわたくしたちは義兄弟です」と劉備はそこらへんになってる桃をひとつもぎり、ひと口かじって関羽たちに渡した C1-22
2016-01-08 20:20:44関羽らと桃をかじり合い、ひとまず義兄弟のあかしとした劉備たち。ここにメンヘラ耳でか劉備(リュウビ)、ヒゲ長愛され関羽(カンウ)、ピザデブ酒飲み張飛(チョウヒ)が義兄弟の契りを結び、トリオグループを結成したのだ c1-23
2016-01-08 20:24:21