「口移し」を見直す

近年は虫歯菌を子供に移してしまうとして行われなくなった「口移し」。しかし口移しをやめてしまったことで、乳幼児期に感染しておかないと重篤な症状を引き起こすこともあるEBウイルスとの「共生」のタイミングを失ってしまったのかもしれない。 ※文中の「EV」はタイプミス。正しくはEB。
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shinshinohara @ShinShinohara

虫歯菌を移さないようにと、口移しで離乳食を与えない育児はすっかり日本で定着した。そのお陰か、虫歯になる子供はずいぶん減ったらしい。しかし一つ気がかりなことがある。ヘルペスウイルスの一種であるEVウイルスと「共生」するタイミングを失ってしまったのかもしれないことだ。

2016-02-12 22:36:11
shinshinohara @ShinShinohara

EVウイルスは乳幼児に感染するとほとんど無症状だが、思春期に感染すると「キス病」とも呼ばれる症状を示す。伝染性単核球症や、重篤な場合は慢性活動性EBウイルス感染症となり、予後が非常に悪い。最近ではアイドルの松来未祐さんがこの病気で亡くなったことで知られるようになった。

2016-02-12 23:11:17
shinshinohara @ShinShinohara

EBウイルスの感染が青少年期など遅くなると、多発性硬化症(ALS)を発症する確率が高くなるという。EBウイルスは大人だと90%以上が感染しているありふれたウイルスであり、症状の重い病気にならないためには、乳幼児期にEBウイルスに感染しておくのが無難なようである。

2016-02-12 23:14:32
shinshinohara @ShinShinohara

EBウイルスは唾液で感染するので、昔は離乳食を口移しで与えることで、自然にEBウイルスに感染したものと考えられている。しかし虫歯菌感染予防のために口移しがなされなくなった。無症状感染で済む乳幼児期での感染の機会を逸し、「キス」をする青少年期まで感染が遅れることになる。

2016-02-12 23:17:23
shinshinohara @ShinShinohara

EBウイルスは感染する年齢が遅くなるほど症状がきつくなるようだ。子供だと軽い発熱とほっぺが赤くなるだけで済むリンゴ病や水疱瘡が大人になってからかかると大変症状が重くなるのと同じで、乳幼児の間にEBウイルスに感染しておいた方がうまく「共生」できるようである。

2016-02-12 23:20:36
shinshinohara @ShinShinohara

虫歯菌を排除しようとして、ウイルスとの共生のタイミングを失うのだとすれば非常に危うい。口移しで離乳食を与えるということは、EBウイルスとの共生の視点から、見直した方がよいのかもしれない。虫歯菌が避けたいなら、歯が生える前なら虫歯菌も依り代がなくて根付きにくいかもしれない。

2016-02-12 23:24:40
shinshinohara @ShinShinohara

何かを解決しようとして別の病気を招く。人間は、本当に大したことが分かっていないのだとつくづく思う。

2016-02-12 23:25:29