清少納言周辺夜話集

清少納言「枕草子」周辺botが流した清少納言や枕草子、その時代の文化にまつわる話のまとめ。
4

「逢坂の関」の歌に関する解釈編

清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

今日の話は、私こと清少納言と歌、にするわね

2015-09-07 01:39:36
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

後で読み返すときのためにたぐも作っておくわ。前に話をしたのがどこに行っちゃったのか分からなくて困ったし #清少納言周辺夜話

2015-09-07 01:41:41
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

さて、私は祖父、父と有名な歌人だったのは多くの人が知ってると思うわ。でも、私自身は、その、我ながらあんまり世に秀でた歌人とは言えなかったのよ。もちろん、時節や場面に合わないような変な歌を詠んだりはしないけど、さすが!って思ってもらえるかというのは別の話ね。 #清少納言周辺夜話

2015-09-07 01:44:10

世に秀でたというほどではなかったけれど、勅撰和歌集に採用されたり、私家集もありました。

清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

私家集っていうのは、個人の歌を集めたもののことね。ちなみに、江戸時代以後の人のものは私家集とは言わないわよ。この中にも経験のある人がいるんじゃないかしら、自分で書いた詩をノートに書き連ねて青春を過ごしてた人……。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 01:53:12
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

で、今回は、定子様が私に下さった歌の話と、行成様とのアレの話と、息子の話と、帝と定子様の辞世の歌の話と、どれにしようか考えていたんだけれど。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:04:46
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

2011年に出版された、「コレクション日本歌人選」という読み物の中に、私も入っていたのよ。その中で、私と行成様の「鶏のそら音」についても、取り上げてくれていたのだけれど。素敵な読みをしてくれていたから、それも少し紹介するわね。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:13:31
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

そちらの筆者と、ここで流している「枕草子」は使っている本が違うの。だから、「それにしても、逢坂の歌は何と言えば良いか分からなくて返事をしなかった。よくない」という部分を「誰が言ったか、が違っているのよね。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:18:33
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

ちなみに私の方は弥富本、「コレクション日本歌人選」では三条西家旧蔵本らしいわ。私の方では、例の部分は私の自省なんだけど、向こうでは定子様が仰ったこと、と解釈されているの。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:21:10
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

で、それを踏まえると、私は「鶏のそら音」の歌を行成様に出した時点で、言葉遊びに負けていて、それを定子様に「良くないわね」と笑われてしまった、ということになるわ。 #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:22:42
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

まずね、行成様が「鶏の声に」とか言い出したでしょ。で、それを私が「孟嘗君の話」に持っていったのね。それに対して、行成様が「逢坂の関です」と返してきたのよ。それに私が「逢坂の関は」と、逢坂の関を主題にしてしまって、まんまと行成様の土俵に乗ってしまったの。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:25:54
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

それに行成様は「(貴方も認めた、逢坂の関には)鶏なんて鳴いていないですよね」とお返事してきて、私は手も足も出なくなった、というわけ。私が言い出した孟嘗君の話にはもう戻しようもないんだから、仕方ないわよね。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:29:43
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

でもね、そういうわけで失敗作として生まれた私の歌なんだけど、行成様が私達のやり取りとセットで人に広めてくれたおかげで、百人一首にも採られるくらい有名な歌になったのよ。だから私は行成様に感謝してるのよ、当時もご本人に言ったけれど。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:32:12
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

自分の歌を「会心の出来」(当時は「めでたし」って言ったわね)って表現した私の宣伝意識だ、と評価した人もいたようだけど、ね。まぁ……意地、かしらね? 負けたけど!  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:35:19
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

行成様はね、私が「鶏のそら音」から「孟嘗君」の話と、逢坂の関を結び付けて何とか歌を詠もうとした頑張りを、分かってくださってたのよ。だから、周りに広めてくれたのよね。逆に私は、行成様が私の負けを指摘してきた歌は「見苦しい」と仕舞ったのだけど。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:39:10
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

という、私がやり込めたようで実は思いっ切り負けてしまっていた話でした。さて、今回はこれくらいにしましょうか。また今度、歌の話をしましょう。今度は何が良いかしらね。  #清少納言周辺夜話

2015-09-07 02:41:24

重用の節句には詩歌を作る編

清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

さて、今日は重陽の節句ね。私の時代には、前日の夜、菊の上に綿を乗せておいて、朝の露で濡れた綿で身体を拭いて長寿を願うという風習があったんだけど……この天気では、綿は流れてどこかへ行ってしまったわ。

2015-09-09 23:31:26
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

そうそう、重陽の節句の時には、和歌や漢詩を作ったりしていたの。これは鎌倉幕府でも行われてたらしいんだけど……実は、時代を下ると、鎌倉幕府の方では漢詩は作らないで、和歌だけを作るようになっていったらしいわ。

2015-09-09 23:48:00
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

これはちゃんと「吾妻鏡」にも書いてあるのよ。早い方の巻(源頼朝が生きていた頃ね)には、重陽の節句に漢詩を作ったことが書かれているけれど、宝治元年(1247年)の重陽の節句では、参加者が和歌を菊に添えて出しました、ってあるわ。

2015-09-09 23:54:15
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

つまりこれってね、参加者の教養レベルなのよね。源頼朝は、父方は天皇に連なる血筋、母方は熱田神宮の大宮司、いわば貴族なのよ。だけど、鎌倉幕府を支えた武家達が貴族と同じような教養を持っていたかというと……という話ね。

2015-09-09 23:58:18

清少納言と常陸介編

清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

今回は、もうすぐ年が変わるというのと、リクエストを頂いて召使に急いで訳させた関係で、「雪山」の話をしようと思うの。 #清少納言周辺夜話

2015-12-27 22:38:38
清少納言「枕草子」周辺bot @nagiko_kiyohara

「雪山」というのは、内裏に大雪が降った時に、女官達に作らせた物ね。どれくらいまで雪山が残るか、という賭けをして、私が勝てそうだったのだけれどまさかの定子様による妨害によって勝てなかった、という話があってね。 #清少納言周辺夜話

2015-12-27 22:40:57