当座預金口座の説明 by ののわさん(@nonowa_keizai)

ののわさんのシンプルな当座預金口座の説明です。
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ののわ @nonowa_keizai

日銀のマイナス金利導入でまた「貸し出しをせずに当座預金で運用している銀行はけしからん」論が登場したから一応まとめておくね。

2016-02-12 23:14:22
ののわ @nonowa_keizai

まず抑えるべき点は「貸し出しをしても当座預金は減らない」ということ。前にもツイートしたけど当座預金はあくまでも中央銀行と銀行の間でしか増減しません。

2016-02-12 23:19:59
ののわ @nonowa_keizai

例えば、七六五銀行が株式会社346プロダクションへとお金を貸し出すとします。そのとき、七六五銀行は余資として運用している日銀の当座預金からお金を引き出して346プロへとお金を渡すのではなく、七六五銀行は346プロの銀行口座残高を直接増やします。これを信用創造と言います。

2016-02-12 23:24:29
ののわ @nonowa_keizai

信用創造の過程において当座預金は一切介在しません。また、金融機関間で何らかの資金決済が発生しても、一方の当座預金の変動はもう一方の金融機関の変動により相殺されるため、当座預金全体で見れば中立になります。

2016-02-12 23:28:56
ののわ @nonowa_keizai

貸し出しをめぐる各主体のバランスシートの動きは以下の図が非常にわかりやすいです(イングランド銀行『Money creation in the modern economy』より引用)。貸し出しの前と後でベースマネーは変化しません。 pic.twitter.com/wIpmpPRfkO

2016-02-12 23:34:44
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ののわ @nonowa_keizai

では、当座預金はどのような時に減るのでしょうか。一つは、金融機関が預金者からの引き出しに備えて日銀から紙幣を引き出した時です。これを銀行券要因と言います。もう一つは、納税のために家計や企業などの民間部門から政府への資金移転が行われた時です。これを財政要因と言います。

2016-02-12 23:40:50
ののわ @nonowa_keizai

そしてこれ以外に当座預金に大きな影響を与えている要因があります。それが日銀のオペレーションです。日銀の現在の金融政策の方針は「マネタリーベースを年間約80兆円増加させる」ことです。マネタリーベースとは紙幣と貨幣と当座預金の合計です。

2016-02-12 23:46:23
ののわ @nonowa_keizai

紙幣と貨幣の流通量は短期的にはほとんど変動しないため、必然的にマネタリーベースを増やすには当座預金を増やすしかない事になります。つまり、現在の当座預金残高は日銀の金融政策によって決定されており、銀行には当座預金の残高全体を決定する裁量は無いのです。

2016-02-12 23:51:20
ののわ @nonowa_keizai

ではなぜ日銀はこのような金融政策を実施しているのでしょうか。というところまで踏み込むと止まらなくなるためこの辺りで終わりにします。

2016-02-12 23:56:04