【創作】砂糖少女と菫のシロップ【書いてみた】

SeNMU @SeNMU0107

砂糖女子のいただきかた pic.twitter.com/aIJK3C9on8

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井上(・H・W・ω・)ばるく・りーな @in_baq

@sousakutl #砂糖女子 1)テーブルの上に佇む可憐な一輪挿し。硝子で出来た華奢なそれは、今日は庭で摘まれた菫の花が活けられていた。共に摘まれた姉妹の菫は、白い鍋の中で甘い香りと共に煮込まれている。じっくり砂糖で煮詰めて、菫の花のシロップとなるのだ。

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@sousakutl #砂糖女子 2)甘い香りが漂うキッチン。いつの間にか、小人の少女が一輪挿しの菫を見上げて佇んでいた。ほんのり桜色に色づいた髪、目の色は透き通る琥珀色。肌はきめ細かく、まるで雪のように真っ白であった。好奇心でまんまるになった瞳はひたすらに花を見つめている。

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@sousakutl #砂糖女子 3)だから少女は、背後に忍び寄る家人の手にも気づかなかった。そっと背後から掬い上げられて、家人の手のひらに尻もちをつく。きょとんとした少女は、視線を向ける先を変えた。視線が合う。家人が微笑む。少女もつられて微笑む。鍋の中では菫の花が優雅に舞う。

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@sousakutl #砂糖女子 4)家人は少女を掌に乗せたまま、菫の鍋の蓋を開ける。そして真っ白な少女を、掌から鍋の中へと滑り落とした。甘い蜜に触れた足が、掌が、すぐに透き通って崩れていく。少女は「砂糖女子」と呼ばれる生き物だ。砂糖女子で作るシロップは、極上の甘さになるという。

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@sousakutl #砂糖女子 5)逃げ出そうとする少女を再度鍋の中に突き落として、家人は無慈悲にも鍋の蓋を閉じる。硝子製の蓋の向こうで、少女はみるみるうちにシロップの中へと溶けていく。少女が身に着けていた制服は、菫の花の色にほんのり色づく。

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@sousakutl #砂糖女子 6)少女がすっかり溶けてしまったのを見届けて、家人は食器棚から白磁の器を取り出す。その器の傍には、小さなトルソーに着せられた制服が何着も飾られていた。(一応ここまで)