ヘイトスピーチ規制法に関して(1)

今回私達が署名アクションを行っている《人種差別撤廃施策推進法案》はヘイトスピーチ規制法ではありませんので、ちょっと悩みましたが、ここについてのご質問も多いので、ちょっと書いてみます。
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

さて、もう何度も書いているのですが、今回の《人種差別撤廃施策推進法案》は、ヘイトスピーチ規制法ではありません。なので、いまの段階でヘイトスピーチ規制法に関する事をあれこれ書くのもどうかな、と迷ったのですが、ちょっとご質問も多いので、書いてみようと思います。

2016-02-15 16:06:37
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まず、そもそも《ヘイトスピーチ》ってなんなのだ?という事について。大前提として、《ヘイトスピーチ》という言葉の意味が、まだ完全に成熟はしていないかな、と思います。人種や民族といった《属性》を理由とする憎悪差別の扇動表現、という大まかなコンセプトは共有されてるかな、とは思いますが。

2016-02-15 16:12:42
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

この点に関してですが、artk.blue/data/FS_hate_j… ←こういうEUでのオフィシャルな文書でも《世界的に合意された定義はない。多くの国々はこのコンセプトを含むような表現を禁じ る法律を採択しているが、それは微妙な差異を含んでいる。 》と説明されています。

2016-02-15 16:14:11
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

実際、ヘイトスピーチ規制法を有している国によっても規定の内容は様々だったりもします。amazon.co.jp/%E3%81%AA%E3%8… ←この書籍なんかでは、各国のヘイトスピーチ規制法を沢山紹介していたりもしますが、本当にまちまち。

2016-02-15 16:16:03
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

言い換えるなら、様々な国がそれぞれ考えたり、実践していたりする、という事でしょう。まぁ基本的に多くの国が近代的な憲法を持っているし、そこでは《表現の自由》の価値が重要だというのは当然の前提として考えられてもいます。その中で、多くの国で《調整》をどうするか、考えられてきている。

2016-02-15 16:19:23
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

勿論、日本でも《表現の自由》は極めて重要であるのは《大前提》です。憲法21条が《表現の自由》について規定してますが、精神的自由権としての優越性や《民主制に資する価値》を有する極めて重要な権利だ、ということには誰も異論はないでしょう。 pic.twitter.com/zQA5lYjB8a

2016-02-15 16:22:49
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

じゃぁ、何故多くの国でヘイトスピーチ規制法が存在するのか?ここは、ヘイトスピーチがもたらす《害悪》が実に深刻だ、ということが理解されているからでしょう。また、《表現の自由》についても、重要ではあれど、《一切の規制が認められない》ということでもない、という事でしょう。

2016-02-15 16:24:49
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まず、ヘイトスピーチの《害悪》に関してですが、これも様々な指摘がされてきています。争いもありますが。大きく分けて2種類あるのかな、と思います。1つは《その人の精神を傷つける》という側面。もう1つは、ジェノサイドの契機となってしまう、という側面。

2016-02-15 16:27:19
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

《その人の精神を傷つける》という部分は、極めて矮小化されやすいですが、実際心を病んでしまい自死を選んでしまう、という事さえあります。なので、これを《単なる不快感でしかない》みたいに流してしまわず、ちょっと冷静に見て頂きたい部分でもあります。ここは本当に理解され難いのですが。

2016-02-15 16:30:00
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

《ジェノサイドの契機》という部分ですが、これは www011.upp.so-net.ne.jp/kamogawa-lo/ha… ←例えばこういう説明がされていたりもします。これはブライアン・レビンという研究者さんが説明しているものですが。

2016-02-15 16:31:34
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

ルワンダの虐殺事件の事例などもラジオでのヘイトスピーチが直接的契機となったのは、良く知られている所でもあるので、ここについては、まだ解って頂け易いかな、とは思います。

2016-02-15 16:32:33
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

こうした《ヘイトスピーチの害悪》と《表現の自由の価値》との関係で、多くの国が、後者の貴重な価値をできるだけ損なわない方法で、前者の害悪を取り除くために、いろいろな国で様々な試行錯誤がされてきているのだ、という事であろうかと思います。

2016-02-15 16:34:21
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

次に、《表現の自由についての規制は一切許されないのか?》という点ですが、これは、まぁ現実に日本でも昔っから《名誉毀損罪》や《侮辱罪》といった刑法による規制は存在していますし、また、日本も加盟している国際人権規約(自由権規約)でも、一定の制約があり得る事を明言していたりもします。

2016-02-15 16:36:24
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

自由権規約の規定はこんなカンジです。19条3項ですね。また、20条2項で「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する」としているのも重要でしょう。 pic.twitter.com/lcVWhFurEe

2016-02-15 16:38:14
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

こうした背景から、様々な国でもヘイトスピーチ規制法が作られている現実があります。勿論ながら、どの国でも《表現の自由》が大事だということは十分理解されているでしょう。

2016-02-15 16:40:36
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

ではヘイトスピーチ規制法によって、憎悪煽動とその被害が上手く抑制できてるのか?というと、ここは様々な見方ができます。例えば、フランスにはHS規制法は実際にありますが、イスラムへの差別は上手く抑制できてるとは言えないでしょうし、シャリルエブドの事件のような悲惨な事件も起きています。

2016-02-15 16:44:33
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

ここは本当に様々な受け止め方ができるだろうとは思いますが、私としては、どの国でもなかなか上手くいかなくて、試行錯誤しながら悩み続けているのだろうな、と考えています。

2016-02-15 16:45:42
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

長くなってヤヤこしくなりそうなので、一旦ここでまとめます。

2016-02-15 16:46:38