反人種差別のための法制度(1)

反人種差別のための法制度に関して、まぁばくっと。
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k3_neoprotesters @k3_neoprotester

さて、昨日はHS規制法についていろいろ書いたりしました。まぁ今般の《人種差別撤廃施策推進法》はHS規制法とは無関係ではあるのですが、そこについてのご質問が多いのもあって、まぁ誤解を排する意味で書いてみました。

2016-02-16 20:51:40
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

ただ、《反人種差別》のための《法制度》というのは、HS規制法だけではなくて、HS規制法というのは《反人種差別のための法制度の1類型》でしかありません。

2016-02-16 20:57:13
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

今日は、この辺りのことを、ちょっと書いてみたいと思います。《反人種差別》のための《法制度》には、他にどんなものがあるのか、という部分。そして、そうした全体図の中で、今回の《人種差別撤廃施策推進法案》の位置付けをどう考えるのか、というのを書いてみたいと思います。

2016-02-16 20:58:54
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

《反人種差別と法制度》という目線で見るには、この本 amazon.co.jp/exec/obidos/se… が、とても良い本です。この「ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるのか」という本は、そのタイトルとは裏腹に、とても《反差別法制》を俯瞰的に紹介していて、本当にいい本です。

2016-02-16 21:01:21
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

興味のある方は、是非読んでみて頂きたいのですが、大きく分けると、《反人種差別》に関する法制度というのは4つくらいの類型があるのかな、と思います。

2016-02-16 21:05:37
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

1つは《差別禁止法》というもので、結構スタンダードなものじゃないかな、と思います。表現を禁止しているのではなくて、差別的な行為を挙げて禁止するという方式のものです。米国の《公民権法》というのも、この類型に入ります。

2016-02-16 21:12:50
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

2つめは《ヘイトクライム法》というタイプのもので、「動機に差別的な憎悪感情を含むような場合には量刑を重課する」という仕組みの法制度です。まぁ「普通に傷害やったら懲役10年だけど、動機に差別的憎悪があるので12年にしますね」みたいなカンジですね。

2016-02-16 21:14:47
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

3つめは、《結社の自由に制限をかける》という方式のもので、これは、人種差別的な団体について、その支持者や協力者を取り締まるという仕組みのものです。

2016-02-16 21:17:28
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

で、4つめが、昨日も書いてましたHS規制法。これは差別扇動表現を取り締まるタイプのもの。

2016-02-16 21:18:03
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まぁ、とりあえず《HS規制法》ってのも、人種/民族差別をなくしていくための法制度の一つなんだ、というくらいに理解してもらえるといいのかな、と思います。

2016-02-16 21:20:13
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

また、こうした《他の方法》をいろいろ使いながら上手く人種/民族差別をなくしていけるなら、《表現規制》にあえて踏み込む必要もないのかもしれません。

2016-02-16 21:21:25
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

例えばですが、アメリカには、先ほど挙げました4タイプの法制度のうち、「差別禁止法」タイプの法制度はかなり発達していますし、ヘイトクライム法も整備されています。しかし、HS規制法はありませんし(ジェノサイド扇動を処罰する法律はありますが)、結社の自由の制約にも消極的です。

2016-02-16 21:24:09
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

よくHS規制法の議論になると、《アメリカにはHS規制法はないじゃないか!》みたいな事だけを言われたりしますが、代わりに、公民権法という強力な差別禁止法を有していますし、ヘイトクライム法も整備していて、人種/民族差別について野放図だという訳では決してないのだ、ということです。

2016-02-16 21:26:07
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

こう考えますと、他に《人種差別禁止》のための法制度があって、それで十分に人種差別の被害を抑えることが可能なら、《表現規制》であるHS規制法に頼らなくてもいいのかも、と思えてきます。まぁアメリカも、未だに黒人差別やらなんやら沢山あるので、現状で《十分》とは言い難いかもしれませんが。

2016-02-16 21:28:58
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

翻って、では、日本の現状はどうかというと、いま挙げた4タイプの《人種/民族差別をなくすための法制度》というのは、残念ながら1つも整備されていない、という状況です。人種差別禁止法も、ヘイトクライム法も、HS規制法も、レイシスト団体を取り締まる法律も、なにもないのが現状であります。

2016-02-16 21:31:06
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

まぁ、例えば《破防法》という法律がありまして、これが《お散歩》なんていう凶行をやっていた在特会の連中に適用できるなら、まぁ「日本にも対処する法律はある」と言えるかもしれませんが、現実に適用なんてされたことはないですしね。困ったことです。

2016-02-16 21:34:53
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

正直いいますと、《表現規制によらない他の手段》によって、ヘイトスピーチの《被害》が防げるなら、私自身は「別にええやんそれで」と思っているところもあります。正直、《表現規制》というのはそれくらい《できればやりたくない方法》なんですよね。

2016-02-16 21:37:48
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

《HS規制法》というものが本格的に起草されていくより前に、差別禁止法やヘイトクライム法がササッと整備されて、それによって差別の被害がなくなっていくなら、HS規制法なんて別にいらないかな、と思えるようになるのかもしれません。そうなってくれるなら、それはそれでいいと思います。

2016-02-16 21:41:15
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

しかし、現状は《なにもない》のです。今回、私達が署名アクションを実施してます《人種差別撤廃施策推進法案》も、一切の罰則のない理念法で、《これから差別の実態を調査して考えていきましょうね》というスタンスを法的に確認するもので、直接的に誰かを処罰できる実効性は殆どないものです。

2016-02-16 21:43:19
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

おそらく、《表現規制反対》の立場から、HS規制法には慎重ないし反対、という方も、まだまだ沢山おられるだろうとは思います。そういう立場の方にも、是非ご理解頂きたいのは、いまHS規制法が国内で求められているのは、こうした背景事情もあるからなんだ、という事です。

2016-02-16 21:46:51
k3_neoprotesters @k3_neoprotester

ここで一回きってまとめます。

2016-02-16 21:49:22