【リスクの判断を誤らせる「11のケース」 大野智 大阪大学大学院准教授】について 水無月さんと平川さんの会話

20
リンク 朝日新聞デジタル リスクコミュニケーションにおけるメディア報道の影響:朝日新聞デジタル 前回、医薬品や食品の「リスク」について取り上げました。 ■「よく効く薬は怖い」は本当か(http://www.asahi.com/articles/SDI201602028355.html) 今回は、…
水無月 @minadukiG

【リスクの判断を誤らせる「11のケース」】 asahi.com/articles/SDI20… これ、瑣末部は正しいんだけど、本来は主体的であるべき人々のリスクの「受容度」を認識の「バイアス(偏り)」と一方的に断じ貶めている点で土台がおかしい。リスクの受容度は自由の領域に属する。

2016-02-17 21:28:50
水無月 @minadukiG

この大野さんの文章、(お時間があればの話だけど)一度平川 @hirakawah さんの見解をお聞きしたいところ…。 twitter.com/minadukiG/stat… @minadukiG

2016-02-17 21:32:29
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG これは「リスク」という言葉で二つのことがないまぜにされていると思いました。一つは確率(事故頻度)としてのリスク。もう一つは「責任問題」など社会的要因についての認知も含めた、より複合的な「危なさ」「受け容れがたさ」の観念としてのリスクです。

2016-02-17 21:45:39
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG 通常は、客観的事象を表す前者のリスクに対して、後者は、人々が認識した主観的なリスクの受け止め方(リスク認知)という区別をして、さらに後者は、様々な要因によって、真のリスクよりも誇張されたり過小評価されたりした「歪められたリスクの認知」という見方もされます。

2016-02-17 21:50:46
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG そして、そのような要因による歪みを正し、客観的なリスク(前者のリスク)の認識・理解を身に付けるのがよいとされます。大野さんの文章もその一例ですね。

2016-02-17 21:52:35
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG けれどもよく考えてみると、人々が一般に認知し受忍の是非を判断するリスクは、様々な要因が絡んだ複合的なものであるがゆえに、確率としてのリスクとは異なります。人々は、諸要因のせいで確率としてのリスクをより大きくor小さく認知しているわけでは必ずしもありません。

2016-02-17 21:56:23
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG そしてこの複合的に認知されるリスクに対する受忍判断は、それら諸要因に関する人それぞれの価値観や状況に応じたもので多様性がありますし、かつ、根本的には当人の自由に属するわけです。それは客観的事象である確率としてのリスクについて正しく知るということとは別です。

2016-02-17 22:00:11
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG 複合的なものとしてのリスクについては、人によって・場合によっては確率は度外視して、他の要因に基づいて受忍が判断されることもあります。

2016-02-17 22:02:13
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG そして、このような複合的なリスク認知こそ、人間にとって基本的なリスクの経験なのであり、確率によるリスク理解は、主にリスク管理の都合上便利なものとして、そこから抽象化・純化したものだといえます。

2016-02-17 22:04:44
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG ちなみにさっき複合的なリスクについて「主観的」という言い方をしてましたが、これは正確にはミスリードな言い方です。複合的リスク認知を左右する要因には、責任問題もそうですが、リスク・便益分配の公平性や、リスク受忍の自己決定性など社会的事実や基本的権利に関わる

2016-02-17 22:15:20
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG 認識も含まれるからです。また、とくに社会的事実に関する認識が関わっている場合には、この事実の認識に関してメディアの影響を受け、複合的リスク認知が過大ないし過小になるという「社会的認識としての歪み」が生じることはいくらでもあります。

2016-02-17 22:17:01
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG リスクの質的違いを認めた上で、そういうものとして「メディアの影響」云々を論じたのであれば、大野さんの指摘も妥当になると思います。

2016-02-17 22:18:55
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

.@minadukiG ちなみに以上のようなリスクの考え方(複合的リスク認知)について自分は、よくこのようなベクトルの合成のモデルで説明しています。 pic.twitter.com/c8qEojhxk9

2016-02-17 22:23:00
拡大
水無月 @minadukiG

@hirakawah お忙しいところ、お手間を取っていただきありがとうございました。 ただ、「ほぼゼロに近いリスクに対して必要以上に不安や恐怖を感じてしまった結果…理性的な判断ができなくなってしまったりすることを避けてもらえたら」という論調からは、私はそこまで好意的に解釈 続

2016-02-17 22:22:04
水無月 @minadukiG

@hirakawah 続き)することは難しいですね…。 元文章は二つの意味の「リスク」を混同させることで結果的に、複合的なものとしてあるリスクの受忍度を、確率を基にしたものに合わせるのが良い(社会的に正しい)という方向に誘導しているように思います。

2016-02-17 22:23:21
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@minadukiG その点はそのとおりだと思います。さっきも「大野さんの文章もその一例」と書いたのは、そういう意味でした。 twitter.com/hirakawah/stat…

2016-02-17 22:25:22
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@minadukiG ただ、「ほぼゼロに近いリスクに対して…」のあたりは、別の問題が確かにありそうですね。もう少し考えてみます。

2016-02-17 22:27:39
水無月 @minadukiG

@hirakawah 私はこれ、平川さんのお言葉でいう「脱臼」の一例ではないかというのが、一読の印象でした。感覚的で上手く言語化できないのが申し訳ないのですが(なのでヘルプをお願いしたということでもあります)。いずれにせよ、ありがとうございました。私ももう少し考えます。

2016-02-17 22:32:57
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

@minadukiG なるほど!このご指摘もヒントに、こちらも考えてみます。

2016-02-17 22:34:21