義務感でイヤイヤ行う親切は恨みになる

めんたね @mentane

先日の教育ワークショップで受けた母からの相談内容。小学生の息子が習い事の場所に携帯を置き忘れてきた。いくなら自転車で取りに行くことになるのだが、ちょうど自転車が盗まれたところでなかった。そこで、息子は母に「携帯取ってきてほしい」と頼んだ。（母の自転車はあるため）

めんたね @mentane

そこで母は迷った。取りに行ってやるべきか？息子はよくものを置き忘れているし、自分のせいなので自分で取りに行かせるべきか。歩くと40分かかるし、結局、自分もついていくことになる。息子を連れて一緒に歩いていくよりは、一人で自転車で行く方が早い。

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母は葛藤する。「ここで自分が取りに行ってしまうと、息子は無責任に人に頼めばいいと思う人間になるのではないか？自分の失敗は自分で責任を取らせたほうがいいのではないか？」という思いが一つ。

めんたね @mentane

もう一つは「私の父は、私が遊びに行くときに『勝手に遊びに行くんだろ！』と絶対に車で送ってなどくれない人でした。私は『冷たいなあ』と思っていました。他の家の子はスキーのときなどは駅まで車で送ってもらったりとかしていたのに。だから、私は取りに行ってあげたほうがいいかなとも思うんです」

めんたね @mentane

「どうすべきでしょうか？」と問われたので、「どちらでも好きなほうを選んだらいいんじゃないですか」と答えた。次にこのように質問した。「いっそ次に習い事に行く時まで携帯をそこにおきっぱなしでも問題はないの？」母はしばらく考えて「確かにそうですね。息子は携帯ほしがりますが、困りません」

めんたね @mentane

自分の責任を引き受けることを学ばせるために自分で取りに行かせたほうがいいのか？親切を受け取る体験をさせて、将来的には息子も他人に対して親切にふるまえる人間に育てようとしたほうがいいのか？

めんたね @mentane

「だったら、もしもあなたが息子のために携帯を取りにいってやりたいと思うのならば、取りに行ってやればいいと思います。息子さんはそこで人から親切にされることを学ぶ。あなたが面倒だと思うなら、取りにいかないほうがいい。次、習い事にいくときまで待たせておけばいい」

めんたね @mentane

「このケースで一番よくないのは、本当は取りに行きたくないのに『親切にしなければならない』と義務感からやりたくない親切を形だけやって、それを根に持ってあとで息子に『あんたのせいでこんな面倒ごとになった』とブツブツ言うことです。それだったら、取りにいかないほうがいい」

めんたね @mentane

このケースは「取りに行くべき義理や義務があるか？」という問題と「義理や義務はないが単なる親切、好意として相手になにかを与えてやったり、譲ってやったりするか？」という問題が絡んでいる。

めんたね @mentane

母としては「このケースにおいて私は携帯を取りに行く義務はない」ということを息子にわからせたい、取ってもらって当然とは思わせたくない、と考えている。また、親切を受け取る体験を通じて息子にも親切を他人に与えることを教えたいとも思っている。

めんたね @mentane

どっちに転んでもどっちかは学ぶわけで、他にもいろいろと学ぶケースはあるだろうから、そんなに深刻に悩む必要はないというのが僕の考え。ただ、ここで述べた「親切にすることを義務と考えて、イヤイヤ親切を行う」というのは、子どもにとっても母にとっても大変によくない。

めんたね @mentane

行くのが面倒と思えば「やだよ。忘れたの私じゃないし、めんどくさい。自分でなんとかして」とただ言えばいい。そのときは母には取りに行く義理や義務がないことを息子は学ぶ。自分が元気で取りに行ってやりたいと心の底から思うなら取りに行ってやって、純粋な親切を受け取る体験を与えてやればいい。

めんたね @mentane

人に親切にすることを義務であると考えると、「無理やり自分の親切さに付け込まれた！」と考えて勝手に他人に対して親切の押し売りをしながら、見返りがない！と恨みを貯めていったりする。そうなるんだったら、最初から親切などしない方がいい。