ベースライン【丸山先輩×沙耶】

白色 @whiteeighter

1 〈ねー、沙耶ちゃんの好きな人は？〉 ってきかれて 「２年の丸山先輩」 て言うと 〈丸山先輩って、あのちょっと変なひと？〉 〈面白いけど、彼氏には…ねぇ笑〉 なんて答えが返ってくる いーんだ 丸山先輩の良さは普通のひとにはわからないんだ #ベースライン

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２ てゆうかライバル増えるしわかってほしくない 〈丸山先輩より私は大倉先輩がいいな♡〉 「背高くてかっこいいけど…なんかヘラヘラしてるじゃん」 〈笑顔がかっこいーの！丸山先輩の方がヘラヘラしてるよ？〉 「…たしかに笑」 〈私はね、安田先輩♡〉 #ベースライン

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3 「あんたの方が背高いけどいーの？」 〈器用だし何より優しいもん〉 「…なるほど。」 丸山先輩は人気ない？ 渡り廊下から下の中庭を見ると 先輩が見えた たくさんの友達に囲まれてる あ、目があった 『あっ沙耶ちゃーん！』 手を振ってくれる #ベースライン

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４ 「丸山せんぱーいっ！」 笑顔で手を振りかえす 大《お、沙耶ちゃんやん》 安《ほんまや》 大倉先輩も安田先輩もいた 安《今日もよろしくなー！》 大《遅刻すんなよ〜っ》 「はぁい笑」 『また放課後なぁ‼︎』 相変わらずな３人だなぁ #ベースライン

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５ 年上なのになんだか見てて微笑ましいや♡ 〈ちょっと沙耶、どういうこと⁉︎〉 「丸山先輩と、先輩たちのバンド手伝うことになったんだよね」 〈えっ何それずるい〉 安田先輩、大倉先輩は、軽音部でバンドをやってて 今回ベースの人が怪我をしたらしく #ベースライン

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６ 急遽ベース経験のある丸山先輩が文化祭での演奏に駆り出されたみたい 「その情報をお兄ちゃんから聞いてさ」 〈渋谷先輩ボーカルだもんね〉 「で、私一曲だけお兄ちゃんとツインボーカルさせてもらえるように頼み込んだ♡」 〈ずっるー！妹の特権使って！〉 #ベースライン

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７ 放課後は毎日文化祭にむけてその練習 みんなは知らないんだ ベースを弾く丸山先輩のすごさを。 それは２ヶ月前、音楽室でサボるお兄ちゃんにお弁当を届けに来たあの日 低音のベースラインが耳に流れ込んできた お兄ちゃんのバンドのベースの人じゃない #ベースライン

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８ ゾクゾクするような ふわすわするような 不思議なリズムと音で一瞬にして引き込まれる …誰？？ つい魅入ってしまった 『お？あ…軽音のひとですか？俺じゃまかな』 〈あっ、いえ…お兄ちゃん探してて〉 『あー！しぶやんの妹かあ』 #ベースライン

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９ 「あ、そうです」 『しぶやんあっちの準備室でなー…あ、これ秘密なんやった笑』 ？？ バタンと準備室に繋がるドアが開いて お兄ちゃんと…キレイな女の人がひっついて出てきた 渋《…はっ⁉︎沙耶なにしとんねん》 「お兄ちゃんこそ何してんの？」 #ベースライン

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10 一人先に出て行った女の人の首筋にはキスマーク お兄ちゃんのシャツもズボンもはだけてる 「さいってー」 渋《あほ！子どもはわからんでえーねん》 「やっぱそーゆうことしてたんだ。」 渋《ふは、そーゆうことって？笑》 「む…えっちな、ことっ！」 #ベースライン

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11 渋《えっちなぁ…笑》 『からかったったら可哀想やん笑 ね〜？』 「いいですっ、もう」 『君も好きな人できたらわかるよ』 そう言って頭をポンポンしてくれた さっきのベース弾いてた人とは全然違う雰囲気 渋《マル！》 『へ？』 渋《触んな》 #ベースライン

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12 渋《人んちの妹に気安く触んなゆうとんねん》 「べつに私はお兄ちゃんのものじゃないもーん」 『ふふ、可愛ええなぁ♡』 ３人でしゃべっているとそこに大倉先輩たちがきて 妹ならきっと歌が上手いんじゃないかって言われてなんだかんだで手伝うことに #ベースライン

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13 お兄ちゃん程ではないけどまぁカラオケでの点数はいい方 何よりさっきのマルって呼ばれてた丸山先輩のベースを近くで聴けるなら…と思って バンドを手伝うことにした それから練習していて気付いたこと 練習中の丸山先輩は不真面目 すぐふざけたりして #ベースライン

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14 でもバンド内の空気が悪くなるとすぐ気付いておちゃらけたりして ムードメーカーにもなってる 初めて会った日みたいな色気のあるベースの音は聴けてない 本番になったらまた聴けるのかな ＿＿＿ ある日の音楽室 一番乗りかなと思ってみんなを待つ #ベースライン

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15 準備室から微かな声…？ もしかしてまたお兄ちゃんなんじゃ…！ 出てきたらまた注意しないとっ いくらなんでも学校でなんて// 少しするとドアが開く… 〈次は部屋がいいな〉 またまたキレイな女の人と出てきたのは 『んー考えとく』 丸山先輩… #ベースライン

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16 『お、沙耶ちゃん早いね』 何事も無かったように話しかけられる 一緒に出てきた女の人が私を一瞥して 〈…次はこの子の順番？笑〉 『ふふ…ちゃうよー？この子はしぶやんの妹でバンドメンバー』 〈ふぅん？…じゃあまた連絡してね〉 目の前でキスなんかして #ベースライン

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17 「さっきの、丸山先輩の彼女さんですか⁉︎」 『んー…内緒です』 「ええっ何それ」 『沙耶ちゃんには内緒。嫌われたないから』 意味深な言葉で私を振り回し 彼はベースを手に取りいじり始める 「……私じゃだめですか？」 『何が？』 わかってるくせに #ベースライン

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18 「丸山先輩の彼女、私じゃだめですか…」 ベースから目を離さず 聞いてるのかいないのか 「…先輩、聞いてない……」 泣きそう。 「っん…？？？」 え？ 唇、くっついて 丸山先輩が、先輩の手が…私の頭に なんか柔らかいのが口の中に なにこれ #ベースライン

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19 息が苦しい 「んん…っぷは、」 はぁはぁ息を整える 目の前にはベースを肩からかけたままの丸山先輩 あぁそれで硬いものが間にあると思った…ベースだったんだ 『沙耶ちゃん…』 思考回路がショートしてる私に話しかける 先輩のいつもの笑顔で #ベースライン

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20 『キス初めてやった？』 あー、さっきのキスだったんだ 頷くしか出来ない私 先輩はクスクス笑って 私の頭を撫でる 『そうかぁ…まずいな』 ？何だろうこのひと 『…沙耶ちゃん。俺のこと好きやろ？』 頭の中であの時のベースラインが流れた気がした #ベースライン

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21 渋《沙耶ー、なんか漫画かして》 お兄ちゃんがノックもせず部屋に入ってくる 「はい。これ。新刊」 渋《……あほ。これお前の教科書やないか。》 「…ほぇ？あり？ほんとだ」 今日の丸山さんとのことに頭の整理が追いつかず ボケボケしてるのかも #ベースライン

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22 渋《なんやマルにでも襲われたかー？笑》 「っ？！」 渋《…お前それマジのやつか》 「えっ…や、あの//」 渋《あいつ調子乗りよって…いくらマルでも》 「あ、ちがうよ！」 渋《あ？》 「襲われては…ない」 渋《…あいつだけはやめとけよ》 #ベースライン

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23 どうしてって聞いてもお兄ちゃんは教えてくれかった あの日から丸山先輩のことを避けるようになり バンドの練習以外は近づかないようにした キスされてから、憧れの丸山先輩の見ちゃいけない部分を知ってしまったような気がしたのと …更に惹かれる自分もいたから #ベースライン

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24 お兄ちゃんに言われたからじゃなあけど、これ以上踏み込んじゃマズイ気がする… 渋《沙耶、帰んで》 文化祭が迫ってるある日の練習後、お兄ちゃんが先に片付けて声をかけてきた 〈すばるくーん♡〉 あ…また見たことない女の人 渋《なんや？ん？あーそうなん》 #ベースライン

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25 二人でこそこそ話してる 渋《…沙耶わるいちょっと俺用事できてもうた》 「どうせさっきの人とデートでしょ？」 渋《デートちゃうけど…あーまあデートでええよ笑》 「いいよ一人で帰るし」 渋《あかんて、…おい大倉ー！ヤスー？悪いけどこいつ送ったってや》 #ベースライン