アタック・オン・ネイキッド#2（再放送）

テキストカラテ・ドージョー @mpb_karate

（これまでのあらすじ：ネオサイタマ、アタマ・ストリートで、同性愛者マケグミ男性・ハタケがダンプカーに撥ねられた。そのまま死ぬかと思われたハタケだが、彼の元に謎のニンジャソウル『ハダカ・ニンジャ』が現れる）

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（ネオサイタマに対抗することを誓い、ハダカ・ニンジャとハッテン前後行為を行ったハタケ。彼は、全裸にメンポの全裸中年男性ニンジャ『ネイキッド』となって蘇ったのである！）（Togetterまとめ→togetter.com/li/939916）

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大気汚染の進んだネオサイタマは、太陽の光を浴びることが滅多に無い。それでもこの街が闇に包まれないのは、大衆に消費行動を促す欺瞞めいたネオン看板のせいである。それは丁度、睡眠時間も満足に確保できぬ日々をバリキドリンクで誤魔化すサラリマンによく似ていた。 1

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強い光は、闇を一層濃くする。ブッダがこの街の闇に手を差し伸べないのは、強い光に目が眩み、闇の中まで見通すことができないからであろうか？繁華街の路地裏に連れ込まれたバストの豊満な女が、今まさにヨタモノによるファック＆サヨナラの餌食になろうとしていることも見えないほどに？ 2

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「ンアーッ！」顔を殴られた女の悲鳴は、欺瞞めいた合成マイコ音声広告に呑まれて消えた。「嫌です、やめてください」「ダイジョブダッテ！最初は嫌かもしれないけど、すぐ平気になるよ」笑うヨタモノのサイバーサングラスには『死んだら終わり』の文字が点滅している。 3

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サイバーサングラス男は、女の衣服を引きちぎった。「ンアーッ！」女の豊満な胸が露わになる。モヒカンの男とナイフを持った男は、それを下卑た表情で品定めするように眺めていた。「最初は俺でいいよな」「アッハイ」「アッハイ」サイバーサングラス男の問いに、二人は肯定の返事。 4

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彼らの行動を止めようとする者は誰もいない。そう、そんな人間は、誰も。サイバーサングラス男がガチャガチャとベルトを外し始めた、その時である。 5

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「ファック＆サヨナラに対抗して…ファック＆ファック！」「ア？」暗闇の中から聴こえる声に、ヨタモノ達は一斉に反応した。聴こえたのは、特徴的な足音である。ヒタヒタと、まるで、ネオサイタマのコンクリート大地を裸足で踏みしめているような。 6

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表通りから差し込むわずかな光が、近付いてくるそれの姿を映し出す。確かに素足であった。しかし足だけが特別なわけではない。彼はその体に衣服を纏っていなかったのだ。突き出た腹、怒張した下半身。そして中年男性めいたその顔には…メンポである！ 7

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「ア？オジサン、何？」「酔っ払ってんの？」「スッゾ？スッゾ？」幸か不幸か、バリキドリンク過剰摂取の影響により、ヨタモノ達はそのメンポが何を意味するのか理解できていない。ナイフを持ったヨタモノが、全裸中年男性に近付いた。「オジサン、どうしたの？俺達の遊びに入れてほしいワケ？」 8

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全裸メンポ中年男性は、近付いてくるナイフ男をじっと見つめている。メンポの奥で奇怪な笑みを浮かべ、股間を怒張させながら。「おっ立てやがって、テメッコラー、何か言えよッコラー」楽しみを邪魔されたヨタモノは、不遜な態度の中年男性にナイフの切っ先を向けた。 9

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しかし次の瞬間、ヨタモノは奇妙な事に気付いた。先ほどまで手に持っていたナイフが、見当たらない。いや、違う。ナイフだけではない。ナイフを持っていた右手自体が、ケジメされているではないか！「アッ、アイエエエ！？」手を失ったヨタモノは叫び声を上げた！噴水めいて噴き出す血液！ 10

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では、そのケジメされた手はどこに行ったのか？皆さんの中にニンジャ動体視力を持つ方がいれば気付いたであろう。そう、ナイフを持った彼の手は、全裸メンポ中年男性の手の中に、先程までと同じ形で存在しているのだ！ナムサン！本人も気付かないほどの速度で、手をもぎ取ったというのか！？ 11

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「アイエエエ！？」「ナ、ナンオラー！」「スッゾオラー！？」訳も分からず相手を威嚇するヨタモノ達！彼らが見ている前で、全裸メンポ中年男性は…オジギをした！「ドーモ、皆さん。ネイキッドです」 12

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ネイキッドの放つ異様なアトモスフィアにより、ヨタモノ達はようやく事態を理解し始めた。「ニンジャ…！？」「ニンジャ、ナンデ…？」手をもがれたヨタモノは、手のケジメ痕を残った左手で押さえながらただ喚いている。彼らの見ている前で、ネイキッドはヨタモノの手をナイフごと…己の尻へ！ 13

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「ワシのフィストファックを見よ！」おお、ブッダ！ネイキッドは体ごと後ろを向き、尻を突き出すと…そのナイフを、ヨタモノの右手を、尻穴の中に…ブラックホールめいて…極限大挿入したというのか！？「「「アイエエエ！？」」」あまりに冒涜的なその光景に、ヨタモノ達は揃って失禁！ 14

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最早立つことさえできず、股間を萎れさせ、ヨタモノ達はただただ腰を抜かしていた。恍惚の表情を浮かべたネイキッドは、ズボンを脱ぎかけたサイバーサングラス男に近付いていく。その股間を極限怒張させながら。「そしてこれがファック＆ファックじゃ！」 15

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「オゴゴーッ！」「死んだら終わりに対抗して…イくならお尻！貴様もお尻でイクんじゃぁ～！」「アバッ、アババーッ！」…先程までファック＆サヨナラの餌食となりかけていた女は、豊満なバストをむき出しにしたまま、現実とは思えないこの光景を眺めていた。 16

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彼女は一度に精神的負担を受け過ぎた。その精神は、眼前に広がる異常過ぎる事態の理解を、本能的に避けたのである。逃げなくては。急速に冷静な思考を取り戻した彼女は、這うようにしてその場を後にした。…「ヤメロー！ヤメロー！」「ヨタモノに対抗して…出たモノ！」「アバババーッ！」 17

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ヨタモノ達の叫び声は、欺瞞めいた合成マイコ音声広告に呑まれて消えた。止める者は誰もいない。彼らの悲鳴を聞いているのは、ただ、ニンジャのみである。…ただし、そのニンジャは一人とは限らなかった。「オウ、悪いなァ、お楽しみの所」 18

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嘲るような口調でネイキッドの背後から現れたのは、白めいた灰色の装束を着たニンジャ。その胸には、クロスカタナのエンブレム。「ドーモ、初めまして、ワナメーカーです。ソウカイ・シンジケートから来ました」そう、ラオモト・カン率いる暗黒ニンジャ組織、ソウカイヤのニンジャである！ 19

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「グフフ、ドーモ、ワナメーカー＝サン。ネイキッドです」ちょうどモヒカン男との強制ハッテン前後行為を終えたばかりのネイキッドは、なおも股間を直立させたままアイサツした。「アー、間違いねェ、テメェだ。俺が探してた野良ニンジャってのは」ワナメーカーは顔をしかめて言った。 20

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ワナメーカーは、つい先刻ミッションを受けたばかりである。ここ数日、ネオサイタマで全裸にメンポの中年男性が何度も目撃されている。同時に、ハッテン強制前後され殺されたと思われるヨタモノの死体が、いくつも。更に奇妙なことに、その死体は、その後すべて行方が分からなくなっているのだ。 21

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ファック＆サヨナラはチャメシ・インシデント。だが男が、しかもこの短期間で複数人というのは実際珍しい。死体が忽然と消えるというのも妙だ。これらの情報をニンジャと関連付けた上からの指令。即ち、ソウカイヤのテリトリーで好き勝手するその変態ニンジャをスカウトするか、暗殺すること。 22

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こんな奴をスカウトしてどうするのか。ネイキッドの周りに倒れたヨタモノ達を一瞥し、ワナメーカーは訝しんだ。噂の死神によってシックスゲイツが次々と倒され、ラオモトの懐刀であるダークニンジャまでもが戦闘不能。人員不足は事実だろうが、ニンジャから見ても普通でないこんな奴を？ 23