飯山幸伸著『弱小国の戦い 欧州の自由を求める被占領国の戦争』感想
飯山幸伸著『弱小国の戦い 欧州の自由を求める被占領国の戦争』の感想をまとめたいんだけど、なんか巧くいかないんでもう適当に書くことにする。まとまりのない文章であやふやなことを連投することになりそうなんでTLをお騒がせしそうです、申し訳ない。 それじゃまず本書で知った地域の概略から。
2016-02-19 08:05:58まずフィンランド。某狙撃手やら継続高校やらそういう方向からなんか人気のある国になってるけども、ムーミンの国くらいのイメージで歴史全然知らん、って人が多そう。自分もあんまし知らん。
2016-02-19 08:07:25概略としては、スウェーデンの一部だった地域が、ロシアとの争いでロシアに飲み込まれ、WWⅠ後に分離独立、という感じか。 WWⅡではソ連が再統合を呼びかけそれを拒否、39年の冬戦争突入。
2016-02-19 08:09:03冬戦争は交戦勢力と支援国の把握が面倒。 英仏がフィンランドを支援し、ソ連を攻撃することすら検討されたって話はWWⅡを「枢軸国vs連合国」とだけ割り切って教える日本の歴史の授業受けただけだとさっぱり意味が判らんだろう。WWⅡ極初期は独ソは同盟国だ。
2016-02-19 08:11:58フィンランドがソ連の攻撃を受けていたとき、お隣のスウェーデンは何をしてたかと言うと… 中立国だから、表立っては何も出来ない。英仏軍がフィンランドを支援するため通行を求めたけど、それを許しては中立が維持できない。
2016-02-19 08:13:44どうも「永世中立」ってものに夢見がちな人が結構居るけど、中立国ってのは隣人が侵略を受けていても、支援が出来ないんだよね。相手国からの中立違反を咎められてしまい、次の標的にされる。そして、各国からは冷酷だと非難される。楽じゃないよ。
2016-02-19 08:15:58フィンランドは国境線を後退させることになるもソ連軍の進撃を受け止め粘り、講和に辿り着く。その後、独ソ戦の開始に伴いドイツの同盟国として対ソ戦を再開、冬戦争で失った領土の回復を図る。これが継続戦争。
2016-02-19 08:17:47一時は領土回復に成功したけれども、1944年にはドイツ軍を各所で破ったソ連軍の反撃が本格化、フィンランドもまた攻撃目標になり冬戦争時以上の領土を喪うことに。講和しようにも、ドイツがそれを許さない。 結果、フィンランド国内のドイツ軍を追い出す戦いが始まる。
2016-02-19 08:19:32フィンランド軍vsドイツ軍の、ラップランド戦争ってやつ。 ソ連軍が支援してくれるかって? そんなの期待できる相手か? ってことで先日までの友との殴り合いで、フィンランドも国土の広範囲が戦場になった国なんだよね。
2016-02-19 08:21:03で、フィンランドのお隣、ノルウェー。 ここも冬戦争の影響を受けている。冬戦争時、フィンランドを英仏が支援しようとしたけど、その背景にはスカンジナビア半島を抑えておきたい、って英仏の意思があった。ドイツが鉄鉱石や海産物を欲しがったからね。
2016-02-19 08:23:02ノルウェー国内にはファシズム支持者も居てそういう党もあったけど、支持率は低い。冬戦争時、英仏軍がノルウェー北部に大規模に展開していたら、その後のドイツ軍侵攻にどんな影響があったか興味深いトコロ。
2016-02-19 08:24:58結局、1941年初頭にドイツ軍がノルウェーに侵攻、この時中立国だったデンマークもついでに侵攻されてる。 ノルウェーには英軍が少数ながらも展開していたためノルウェー戦は結構長引いてる。特に独海軍は重巡をノルウェー軍の要塞に沈められ、駆逐艦多数を英海軍に喰われてる。
2016-02-19 08:26:38けれども、低地諸国がキナ臭くなってきだしたため英軍は撤退、ノルウェー政府もそれに着いていく形で撤退。ノルウェー全土はドイツ軍の占領下に。 ここで大きな役割を果たすのが、ヴィドクン・クヴィスリング。 誰それ? って思うでしょ。ワシも思った。 「ノルウェー 売国奴」で検索してみようw
2016-02-19 08:28:51そんな検索方法で真っ先に出てくるような人なんだからろくでもないのは間違いない。 クヴィスリングはノルウェーのファシズム政党の党首で、先述の通り国民の支持率は低い。しかしノルウェーの占領政策的には重要で、コイツを利用してノルウェーを統治に正当性を持たせたかったんだろう。
2016-02-19 08:30:39しかしまあ、占領してしばらくしてドイツも気が付いたようで、クヴィスリングははっきり言って使い物にならない。なもんでドイツ軍の派遣した行政官が実権を握ることに。もう、小説とかでよく居るキャラじゃねーかこれじゃ。
2016-02-19 08:32:06ノルウェーは鉄鉱石の輸入元としてドイツ的に絶対抑えておきたかったんだろう。1942年には英国からの援ソ船団を巡る北極圏の戦いが激化。その基地としてノルウェーの戦略的重要性も増す。さらに重水素工場までできて…
2016-02-19 08:34:55占領下のノルウェーではレジスタンス活動が活発化し、住民を巻き込んだ戦いが続いたけれども、なんか知名度が低い。フランスやオランダの話が目立つのは、相対的なものでしかないんだろうけどね。
2016-02-19 08:36:26スウェーデンに関しては、WWⅡをなんとか中立のまま乗り切り、参戦国にはならずに済んでる。けれども、「負傷したドイツ兵の国内通過」を認めさせられ、英国の強い非難を受けてる。だって実際のところ負傷兵だけじゃなかったもん。 1941年夏には周囲が全て枢軸国という立地条件の悪さよ。
2016-02-19 08:39:02お次はデンマーク。ノルウェー侵攻作戦のついでに中立宣言無視したドイツ軍の侵攻を受け降伏した国。 ここの前史も曖昧だったけど、かつては北海沿岸を支配する巨大帝国だったわけですよ。アイスランドやグリーンランドも。だから「デンマーク海峡」があんなところにある。
2016-02-19 08:41:05まあしかし遠い島々での自治権拡大、独立の動きには逆らえず、海側の領土を喪う。陸側ではフランスやプロイセン、後のドイツが勢力を拡大。陸側の領地も喪っていき、ユトランド半島とその周辺の島々、という今お馴染みの領土になった。
2016-02-19 08:43:29デンマークはWWⅠには参戦せずに済んでる。ただ、バルト海の出入口という立地上、ロシアからもドイツからもイギリスからも色々圧力を受け、機雷を敷設しろだのなんだの言われてそれもう戦争参加ですよね!? という状態。危なかった。
2016-02-19 08:44:40WWⅡでも、ノルウェーを巡る計画段階でドイツも結構悩んだらしい。でも色々あって、こりゃもう占領した方が早いね、って話に。 ドイツ軍地上部隊がユトランド半島に侵入し、数時間でデンマーク国王は降伏を決断。ただ、内閣との調整がうまく行っておらず、後々問題になる。
2016-02-19 08:47:16結局、デンマークはあっさりドイツ軍に占領されたけど、イギリスに亡命した内閣と、さっさと降伏した国王との対立が戦後まで響く問題になったそうな。 デンマークでのレジスタンス活動は初期はほぼ無かったけど、41年頃から活発化。亡命政府もそれを支援するようになる。
2016-02-19 08:49:3442年だか43年には、デンマーク国内でのレジスタンスによる工場への破壊活動は1000回を超えたとか。毎日2~3回のペースで工場爆破とかどんなペースだよ。そんなに沢山工場あるの!?
2016-02-19 08:50:53で、1940年春。ノルウェー戦もひと段落したドイツ軍は、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク(低地諸国)に侵攻。ごく当たり前のように中立宣言無視しての進攻です。 軍事史的にはベルギーのエバン・エマール要塞への空挺降下、アルデンヌの森を機甲部隊で突破、とかで終わりそうな話。
2016-02-19 08:53:20