ロックンロールとおたく文化

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It happens sometimes @ElementaryGard

1)アメリカ進出を当初から狙って結成された日本のYMO(黄色魔術演奏団)がアメリカ縦断公演をしたら、ある曲だけが異常に反応がよくて戸惑ってしまったという話も何度もしてますね。youtu.be/MeoYJmDQ0ME 後にマイケル・ジャクソンまでがカバーした。

2016-02-21 00:10:39
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2)もともとは時計のCM用に書いた曲をアレンジしてロックにしたものだそうです。YMO関係者全員が平凡なロック曲だと思っていたのが、アメリカでは白人も黒人もライブで熱狂するのでメンバーは驚いてしまった。

2016-02-21 00:13:02
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3)ロックンロールのノリを偶然はらんでいたのです。「黒人も白人も関係なく、何か共同体のなかで通じる感覚があって、それに偶然合致したらしい」と作曲者の坂本龍一は総括。「それが何なのかよくわからない。分析したけれどわからない」

2016-02-21 00:15:27
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4)映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、1955年に迷い込んだ1985年の高校生が、ロックンロールの曲をダンスパーティで演奏してバカ受けするシーンがあります。バンドの黒人たちも熱狂。人種差別が公然と行われた時代に、白人と黒人が同じ音楽で熱くなる、奇跡の時間。

2016-02-21 00:17:52
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5)あの時代までアメリカでは大衆音楽が人種や社会階級ではっきり分断されていたそうです。たとえばブルースが黒人、カントリーが中西部の白人。そこに白も黒もリッチもプアーもない、アメリカ人というアイデンティティがあればそれでいい音楽が現れた。それがロックンロール。受け売りですけどね。

2016-02-21 00:23:38
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6)あの映画で主人公のマーティが迷い込んだ1955年の前の年に「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が出てますね。黒人音楽として生まれたジャズを、白人ミュージシャンが再解釈して作り上げた。55年に映画『暴力教室』の主題歌に採用され、映画のヒットとともにこの曲も大ブレイク。

2016-02-21 00:28:32
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7)映画『スーパーマン』(1978年)でもクラーク・ケントの高校生時代の場面で少し流れる。クラークの父親を演じたグレン・フォードが『暴力教室』で主役を演じたのにひっかけたジョーク。高校生たちがオープンカーでご機嫌ドライブ中にラジオから流れてくる。よく見ると黒人の女の子が乗ってる。

2016-02-21 00:32:03
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8)『バックトゥ』で演奏される「ジョニー・B・グッド」は1958年の曲だから、マーティは3年フライングで演奏したことになります。youtu.be/S1i5coU-0_Q

2016-02-21 00:36:54
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9)作詞作曲演奏ともにチャック・ベリー。この方は黒人です。面白いですね1954年の「オール・アラウンド・ザ・クロック」が白人による黒人音楽の新解釈で、それを再び黒人が奪い返して生まれたのが「ジョニー」だったのだから。

2016-02-21 00:39:44
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10)そしてエルヴィス・プレスリー。白人が黒人の音楽を堂々と歌う画期をなした世紀のスーパースター。

2016-02-21 00:45:21
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11) >初期のプレスリーのスタイルは黒人の音楽であるリズムアンドブルースと白人の音楽であるカントリー・アンド・ウェスタンを掛け合わせたような音楽といわれている。それは深刻な人種問題を抱えていた当時のアメリカではありえないことであり、画期的なことであった。

2016-02-21 00:46:01
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12) >1950年代のアメリカでは音楽も人種隔離的な扱いを受けている部分が多く残っており、当時のロックンロールのヒットソングも黒人の曲を白人がカバーし、そのカバー版が白人向けの商品として宣伝され、チャートに掲載され、またラジオなどで流れる傾向にあった。

2016-02-21 00:48:32
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13) >たとえ同じ歌を同じ編曲で歌ったとしても、黒人が歌えばリズム・アンド・ブルースに、白人が歌えばカントリー・アンド・ウェスタンに分類されることが常識だった。プレスリーは、このような状況にあって黒人のように歌うことができる白人歌手として発掘された。

2016-02-21 00:48:58
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15)プレスリーに影響されたのがイギリスのビートルズで、ビートルズを一番崇拝したのがマイケル・ジャクソン。アメリカ⇔イギリス、白人⇔黒人のパクリあいというところか。別に盗作はしていないけれどね。文化ってこうやって新しいものが生まれてくる。

2016-02-21 00:54:01
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16)YMOはそこに一瞬入り込んだのです。ロックンロールという、人種も階級も超えてしまうジャンルに、偶然足を踏み入れた。そして一曲だけ観客を熱狂させた。反対に日本での大ヒット曲「テクノポリス」も「ライディーン」もたいして受けなかった。「ちゃかちゃか音が鳴ってるだけじゃん」と。

2016-02-21 00:59:33
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17)YMOメンバーは演奏技術も音楽センスもずば抜けていた。けれどもロックがアメリカの社会階級闘争のなかで生まれた音楽であることまでは当時理解していなかった。むしろそういううざったいものを当時の最新テクノロジーで脱臭化することを目指していたから。

2016-02-21 01:05:55
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18)ええと、で何か言いたいのかというと、実は二次元美少女論です。女の子用作品を男の子が換骨奪胎して新ジャンルを作ると、それを女の子が再び換骨奪胎してさらに進化し、それをまた男の子が奪い返して新ジャンルを作り…ロックンロールの歩みとどこか重なる。

2016-02-21 01:08:58
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19)ロックンロールの裏テーマが「黒人も白人も関係ないし、リッチもプアーもない。アメリカ人というアイデンティティさえあれば誰でもウェルカムさ」だったように、日本の二次元美少女にも同じような裏テーマがあるのではないか、と前から考えている。

2016-02-21 01:12:08
It happens sometimes @ElementaryGard

20)もっともYMOメンバーが結局はロックンロールを理解できずアメリカ進出は途中で断念してしまったように、日本の二次元美少女文化も、外国人(OTAKUは除く)には児童ポルノの変種にしか思われていない。

2016-02-21 01:13:45
It happens sometimes @ElementaryGard

21)全然違うのにね。けれどもどこがどう違うのか、論理できちんと説明しようとする努力がこれまでろくになされていない。

2016-02-21 01:15:11
It happens sometimes @ElementaryGard

22)この難問にただひとり向かう。かっこいいでしょ。それも英語にのせて通用するようなものでないければいけない。

2016-02-21 01:16:26
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23)⑯の補足。YMOはロックンロールを介して一瞬アメリカの大衆と交信に成功したのですが、結局は奇異の目で見られて終わった。「東洋人がどうしてロックやるの?日本人ならシャミセンとかコトでしょうが」と大真面目に質問されてメンバーは絶句した。

2016-02-21 01:23:49
It happens sometimes @ElementaryGard

24)ロックンロールにはアメリカ人というアイデンティティが問われた。ビートルズ?あれは同じアングロサクソンで、しかも同じ英語圏の出身だったし、ブリティッシュ・ロックという分類で処理できたから。

2016-02-21 01:26:25
It happens sometimes @ElementaryGard

25)明治政府はぎりぎり沖縄までは「日本人」と「国語」のアイデンティティをすり込めたけれど、朝鮮ではさすがに限界を露呈した。日本人によるロックは、果たしてロックなのか?この問いかけは人種差別というもっともらしいことばでは片付かない、もっと根が深い問題。

2016-02-21 01:28:57