- arishima_takeo
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世界は探るべき意味を潜ませた絵文字や象形文字でなく、露のように結び、絡まり、分裂し、増殖し、崩れ、いっときも休みなく動きつづける一連のできごとなのだ。張りつめた氷ではなく、燃えさかる火なのだ。乾いた土ではなく、吹きまくる風なのだ。そうでなくては退屈してしまう。by『天馬空を行く』
2016-02-24 14:04:10「ギリシャの演劇コンテストでは優勝者の商品は山羊だったんだから。悲劇っていうのはギリシャ語でトラゴディア、山羊って意味なんだよ。知らなかったでしょ?」(冥王まさ子『天馬空を行く』)。知らなかったです。
2016-02-24 14:06:17あたしは女でも日本人でも何者でもないんだ。規定できないもの、未だ成らざるものなんだ。自分を何者かだと思い込んでいる人間はそれで行き止まりなんだよ。あたしは何者でもない、あたしはこれから自分を産み出すんだ。つぎつぎに新しい自分を産みつづけるんだ。by冥王まさ子『天馬空を行く』
2016-02-26 11:57:44人は、特に女は、暮しがよくなるとまっ先に潔癖症になる。それはものへの過度な執着である以上に、潜在的なファシズムなのだ。不純物をとり除こう。号令一下、人は、特に女は、異質なものの排斥に献身する。一見平和的な日常は暗い思想に支えられているのだ。by冥王まさ子『天馬空を行く』
2016-02-26 12:00:12「一九七八年秋のとある日、わたしと相棒はニューヘイヴンのレストランでポール・ドマン、ジャック・デリダと一緒にお昼を食べていた」(冥王まさ子『天馬空を行く』あとがき)。ずいぶん豪華なランチだな。
2016-02-26 12:02:12「デリダは写真嫌いで知られている。彼の顔写真が雑誌や新聞に載ったのをわたしたちはそれまで見たことがない。そのためにデリダは怪獣みたいな男ではないか、という噂があったくらいだ」(冥王まさ子『天馬空を行く』あとがき)。そのわりには映画とかガシガシ出てるよな。
2016-02-26 12:04:02冥王まさ子『天馬空を行く』読了。龍夫こと柄谷行人に萌える為の柄谷萌え小説。腹ペコで不機嫌になるがムール貝をパクついて照れ笑いする柄谷に萌え。娼窟の前で息子相手に下ネタを言う柄谷に萌え。ジュースを吐かれて白シャツが黄色になる柄谷に萌え。これを読まずして柄谷ファンは名乗れない!
2016-02-26 12:13:48マルクスが通いつめた図書館でハシャグ柄谷萌え。黒猫のタンゴを歌って「ニャーオ」と言う柄谷萌え。息子に乞食のマネをさせ小銭を稼ぐ柄谷萌え。この小説、とんでもないぞ…!
2016-02-26 12:20:21もう少し真面目な事も書いとくと、これは二人の子供の育児記録でもある(下の息子どんだけ漏らしてんだよ)。これを読むと人間はあまり人間の世話をしなくてもいいのではないか、と思えてくる…し、そのメッセージは昨今とても大事なことだと思う。人は勝手に大きくなるだけだ。子供だって他人なんだ。
2016-02-26 12:24:56