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防人因果@DLW,超電脳のユニバック @IngaSakimori
『朝潮バレンタイン突発応援SS          秋津洲バレンタイン』 #朝潮バレンタイン #秋津洲バレンタイン
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「かもー! 行くかもー! 秋津洲もチョコ探しに南米にいくかもー!!」  トラック泊地。ばたばたと両腕を振りまわしながらひとりの水上機母艦が叫んでいる。 #秋津洲バレンタイン
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提督は黙ってコメカミを押さえた。 内地から届いた信じがたい報。 ある駆逐艦のネームシップが南米において消息を絶った。それを聞いた提督の秘書艦が言い出したのは、『自分も行きたい』だった。 #秋津洲バレンタイン
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「秋津洲と大艇ちゃんなら、チョコなんて楽勝かも!  南米とか言ったことないけど、ひとっ飛びかも!」  ムスー、と鼻息も荒く彼女は言った。 #秋津洲バレンタイン
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だが、これはそういう話ではない。海軍全体を揺るがしかねない大事件なのだ。 しかし、この脳天お気楽極楽デイリーカップ焼きそばのお湯入れすらも失敗つづきの秋津洲には、理解できるはずもなかった。 #秋津洲バレンタイン
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「えっ……無理なのかも?」  提督は思案の末、説明を試みる。ここトラックの東に確保されている根拠としてはクェゼリンがある。しかし南米大陸まではさらに12000kmもの距離があると。 #秋津洲バレンタイン
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「う~……そんなに遠いと大艇ちゃんでも無理かも……」  がっくり肩を落とす秋津洲。  そんな仕草もかわいいなあと、思わず頬をゆるませながら提督は一安心だった。  そして、味の薄いお昼のカップ焼きそばを、提督が口へ運んだ……その時。 #秋津洲バレンタイン
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「いえ、可能ですよ!!」  乱暴な音を立てて執務室の扉が開いた。そこには一人の軽巡が立っている。 「秋津洲さん、可能です!」 「ほんとうかも!? いけるかも!?」  メガネをきらんと光らせた彼女の名は大淀。しかし、大淀はこの鎮守府の艦娘ではない。 #秋津洲バレンタイン
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大淀はあくまでも連絡業務で内地から派遣されてきて、たまたま今日滞在していたに過ぎない。 そう……消息を絶った駆逐艦朝潮。まさに彼女が所属している鎮守府から、ここトラックへやって来たのである。 #秋津洲バレンタイン
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「これをご覧下さい!」  邪悪な光をいかなる海溝よりも深い瞳にたたえつつ、大淀は地図を取り出した。 「まず、東ではなく西に向かうのです。  トラックからシンガポールへ! 距離はおよそ5300km!」 「いけるかも! 大艇ちゃんなら余裕かも!」 #秋津洲バレンタイン
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「シンガポールからさらにマダガスカルへ! およそ6700km!  マダガスカル知ってます、秋津洲さん?」 「知らないかも! でも大艇ちゃんと一緒なら平気かも!」 #秋津洲バレンタイン
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提督の胸に嫌な予感などというレベルではない危惧が広がっていく。 確かにシンガポールは安全だし、マダガスカルは友邦である英国の領土だ。だからと言って、そんな遠くまでかわいい秘書艦をひとりで送りだすわけにはいかない。 #秋津洲バレンタイン
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「さらに! マダガスカルから南大西洋へ!!」  大淀の瞳が悪夢の怪光線を放とうとしたとき、遂に提督は口を挟んだ。  南大西洋にろくな島はない。アフリカ沿岸で補給を受けようにも、二式大艇を停泊させることができるような基地はないはずだ。  諦めろ、と。 #秋津洲バレンタイン
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「ふふふ……」  だが、大淀はそんな提督の言葉を予想しきっていたように、口元を歪ませる。 「南大西洋には確かに島らしい島はありません」 #秋津洲バレンタイン
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「しかし! ケープタウンから2000km! 世界一孤立した有人島! そして南大西洋の英国領土!  その名もトリスタン・ダ・クーナ島! マダガスカルから距離は6000km!」  そこから南米ブラジル沿岸までは、零式三座水偵でもいける距離ですよ、秋津洲さん」 #秋津洲バレンタイン
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「やったかも! これならいけるかも!!」 「ええ、そうです。秋津洲さんなら行けますよ……」  小脇に『紺碧の艦隊』と『旭日の艦隊』をかかえて邪悪な微笑みを浮かべる大淀。はしゃぐ秋津洲。  提督の右手から力が抜けた。カップ焼きそばの麺と共に割り箸が落ちた。 #秋津洲バレンタイン
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「さあこんなこともあろうかと、装備一式の用意と英国への事前連絡は済ませてあります」 「おおー! 大淀さん準備いいかも!」 「目的地の座標はここです……何でもここは、深海棲艦のチョコレート工場があるそうです。  優秀な秋津洲さんなら、余裕ですよね?」 #秋津洲バレンタイン
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「もっちろんかも! 秋津洲はカップ焼きそばのお湯だって入れられるかも!  善は急げかもなので、即出発かも! 提督、いってきますかも~!!」 #秋津洲バレンタイン
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秋津洲が走り出す。彼の秘書艦が行ってしまう。 襲来した戦闘民族を前にした、無力な地球人のように、提督はただ、あ……あ……と声を絞り出すことしかできない。 #秋津洲バレンタイン
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「……なぜだ!?」  程なくして四発の火星発動機の音が響いた。秋津洲が二式大艇と共に行ってしまった。  その時になって、提督はようやく殺意すらも含んだ抗議の声をあげた。 #秋津洲バレンタイン
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「なぜ、あんなことを秋津洲に吹き込んだ!?」 「別に……役立たずを始末するいい機会では?」  そう言いながら、大淀は舌なめずりする。絶望に染まった提督の顔を見る。 #秋津洲バレンタイン
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他の鎮守府所属とはいえ、艦娘と提督の上下関係は歴然として存在するはずだった。  それでも、この軽巡洋艦は獲物を前にした捕食者のように舌なめずりして笑っていた。 #秋津洲バレンタイン
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コメント

TFR_BIGMOSA @TFR_BIGMOSA 2016-02-27 13:39:29
お読みになった方には「朝潮バレンタイン」も併せてお読みになることをお勧めします。 この投票に参加するとモフモフになれるかもしれません。https://twitter.com/TFR_BIGMOSA/status/703427127157215232
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