かつて自民党議員が社会党議員をたしなめたお話 via 泥憲和さん

今の自民党にこれだけの懐の深さがあるでしょうか?
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あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

①体験の重みというのはすごいものだとつくづく感じた。戦後賠償のことだ。昭和31年6月の参院本会議で日本とフィリピンの間の損害賠償が議決された時のこと。日本社会党は協定に反対し、羽生三七議員が反対討論に立った。戦争賠償は当然であるにしても、金額が高すぎるというのだ。

2016-03-01 18:27:28
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

②フィリピンについては、心より遺憾の意を表するし、賠償によって国交が正常化することも歓迎する。しかしながら賠償額は日本の経済が耐えきれる範囲内でよいと講和条約にもあり、復興途上の今、八億ドルという賠償は少からざる負担であると。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:28:02
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

③これからベトナムやインドネシアとの賠償交渉が控えているのに、このように多額の賠償という前例を作ってしまってよいのかとも訴えている。これに対し賛成討論に立った自民党の小滝彬議員は羽生議員に「共鳴する点も少くない」と述べつつ、しかしながらと続けた。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:28:32
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

④「翻って考えてみますると、昭和二十七年に、今われわれの同僚議員であるところの津島壽一君がフィリピン側と交渉されました際には、先方は八十億ドルという額を要求して譲らなかった経緯もありまする」。それはなぜなのかを自民党小滝議員は語った。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:29:30
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

⑤「フィリピンにおける戦禍、日本軍の直接軍事行動によるところのいろいろな損害、これも相当な額」だが、さらにまた「日本の軍が持っておった軍票によって徴発された物資の総額というものも、相当大きな額に上っておる」と。自分はそれを知っているという。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:30:11
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

⑥「このことは、私も戦争中向うにおりまして、フィリピン人と労苦をともにしておった」のだと。「なるほど五億五千万ドルという額は、これは巨額」だし国民の大きな負担であるし、他国との交渉にも影響するだろうが、「フィリピン側の立場というものを」考えようと。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:31:06
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

⑦「とにかくここまでフィリピン側が妥協してくれたこの誠意は、十分認めなければならないと存ずるのであります」「両国の代表者の諸君が、きびしい国内の批判にもかかわらず、隠忍自重、今日の成果をおさめられましたことを深く感謝し、これらの人々に敬意を表する」 @ndoro19542566

2016-03-01 18:31:45
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

⑧なんとフィリピン戦に参加していた自民党議員が、相手の被害を私は知っているのだ、この金額は大きいが、本来ならばこんなものでは足りないのだと社会党議員をたしなめているのだ。なるほど、かつての自民党はこういう一面も持っていたんだなあと感慨深い。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:33:15
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566

⑨ひるがえっていまは…いや、これを語ると暗澹となるので、ここで止めておこう。ともかくかつてはこうだった、戦争を体験した議員が与党におり、誤魔化しようのない裏付けを持った討論がされていたことを知るだけでも、知らないよりはずっとよいから。 @ndoro19542566

2016-03-01 18:34:19