- tasobussharima1
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徳無きアフター徳カリプスの世界において、唯一永続的なエネルギー源たる仏舎利の保有は大きな優位(アドバンテージ)となる。それは、唯捨て去るには余りにも惜しい可能性だ。 だがそれを欲するのは人だけではない。アフター徳カリプスにおいてエネルギーの大半を消費する者は人間ではないのだから。
2016-03-01 21:04:09南極の地下で、田中ブッダは頭を悩ませていた。得度兵器を破壊する『何者か』の追跡は芳しくない。何故なら、彼等の向かった先は得度兵器の行動範囲外だからだ。 「得度兵器には、大きな弱点がある」 田中ブッダは誰に聴かせるともなく独り言を呟く。これは大昔からの彼の癖だ。
2016-03-01 21:08:03そういえば得度兵器はどのくらいのオーバーテックを保持してるんだろう。例えば徳エネルギー以前の動力機関とか。得度兵器自身は徳を稼ごうと思っても稼げないんだから、いっそ徳エネルギーは人間を解脱させるためのものと割り切って、通常動力は別系統にした方が効率的な気もするんだけど #徳パンク
2016-03-01 21:08:36得度兵器は、基本的には得度兵器というシステム自身の自律改良によって進化を続けている。改良と製造を行える設備は世界に幾つか存在するが、南極にあるものはその中でも最大の部類だ。 だが、この徳カリプス後の十余年で彼等はあまりに急速な進化を遂げてきた。故に決して少なくない綻びが存在する。
2016-03-01 21:12:03もとがエネルギーに困らなかった徳エネルギー時代の設計なのだ。燃費効率などろくに考慮されていない。その上、基礎設計を変更しない自律改良による巨大化・発展。燃費を考慮しない設計余剰が大型化を許容した側面もあるが、結果として陸上型得度兵器の連続行動時間は恐ろしいまでに短縮されている。
2016-03-01 21:20:07自律改良の範囲はわりと小規模というか根本的な設計は昔のままなんだな。もっと非ヒューマノイド的発想でドラスティックに設計改変してるのかと思ってた #徳パンク
2016-03-01 21:23:25内部に徳エネルギー源……つまりは人間を搭載すれば多少マシになるが、それとて中の人間の生命維持が問題だ。 「せめて、誰か……専門家さえ居れば違ったのだろうが」 機械的な最適化と田中ブッダ一人の技術力では、そこまでが限界であった。彼は、根本的には理論屋だ。
2016-03-01 21:24:01徳ジェネレータのような徳エネルギー関連技術ならばまだしも、機械の構造には疎い。得度兵器のような複雑なロボットの基礎設計に手を付けるレベルには無い。 無論、田中ブッダも得度兵器達も無策ではない。製造設備の周囲に『陣地』を構築し、補給拠点を作り行動範囲を広げてはいる。
2016-03-01 21:28:00